2001年07月06日
1.「都立病院の患者権利章典」策定趣旨
「患者中心の医療」を積極的に推進していくために患者の基本的な権利と責務を明確にし、病院職員のさらなる意識改革を図るとともに、患者が医療に主体的に参加していけるよう支援することを目的として「患者権利章典」を定める。
2.「患者の権利」のあゆみ
「患者の権利」は、国際的には世界医師会のヘルシンキ宣言やリスボン宣言等で明確にされてきた。日本においてもカルテ開示法制化問題や「薬害等再発防止システムに関する研究」報告等で様々な議論が行われてきているが、患者側の視点に立った医療サービスの提供について今後、さらに議論を深めていく必要がある。
3.「都立病院の患者権利章典」の位置づけ
「都立病院の患者権利章典」は、都立病院として患者の権利等を具体的に明らかにし、医療提供者と患者が相互に協力しながら「患者中心の医療」を築きあげていくための倫理的な規範として位置づけるべきである。
4.「都立病院の患者権利章典」の内容
「都立病院の患者権利章典」は策定趣旨を冒頭に置き、それに続く患者の権利と責務を10項目に整理した。「患者中心の医療」を実現するために患者自身も責任ある主体として医療に積極的に関わる必要があることから、最後の3項目は患者の責務に関するものを掲げた。(全文別紙のとおり)
5.患者の権利に関する諸課題
今回、「患者権利章典」の項目として取り上げなかったが、「患者に医療行為に関する理解能力が欠如している場合や患者の意思の確認が困難な場合の代理人の選任権等」「病院の機能に関する情報を入手する権利」については、患者の権利に関する今後の課題として検討していく必要がある。
6.「都立病院の患者権利章典」の周知
一般都民及び他の医療機関に対しては、インターネットを含む東京都の広報媒体の活用、シンポジウムの開催等の方法で、病院内においては、病棟・外来への掲示や患者に配布するパンフレット類への印刷等の方法を活用し周知を図るべきである。
7.患者の権利を実現していくための方策
患者の権利を実現していくためには、対応窓口の明確化や患者満足度アンケート等、患者の質問に適切に対応する仕組みや、患者の声を受け止めて改善に取組む体制づくりが必要である。