診療内容
集中治療科とは
内科系、外科系を問わず、呼吸、循環、中枢神経、代謝そのほか重篤な急性機能不全患者を収容し、強力かつ集中的に治療看護を行うことにより、その効果を期待する部門と定義されています。
当科は小児に特化した集中治療部門であると同時に、国内最大規模である20床の集中治療部門(PICU)であり、救命救急部門とも密接に連携しながら診療を行うことが特徴です。
2010年の開院から、より一層集中治療の質を向上すべく様々な取り組みを行っています。当科における年間入室数は800件におよび、そのうち約半数が緊急入院です。急性機能不全患者に対して挿管・人工呼吸管理はもとより、蘇生、そしてECMOを含めた究極的な呼吸循環管理の追求、救命科をはじめ関連各科との協働のもと病院前から集中治療の開始(救急医療)、東京だけに留まらずわが国全体の危機管理としての災害医療、そしてこれらを統合し、かつ個々の質を向上させるべくシミュレーション、教育、研究を積み重ねています。
こんな症状のお子さんが対象です
各種臓器不全・重症病態の管理
- 急性呼吸不全 (ARDS・重症肺炎・細気管支炎・気管支喘息重積)
- 急性循環不全 (劇症型心筋炎・難治性不整脈・心筋症・心不全)
- 中枢神経障害 (蘇生後脳症・重症頭部外傷・急性脳炎/脳症・痙攣重積)
- 急性腎不全・急性肝不全・先天代謝異常症の急性増悪
- 多臓器不全・敗血症性ショック・多発外傷・広範囲熱傷・中毒
周術期管理
- 心臓血管外科による開心術・非開心術の周術期管理
- 一般外科・気管外科・移植外科・脳神経外科・形成外科・循環器内科等の周術期管理
- その他、周術期に人工呼吸およびモニタリングを必要とする重症患者
特殊治療
- 膜型人工肺 (extracorporeal membrane oxygenation; ECMO)
- 経皮的心肺補助 (percutaneous cardiopulmonary support; PCPS)
- 持続的血液濾過透析 (continuous hemodiafiltration; CHDF)
- 頭蓋内圧モニター (intracranial pressure; ICP monitoring)
- 低体温療法 (induced hypothermia; HypTh)
- 高頻度振動換気 (highーfrequency oscillatory ventilation; HFOV)
- その他の特殊人工呼吸:一酸化窒素吸入療法
(iNO)、低酸素人工呼吸療法、airway pressure release ventilation; APRV