所長 ご挨拶

所長 ご挨拶

東京都立がん検診センター 所長 入口 陽介

 当センターは、平成2年に多摩地域のがん対策を強化するための中核拠点として、府中市に設立された多摩がん検診センターが前身です。平成15年には昭和47年に千代田区神田駿河台(現東京都医師会館)に設立され、区部を中心にがん対策の中核拠点として運営されてきた東京都がん検診センターの事業を統合し、現在に至っており、両施設の半世紀にわたる高度な診断技術を継承し、精密検査の診断能力を十分に発揮して事業を行って参りました。

 令和4年7月1日、当センターが行っている5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、子宮頸がん、乳がん)等の精密検査、人材育成事業、普及啓発活動などの事業を引き継ぎ、公益財団法人東京都保健医療公社東京都がん検診センターから地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立がん検診センターとなりました。

 診療内容については、1. 消化器内科では、上下部X線造影検査、上下部内視鏡検査、上下部内視鏡治療、腹部超音波検査、CT検査(単純、造影)、大腸CT検査、2. 呼吸器内科では胸部CT検査、低線量胸部CT検査、3. 婦人科では子宮頸がんの二次精密検査だけではなくCIN(前がん)の経過観察、4. 乳腺腫瘍外科ではマンモグラフィ検査、乳線超音波検査、マンモトーム生検検査などを積極的に行っております。※現在、マンモトーム生検は休止中です。ご迷惑をお掛けして、申し訳ございません。

 自費診療では、がんドック、プレミアムがんドックなどのがん専門ドックを用意しており、人材育成、がんに関する普及啓発活動などを継続して実施しております。

 当センターの特徴であります臨床支援室(医療連携室)では、自治体や各医療機関との連携、がん相談など受診者等のニーズに応えるべく多岐にわたる活動も行っております。

 さらに、多摩メディカル・キャンパス整備事業により、令和7年4月に新センターがオープン予定であり、同時に都立多摩総合医療センターと合併し、精密検査から治療、治療後の経過観察まで一貫してシームレスな診療が実施できるようになります。

 IT技術の発展と医師会の先生方との協力によって組織型検診・診療を行える日も近いと感じております。

 今後も、急速に進む超高齢化社会では、健康寿命は個人だけでなく社会の課題であることから、予防医療の重要性を啓発しつつ、迅速で精度の高い診断を行う「地域の検査室」としての役割をさらに高めていきたいと考えております。

 皆様にご利用して頂けますよう、職員全員で「親切・丁寧に、精度の高い医療を提供する」をモットーに鋭意努力してまいります。

 今後とも、ご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

資格・活動など
医学博士
日本内科学会 総合内科専門医 認定内科医 
日本消化器がん検診学会 理事 代議員 総合認定医 指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医 指導医 社団評議員
日本消化器病学会 専門医 関東支部評議員 
日本食道学会 食道科認定医
日本消化管学会 胃腸科専門医
日本ヘリコバクター学会 H.pylori感染症認定医 代議員
日本大腸検査学会 評議員 編集委員
日本人間ドック学会 認定医
早期胃癌研究会 運営委員
雑誌「胃と腸」 編集委員

活動
東京都生活習慣病検診管理指導協議会 がん部会委員
全国労働衛生団体連合会 総合精度管理委員会委員 胃X線検査専門委員会委員長
日本消化器がん検診学会 検診従事者員会 担当理事
JDDW2020 第58回日本消化器がん検診学会大会長
2020年度「胃と腸」賞