強度変調放射線治療(IMRT)

強度変調放射線治療(IMRT)とは

高精度放射線治療である強度変調放射線治療(IMRT)は専用のコンピュータを用いることで、腫瘍には線量を集中し、守りたい臓器には線量を低減した線量分布を作成すことが可能です。2020年現在、IMRTが国内に導入され20年を経過し、現在では300施設を超える保険医療機関が臨床利用しており、様々な部位に対して有力な照射技術の1つとなっています。一方で、IMRTは腫瘍に対して線量の集中性が高いため、腫瘍の描出の正確性が重要になります。また線量分布の作成には自由度が高いため、計画の質は治療計画者に大きく依存します。

当院の強度変調放射線治療の治療計画に関して

当院の強度変調放射線治療の治療計画は、腫瘍と守りたい臓器の輪郭描出を医師が行い、別の医師が輪郭の確認を行います。線量分布の作成は医学物理士が行い、医師および別の医学物理士が確認することで、より良い治療計画を作成しています。また、これらの治療計画は全ての医師及び医学物理士が参加する毎日のカンファレスによって問題ないか評価しています。

第1回放射線治療計画トライアルで優秀な成績を収めました

令和元年8月に治療計画技術の質的評価を目的として、第1回放射線治療計画トライアルが実施されました(主催:臨床医学物理研究会、日本放射線腫瘍学会研究課題班)。本トライアルでは、参加者全員に同一のCT画像と輪郭が提供され、事前に与えられた線量制約を達成するほど高得点が与えられるというものでした。トライアルには210名の多職種(医師、医学物理士、放射線技師等)が参加しており、当院の医学物理士の中島祐二朗が第1位、阿部幸太が第7位という成績を収めました。

第一回治療計画トライアルで当院の医学物理士が1位と7位になり表彰されました。
第一回治療計画トライアルで作成した線量分布