放射線治療とは
放射線治療は医療の中でも進歩の目覚ましい分野であり、手術療法、化学療法(抗がん剤)と並ぶがんの三大療法の一つです。細胞の放射線に対する感受性、ダメージを受けた後の回復力の差を利用します。放射線を照射することによる直接的な痛みはありません。放射線治療単独で行うこともありますが、化学療法と併用、手術前に行う術前照射、手術後に行う術後照射など、他の治療と組み合わせて行うこともあります。年々放射線治療の照射方法は高度化が進み、高いレベルでの治療計画、装置の精度管理が必要となっています。
2022年10月 新規オープン!
2022年10月に放射線治療室を更新しました。治療装置はもとより患者さまの待合室や診察室もリニューアルしました。また、これまで非常勤医のみの診療体制でしたが、現在は常勤の医師が在籍しております。各診療科の医師と綿密な連携のもと、医療を提供しております。
治療機器のご紹介
あらゆるがん治療に対応できる汎用性の高いリニアック装置
新規に導入したリニアック装置(VARIAN製:TrueBeam)は良性疾患から定位放射線治療まで、さまざまな部位の腫瘍に対応できます。定位放射線治療などの高い精度が必要な腫瘍でも、当院は治療前にCTやレントゲン撮影を用いた画像誘導放射線治療(IGRT)を導入し治療を行っています。また、肺がんでは患者さま個々の呼吸に合わせた呼吸同期照射を実施しております。
乳腺治療「痛みゼロ・被ばくゼロ」で正確な位置合わせ
Align RT(光学的患者ポジショングシステム)の導入により、乳腺治療は0.1ミリ単位の正確な位置合わせが可能な体表面誘導放射線治療(SGRT)を実施しています。高解像度カメラで位置を合わせるため痛みも被ばくも全くありません。治療中もリアルタイムに患者さまの動きを感知しているため、許容範囲を超えた場合は自動的に治療がストップする高精度照合装置です。
放射線治療部門の特色
患者さまのご都合に合わせた柔軟な予約時間の提供
放射線治療は疾患によって異なりますが、日にちを要します。1ヶ月もの長い通院であれば当初の予定と合わなくなるのも当然です。しかし、当院はハイボリュームセンターとは異なり、「明日予約時間を変更」したい場合でも問題ありません。患者さまのご都合に合わせた柔軟な治療時間を提供しています。
サイバーナイフに匹敵する脳定位治療
がんをピンポイントで狙い撃つサイバーナイフは、腫瘍と腫瘍の間にある正常な脳へのダメージを抑えられる反面、腫瘍一つ一つに照射をするため治療時間が長くなってしまう傾向があります。当院のハイパーアークシステムは一回の治療で複数のがんを同時に治療することができるため、症例によって異なりますが最短約15分で終了します。さらにリニアックのデメリットだった腫瘍と腫瘍の間の正常組織(脳)への被ばく線量を低減させることができるため、がんへの線量集中性が高くなり、サイバーナイフに匹敵する治療が可能です。
ケロイド術後の再発予防照射
連携病院様よりケロイド術後の患者さまを多数ご紹介頂いており、院内外を含め現在までに200症例を超える都内でも有数の治療実績がございます。治療時間は部位にもよりますが、ピアストラブルによる耳垂ケロイド治療は日帰り通院1度のみの約15分で終了します。もちろん保険適用治療ですのでご安心ください。
放射線治療に精通したスタッフが多数在籍
放射線治療を専従とする診療放射線技師が3名、看護師が1名在籍しており、患者さまが安心安全に治療を完遂できるよう、きめ細やかな患者ケアを実践しております。特に診療放射線技師3名は放射線治療品質管理士の資格を有しており、常に患者さまの安全を担保した上で放射線治療を行っています。医師の診療体制は以下の通りです。
医師名 | 和田 紘幸(常勤) |
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専門分野 | 放射線治療学 |
資格 | 放射線治療専門医 |
診察日 | 月~金(木 午後のみ不在) |
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〒145-0065
東京都大田区東雪谷4-5-10荏原病院電話:03-5734-8000