救命救急科 研修・勤務希望者の方へ

当科の見学・研修・勤務を希望される方へ

当科に興味のある医師の方は、下記まで御連絡ください。
担当者:萩原佑亮(はぎわらゆうすけ)
連絡先:yuusuke_hagiwara(at)tmhp.jp
*都の迷惑メール対策規定のため、メールアドレスの表記を変更しております。お手数ですが(at)を@に置き換えてご利用ください。なお、別のメールアドレスを知っていれば、そちらで構いません。

小児救急医学フェローシップについて

当科は日本では極めて少ない小児救急医学(Pediatric Emergency Medicine)を専門とする科です。当科のサブスペシャリティーレジデント研修は、現在の日本の小児救急医療が持つ課題(例:重症化しうる病態の早期診断と治療、外傷の初期対応や事故予防、など)を解決するために、小児科医としての視点を持ちながら、救急医として救急医療を実践することで社会のセーフティネットとなる医師を育てることを目標としています。よって、未来あるこどもの命を救うことができる小児救急医学分野のリーダーとなり、この分野を牽引していく人材の育成を目指しています。ただし、小児救急医学は日本ではまだ専門分野として確立されておらず、小児救急専門医という資格はありません。しかしその一方で、アジア各国を含む諸外国では小児救急フェローシッププログラムが数多く出現しています。このような世界的な潮流を鑑みると、非常に社会的価値のある将来性の高い領域であると言えます。当科の研修プログラムは、すでに小児救急医学の専門性が確立されて歴史のある北米の小児救急医学フェローシッププログラムの内容にほぼ近く、グローバルスタンダードなPediatric Emergency Physicianの育成が可能となっています。

具体的には、救急外来を受診する小児患者の緊急度および重症度の判定を行い、すべての児に対して救命のための処置を含む適切な初期診療ができるようになること(専門分野に細分化された医療ではなく、外科系を含む多くの専門分野をひとりでカバーする横断的医療)、救急外来という資源や時間が限られた環境において目の前の患者に加えて救急外来全体の安全を担保した診療マネジメントできるようになること(時間的・空間的マネジメント)を目指す研修です。また、救急医療は社会とのつながりが強い領域であるため、例えば傷害予防などのようなこどもを取り巻く環境改善に向けたアウトリーチを実践できる知識と技能を習得します。さらには、このような活動を科学的知見として蓄積することで未来の小児救急医学に貢献するために学術的活動(論文執筆など)を積極的に行っていきます。そのための指導体制も確立しています。

 当科のサブスペシャリティーレジデント研修(小児救急医学フェローシップ)の対象者は、小児科専門医資格を取得済み、あるいは取得見込みの者となります。救命救急科サブスペシャリティーレジデントとして東京都医師アカデミーに採用されます(募集については、病院の採用情報を確認してください)。成人中心の救命救急センターとの協働によって、日本専門医機構が定める救急科専門医を取得し、小児科専門医と救急科専門医のダブルボード取得が可能です。なお、救急科専門医資格を取得済、あるいは取得見込みの者で小児救急医学の専攻・研修希望者は別枠での採用となり、小児科専門医を取得して救急科専門医とのダブルボードを希望するかどうかを含めてキャリア戦略の相談が必要です。

サブスペシャルティレジデント(小児科コース)

フェローシップ以外の研修・勤務

当科は、小児救急医学フェローシップ以外の短期~中長期研修の受入れも行っています。効果的な研修とするため、原則として3か月間以上の研修期間を勧めています。なお、小児科や救急科の専攻医の方は、所属する研修病院の日本専門医機構に認定された研修プログラムで当院と連携を結んでいることが条件となりますのでご注意ください。

専攻医以上の方は、経験や資格、卒後年数に応じて採用枠を決定します。ただし、東京都の採用枠は厳格に決められているため、希望者多数の場合には、より長期間の研修希望者を優先させていただきます。また、国内留学として派遣される(当院からの給与なし)場合には、東京都の採用枠には依りませんが派遣元からの給与が認められていることが望ましいと考えています。なお、車通勤は認められていないため、それ以外の手段で通勤が可能な地域に居住する必要もあります。

日本で小児救急医学を専門的に学ぶことができる施設は非常に少なく、全国から当科の研修希望者がおり、希望した時期に研修ができるとは限りません。そのため、希望のある方は可能な限り早期(1年以上前)にご連絡いただき、調整をする必要があります。

当科のミッション・ビジョン・バリュー

・都立小児ERのミッション(理念):
こどものたちとその保護者が安心して暮らせる社会を実現する

・都立小児ERのビジョン(具体的目標):
24時間365日、こどものたちに最善の救急医療を提供する

・都立小児ERのバリュー(価値基準):
1.こどもを最優先に考えた行動
2.根拠に基づく医療の提供
3.部分最適化より全体最適化

私たちは信じています
こどもたちの笑顔は社会を幸せにする、と

私たちは信じています
こどもたちを救うことは未来を救うことだ、と 

私たちは信じています
たったひとつの未来が、その先の多くの未来につながっている、と

突然の病気、けが、そして不安
24時間365日、どこで何が起こるか誰にもわかりません

大切なこどもたちのため、私たちは小児ERが必要と考えています

小児救急の専門家をめざす者だけでなく、救急医療を得意とする小児科医、小児を得意とする救急医が必要とされています。ぜひ、当科の哲学に共感してくれる仲間をお待ちしています。