大腸内視鏡検査および治療を受けられる方へ
大腸内視鏡検査の目的および内視鏡治療について
大腸(盲腸~直腸)を観察し、異常の有無および病気を発見・診断し、適切な治療方針を決定することが検査の目的です。今回の検査中に大腸ポリープを認め、医師が外来内視鏡治療の適応であると判断した場合、検査に引き続いて内視鏡治療を行います。
大腸内視鏡検査および内視鏡治療の方法
- 検査の前処置(下剤などの服用や食事の制限)があります。食事の仕方、下剤の飲み方について(PDF 261.6KB)
- 検査、治療時の血圧変動などの体調の変化に迅速に対応するために、点滴を行います。
- 当センターでは、不安や緊張を緩和する目的で鎮静剤・鎮痛剤の注射を行います。
(後述の「鎮静剤・鎮痛剤の注射について」をご参照ください) - 肛門より内視鏡を挿入し、盲腸まで到達した後、内視鏡を抜去しながら腸管内を観察します。必要な場合は検査に引き続いて内視鏡治療を行います。(内視鏡治療の適応であっても、腸管の状態などによって、当日の治療は適切でないと判断した場合、行わないことがあります)
- より正確な診断を行うために、必要に応じて腸管内に色素をかけます。
- 良性、悪性などの診断を行うために、組織を一部採取(生検)することがあります。
- 検査時間は個人差がありますが、約15~30分です。
- 内視鏡の挿入が困難な場合、注腸X線造影検査を行うこともあります。
検査終了後、30分~1時間は休んでからご帰宅いただきます。検査後は十分に水分をお摂りください。
大腸内視鏡検査・内視鏡治療に伴う偶発症
- 内視鏡検査の偶発症は、腸穿孔(腸に穴があくこと・全国集計:0.03%)や迷走神経反射による血圧低下などがあります。
- 内視鏡治療の偶発症は、おもに出血(下血)と腸穿孔です。
出血:
内視鏡治療部位は潰瘍となり、約1週間は出血の可能性があります。頻度は約1%(およそ100人中1人)です。治療後の出血は、便に血液が付着する程度ではなく、便器が血液で真っ赤になります。
出血が続く場合は、内視鏡による止血操作が必要となるため、必ず連絡してください。腸穿孔: 治療は開腹手術となる可能性があります。きわめて稀です。内視鏡治療後の注意事項については、「大腸内視鏡治療のご注意(PDF 69.3KB)」をご覧ください。
鎮痛剤・鎮静剤の注射について
当センターでは、検査時の不安や緊張を緩和する目的で鎮静剤・鎮痛剤の注射を使用します。鎮静剤・鎮痛剤の欠点として、検査当日は眠気が残ったり、判断力が低下することがあります。ご高齢の方は、ご家族が付き添ってくださることをお願いいたします。なお、医師の判断により、鎮静剤・鎮痛剤の使用量を減量したり中止することもあります。
車・バイク・自転車等の運転禁止について
- 鎮静剤・鎮痛剤による判断力の低下から事故につながる恐れがありますので、検査後は終日、車・バイク・自転車等の運転はしないでください。
- 治療を行った場合は、さらに、車は治療当日から3日間、バイク・自転車は7日間運転できません。出血による貧血から事故につながる恐れがあるためです。また、安静を保ち出血を予防する目的もあります。
出血傾向薬について
- 検査当日に血液を固まりにくくするお薬を飲まれていることが分かった場合は、内視鏡治療を行えないこともあります。
- あらかじめ医師からのお薬の中止指示が出ている方は、指示をお守りください。
検査の実施にあたっては、充分な注意を払うとともに、万一、緊急事態を生じた場合は万全を期して緊急処置を行います。