3. 周産期医療に関する指標

周産期医療に関する指標

NICUにおける1,500g未満患者の入室率

令和元年度令和2年度令和3年度
16.1%15.7%11.7%
定義
1,500g未満の実患者数/NICU入室実患者数
説明コメント
1500g未満児は長期入院となるため、できるだけ当院で入院管理することを目指しています。多摩地区の母体搬送を積極的に受け入れ、安定した児は近医へ転院搬送するなど、地域との連携も推進します。

新生児期手術患者数

令和元年度令和2年度令和3年度
61人85人79人
定義
生後28日未満に手術を実施した患者数
説明コメント
新生児期手術は高度な小児チーム医療が必要であり、当院の最も重要な責務です。胎児診断の推進、母体搬送・新生児搬送などにより積極的に遠方からも受け入れています。

胎児心エコー件数

令和元年度令和2年度令和3年度
280件288件300件
定義
胎児心エコー検査件数
説明コメント
出生後循環不全をきたし生命の危機を起こしうる先天性心疾患、特に複雑型心疾患を出生前に診断し、計画的な分娩、出生後の治療体制を確立し、新生児救命率の向上、予後の改善に資することを目的としています。
年々検査件数が増加し、複雑型心疾患に対する出生前からの管理の重要性が認識されつつあります。さらにHP等を通じた広報活動を促進し、積極的に実施していきます。

胎児診断例の手術件数

令和元年度令和2年度令和3年度
35件23件24件
定義
胎児期に心疾患を診断され、総合周産期母子医療センターで出生した児の手術件数
説明コメント
先天性心疾患の中には、出生後動脈管や心房間交通の閉鎖あるいは狭小化により重篤な状況に陥ることや、総肺静脈還流異常症のように生後早期に外科治療を要する場合がありますので、これらを出生前に診断することは重症先天性心疾患の生命予後改善につながると考えられます。従いまして、当科で施行した心臓手術の内、胎児期に心疾患が診断もしくは疑われ、出生後当院NICUで管理された症例の件数を把握し、更にこれを増加させることが重要です。
母体を管理する多摩総合医療センター内の周産期母子総合医療センターと近隣産科施設、そして当院新生児科、循環器科との連携を強化し先天性心疾患の胎児診断症例の増加に努めています。

出生前検査の情報提供実施数

令和元年度令和2年度令和3年度
45件46件36件
定義
周産期遺伝カウンセリング実施件数
説明コメント
小児病院において出生前遺伝学的検査のご質問を受けることは珍しくありません。本来、出生前遺伝学的検査は、遺伝性疾患をもつ可能性がある胎児の遺伝情報を調べ、その情報をもとに、生前または生後早期からの適切な治療、健康管理に役立てることを目的としています。その際、胎児が遺伝性疾患をもつことが判明した場合、ご家族は出生後の子育てや健康状態について心配を深め、妊娠継続に対する不安などを抱くこともあります。出生前遺伝学的検査に関する解析方法や精度限界、実施に際しての費用負担、解析期間、遺伝性疾患でみられる特徴など、説明を要する情報は多岐にわたるため、通常診療の時間のなかで十分に対応することは困難と言わざるを得ません。遺伝性疾患や出生前遺伝学的検査について正しく理解した上で、ご家族が自律的に意思決定いただくことが大切です。
当院では、臨床遺伝専門医(小児科医)、出生前コンサルタント小児科医、認定遺伝カウンセラーなどの遺伝専門職が、産科医、新生児科医と連携し、周産期遺伝医療を提供しています。妊娠後のみならず、妊娠前であっても、遺伝性疾患に関する心配や不安を感じるご家族が対象です。周産期遺伝カウンセリングのなかで、小児遺伝医療の視点から、十分に時間をかけて、疾患や遺伝情報の整理、心理社会的な支援を行っています。

周産期医療センターにおける社会的支援

令和元年度令和2年度令和3年度
110件213件
定義
出生前から社会的支援、関係機関との連携を開始した件数
説明コメント
多摩総合医療センターの産科担当ソーシャルワーカー等とのカンファレンスにより社会的支援を要するご家庭やお子さんの病状を早めに察知し、切れ目のない支援となるよう関係機関と連携しています。

NICU・GCU在宅移行症例数

令和元年度令和2年度令和3年度
2件3件7件
定義
支援会議をおこない在宅移行した症例数
説明コメント
急性疾患で頻回入院が予想されるNICU・GCUからの退院患者さんに、退院前に総合診療科が関与することで、医療の継続性が期待でき、患者さん・ご家族の安心にもつながります。
月2回の定期的なカンファレンスを新設し、積極的に関与していきます。