院長挨拶

東京都立広尾病院 院長 田尻 康人

 広尾病院は、明治28年のコレラ流行に対応するため、都立病院としては最も早く開設されました。その後も戦災の影響をほとんど受けずに東京都の直轄病院として発展してまいりました。


 現在の当院が行う行政医療は、救急医療、災害医療、島しょ医療、外国人医療です。
 救急医療では、救命救急センターおよび東京ER・広尾において、24時間365日安心して治療を受けていただけるよう、軽症から3次救急(重症)まであらゆる救急に対応しております。また、救急隊と連携したドクターカーでの近隣救急現場での対応や、近隣医療機関からの急なご依頼にも迅速に対応できるように連携を強化しております。
 災害医療では、区部唯一の基幹災害拠点病院として、また区西南部保健医療圏の災害医療中核病院として、DMAT等の災害派遣はもとより、院内災害訓練のオープン化、災害拠点病院向けの災害対応力向上研修、減災カレンダーの開発、医療機関のBCP作成支援など、減災対策支援センターを中心に災害時対応や減災に関する活動を行っています。
 広尾病院では島しょ地域(伊豆諸島や小笠原諸島)からの救急空路搬送患者の90%以上を受入れるなど、その中心的役割を果たしています。また、島しょ診療所からの画像伝送や5G回線を用いた超音波画像における診療支援、医師や看護師の派遣応援、島しょ医療研究会や島しょ住民向け公開講座の開催など、病院を挙げて島しょ地域の医療を支えています。
 また、当院は心臓血管医療、脳血管疾患医療、外傷医療などに強みを持ち、心筋梗塞や脳梗塞に対する緊急血管内治療や、指肢切断・開放骨折や脊椎骨盤外傷に対する緊急手術等、高度で専門的な医療を迅速に提供するとともに、病院総合診療科を開設して総合診療医の育成や外科系医師との協力により増加する高齢救急患者への対応力を強化しております。
 広尾周囲には各国の大使館も多いため外国人患者の割合が高く初診外来の約9%を占めます。外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)の承認を取得しており、英語と中国語の医療通訳を揃え、外国人を含むあらゆる患者さんに選ばれる医療機関を目指しています。


 広尾病院は「すべての患者さんに、安心・安全・良質の医療を提供する」ことを理念として、皆様の期待に応えられるよう務めてまいります。

最終更新日:2024年8月19日