胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療の基本は薬による内科的治療であり、手術の対象となることは現在ほとんどありません。ただ、潰瘍が未治療で経過した場合、まれに孔が空いてしまい、腹膜炎に至ることがあります。これが穿孔といわれる状態です。
以前は手術で広く胃を切除する治療が行われていましたが、現在では手術にならない場合もあります。当院でも、腹膜炎の程度が軽症の場合には、手術をせずに薬による内科的治療を行います。
腹膜炎がひどい場合には、手術をして、お腹の中に漏れ出た食物残渣や膿をきれいに洗い流すような手術(洗浄ドレナージ術)が必要となります。その場合にも広範囲に胃を切除することは通常なく、大網と呼ばれる内臓脂肪で空いた孔をふさぐような手術を行います。条件にもよりますが、腹腔鏡下手術で行うこともあります。
最終更新日:2018年2月28日