患者・地域サポートセンター

患者支援センター長 清水俊夫

センター長からのメッセージ

 令和4年7月、地方独立行政法人東京都立病院機構の設立を機に「患者支援センター」は、「患者・地域サポートセンター」として新たにスタートしました。あらたな患者・地域サポートセンターでは、これまでの患者支援機能や地域支援機能の充実・強化を図り、円滑な入退院を適切に支援し、地域の関係機関等との連携を強化するとともに地域包括ケアシステムの構築に専門病院の立場から貢献していきたいと考えています。

 当院は、神経・筋難病を中心とした脳神経系疾患の専門病院として、昭和55年の開設以来、在宅医療を診療の柱の一つに位置づけ在宅診療を行ってきました。訪問エリアは多摩地域で、通院が困難で在宅療養を希望する神経・筋疾患の患者さんに対して、多職種チーム[医師、看護師、保健師、リハビリ訓練士等]による在宅訪問診療を行い、在宅療養を支援してきました。

 平成14年には東京都神経難病医療拠点病院の指定を受け、二次医療圏内在住患者さんの長期在宅療養生活を、医師会や、地域のかかりつけ医、保健所保健師、訪問看護師、介護従事者と一緒に支援してきました。

 近年では、医療保険、介護保険、障害者福祉制度等さまざまな支援制度が整備され、各自治体では地域包括ケアシステム構築の取り組みが進められるなど、在宅療養支援の主体は地域へと移行し、かかわる職種・機関は増えてきました。

 このような背景を踏まえ、平成27年4月、当院に開設された患者支援センターでは、特に神経・筋疾患の患者さんが円滑に地域療養に移行できるよう、入院前からの退院支援の取り組みを強化してきました。神経難病専門病院としての医療機能を活かした丁寧な在宅療養移行支援は当院の強みです。併せて人工呼吸器装着者や神経難病の緩和ケアが必要など、引き続き専門医療の提供が必要な患者さんには、地域医との併診による訪問診療を継続しています。また、仕事と治療の両立支援や法律に関する相談も開始しました。地域支援機関とのネットワークづくり、医療連携等にも取り組むほか、地域支援者に向けて神経難病治療やケアに関する知識・技術の普及にも努めてきました。

 新たな患者・地域サポートセンターでは、医療、福祉、保健にかかわる多職種のチーム力を生かし、相談に対応してまいります。これまで行ってきた医療福祉相談や看護相談、訪問診療・訪問看護も引き続き実施し、地域の医療機関や関係機関とのネットワーク構築、地域療養環境の向上に貢献できるよう取り組みを充実させてまいります。さらに、これまで不十分であった、病診連携、病病連携を深めて行きたいと考えております。

センター長
センター長