臨床工学科
臨床工学技士(CE:Clinical Engineer)とは、医療機器の専門医療職であり、医師の指示のもと生命維持管理装置の操作や保守・点検を業とします。
当院の臨床工学技士は9名在籍し、主に手術室業務、血液浄化業務、心臓カテーテル検査室業務、心臓ペースメーカ業務、病棟ラウンド業務を行っています。チーム医療の一員として、質の高い安心・安全な医療を患者さんに提供するために、日々の業務に取り組んでいます。
1 業務内容
手術室業務
手術室は15部屋あり、年間およそ5500~6500件の手術が行われています。その中で、臨床工学技士は手術支援ロボット(Da Vinciダヴィンチ)3台の準備や補助を行っています。また、手術を円滑に進めるために手術機器のトラブル対応をしています。
血液浄化業務
透析室は5床あり(内2床は、陰圧個室・陰陽圧個室)、月・水・金は2クール、火・木・土は1クールで運用しています。透析室以外の場所では、ICU、HCU、感染症科専門病棟にて出張透析を行っています。
その他の血液浄化業務としては、CHDF、GCAP、血漿交換(PE)、二重膜ろ過血漿交換療法(DFPP)、腹水ろ過再静注療法(CART)なども行っています。
心・血管カテーテル業務
毎週火、水、木曜日が検査日でCAG、LVG、右心カテーテル検査、アセチルコリン負荷試験、PCI、ペースメーカ植え込みなどを行っています。
臨床工学技士は、ポリグラフ、体外式ペースメーカ、IVUS、FFR、NHPR、除細動器、補助循環装置(IABP)の準備や操作を行います。
心臓ペースメーカ業務
ペースメーカの設定を変更するプログラマの操作が主な業務になります。
第1、第3水曜日がペースメーカ外来で、その他MRI撮像、放射線治療、手術時の設定変更などの対応も行っています。
病棟ラウンド業務
人工呼吸器やNPPV及びネーザルハイフローの使用中点検や生体情報モニタのラウンド点検を行います。また、各病棟における機器の不具合やトラブル対応を引き受けて、医療機器の安全管理に努めています。
MEセンター
PFI事業のSPC協力企業職員8名が医療機器管理・保守点検業務を行っています。医療機器管理システムを導入し、およそ8500台の医療機器を台帳管理しています。人工呼吸器や輸液ポンプ、シリンジポンプなどの医療機器はMEセンターで集中管理し、いつでも使用できるよう貸出、そして返却することができます。
保守管理業務として、修理対応業務、使用後点検や定期点検などの保守点検業務を行い、安全性向上に寄与しています。
2 研修・資格等
院内研修
新規機種の医療機器研修や新任・転入者向けの研修など、要望に応じた研修を実施しています。年間およそ50件の研修会を行い、医療機器を安心・安全に使えるようにサポートしています。
合格資格・認定試験
- 透析技術認定士
- 呼吸療法認定士
- 第1種ME技術実力検定試験
- 臨床高気圧酸素治療装置操作技師認定
- 体外循環技術認定士
- 専門不整脈治療臨床工学技士
- 認定ホスピタルエンジニア