診療分野
下表の疾患による痛みの治療を行っています。
帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛 三叉神経痛 変形性腰椎症 腰椎椎間板ヘルニア 慢性腰痛症 腰部脊柱管狭窄症 腰椎圧迫骨折 腰椎すべり症 仙腸関節痛 坐骨神経痛 | 変形性頚椎症 頚椎症性神経根症 頸肩腕症候群 胸郭出口症候群 肘部管症候群 肩関節周囲炎 変形性膝関節症 片頭痛 遷延性術後疼痛 首下がり・頸部ジストニア など |
上記の中で代表的な疾患について分かりやすく説明します。
帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化により生じる疾患です。
日本人の多くは幼少期に水ぼうそう(水疱瘡)に罹患しており、その後このウイルスは脊髄の神経根や三叉神経節と呼ばれるところに潜伏しており、年月を経て体の免疫が低下した時や、他の病気や薬剤などの影響でウイルスが再活性化し、体の片側の皮膚に帯状の発赤、腫脹、水疱を形成します。この時に強い痛みを伴うことが問題となります。帯状疱疹の痛みは1~数か月の間に痛みの性状が変化するのが特徴的で、はじめはズキズキした、うずく痛み、ビーンと電気が走ると表現される痛みから次第にヒリヒリやけどしたような、絞られるような痛みと表現されることが多いです。皮膚症状が治癒した後も痛みが残り、いわゆる帯状疱疹後神経痛に移行することもあります。帯状疱疹の発症平均年齢は約60歳前後で、帯状疱疹後神経痛に移行するリスクも年齢とともに高くなります。
治療法は、急性期(発症から1か月程度)は主に皮膚科で抗ウイルス薬や消炎鎮痛薬の投与を行います。麻酔科ペインクリニック外来では約1か月前後に紹介受診されることが多く、残存した痛みに対する治療を行います。具体的には内服薬による治療と、罹患部位に合わせた神経ブロック治療を組み合わせる治療を行います。一回の神経ブロックだけでは長時間の痛みをとることは困難であっても、繰り返し治療を行い、できるだけ発症初期段階の痛みを抑えることで、帯状疱疹後神経痛への移行が少なくなると考えられていますので、帯状疱疹後の痛みでお困りの際は是非当科へご相談ください。
上記のように、
病状や病気の時期に応じて治療法を提案し、患者さんと相談しながら、各種神経ブロック治療(写真2)や光線療法(写真1)、鍼治療(写真1)、薬物療法を行っています。
処置室には音楽が流れ、アロマオイルを用いた芳香浴でリラックスできる空間づくりを心がけています。
地域医療
当院精神科と併診している患者さんだけでなく、広く地域の患者さんを受け入れています。
写真1左:低周波治療器;鍼治療に使います。
写真1右:光線療法治療器:神経ブロックができない方や関節の痛みや帯状疱疹で残った皮膚のひりひりする痛みにも有効です。
写真2:超音波装置:神経ブロック治療で使うことがあります。