覚醒下手術の流れ(図)
手術前の準備
- 手術前の言語機能、運動機能を確認するため、リハビリテーション科による詳細な神経機能評価があります。
- 手術中に行う神経機能評価を事前に行うため、中央大学神経心理学教室の先生方の診察があります。
- 手術前日~数日前の夕方に手術室にご案内し、実際の手術のときと同じ体勢で手術台の上に寝ていただき、体位の確認を行います。体勢が辛くないよう、微調整を行います。
- 手術中にリラックスできるような好みの音楽CDを事前にお預けください。
手術当日
- 手術室に朝9時に入ります。なお、麻酔科医が全面的に麻酔管理を実施します。
- 医師の指示に従って手術台に寝ていただきます。楽な姿勢をとれるようにご協力しますので、苦痛があれば申し出て下さい。
- まず血管の確保(点滴)を行い、心電図などのモニターを装着します。酸素マスクを着けて静脈麻酔により鎮静、鎮痛を行い軽く眠るような感じになります。
- 手術中に首の痛みが生じる場合は、麻酔科医により頸部の神経ブロックを行います。
- 尿の管を挿入し、違和感がないように膀胱内に麻酔薬を注入します。
- 頭部に局所麻酔の注射をして、頭部固定用の装置を取り付けます。
- 皮膚を切開する部位に局所麻酔を注射し、開頭します。
- 硬膜を開けた時点で鎮静剤、鎮痛剤の投与を一旦中止します。徐々に目が覚めてくることと思われます。
- まず、脳の表面を電気刺激しながら、以下の機能がどこに分布しているのかを確認します。
運動機能:
手を握ったり、肘や肩を動かす、足を動かす、目を開け閉めする、しゃべるなどを行っていただきます。
言語機能:
言語機能のマッピングをおこないます。術前に練習したように、文章の復唱、物の名前、質問に答えるなどの検査をします。
その他の脳機能:
記憶、計算などの高次機能に関して、術前に調べた検査と比較し脳機能の悪化がないか確認します。また腫瘍の場所によっては、聴神経や顔面神経などの脳神経の機能、脊髄を走る運動、感覚神経の機能などを確認しながら手術を行います。
- 腫瘍摘出に入りますが、摘出中も常に神経機能を確認しながら進めます。
摘出終了後
- 再び寝ていただき、開けた頭蓋骨を元に戻して、皮膚を縫合閉鎖します。
- 手術が終了したら麻酔薬を中止します。
- 目が覚めたらCTを撮影して集中治療室に入室します。