都立病院におけるインシデント・アクシデント・レポートの第15回集計結果について

2016年11月04日

病院経営本部では、医療の全過程において発生したどんな些細な出来事でも、気付いたことはレポートとして報告し、その分析を通じて、医療事故の発生を未然に防止することを目的とするインシデント・アクシデント・レポートの集計を平成12年8月から実施している。今回、平成27年4月から平成28年3月までの1年間に全都立病院で報告されたレポートの集計結果をとりまとめたので報告する。

「インシデント」: 日常診療の場で「ヒヤリ」「ハッ」としたが、実施する前に気づいたもの、何ら影響がなく患者に変化がないもの、何らかの影響を与えた可能性があり、観察の強化や検査の必要性が生じたもの
「アクシデント」: 患者に何らかの変化が生じ、治療・処置を要したもの、集中治療や生命維持のための措置を要したもの、事故が死亡に関連した疑いのあるもの

1 概要

(1) 対象

平成27年4月から平成28年3月までの1年間に全都立病院で報告されたレポート

(2) 報告件数

総数:24,316件[インシデント:23,393件(96%)、アクシデント:923件(4%)]

レポート総数は925件の増加。インシデント、アクシデントの割合に大きな変化なし。
(前年度:23,391件[インシデント:22,633件(97%)、アクシデント:758件(3%)]

(3) 集計・分析結果の概要 (( )は前年度集計)

インシデント等の種類

「薬剤」33%(34%)、「転倒・転落」16%(15%)、点滴等が外れてしまう「抜去」が15%(15%)、 前回の集計と同様、これら3種類で全体の約64%を占める。

診療科別

「外科系」37% (37%)、「内科系」33%(34%) :「薬剤」、「抜去」、「転倒・転落」が多い。
「精神科」16% (15%) :「転倒・転落」、「薬剤」に関するものが多い。
「小児科」12% (13%) :「薬剤」、「抜去」、「食事」に関するものが多い。

職種別レポート提出状況

「看護師」86% (86%)、「医師」4%(3%)、「薬剤師」3% (3%)

時間帯別

「日勤帯」(午前9時~午後5時)51% (51%)
「準夜帯」(午後5時~午前0時)27% (27%)
「深夜帯」(午前0時~午前9時)22% (22%)

  • 端数処理のため、合計が100%にならない場合がある。

2 今後の取組み

「都立病院改革推進プラン」の掲げる「医療安全管理対策の推進」のため、全都立病院に共通する事故予防対策の企画・立案を行い、速やかにこれを実施するなど、引き続き医療安全管理体制の充実・強化を図っていく。