急性骨髄性白血病とは
急性骨髄性白血病は、骨髄で骨髄芽球に異常が起こりがん化した白血病細胞が異常に増える病気です。
白血病細胞が増加するため正常な血液細胞が作らなくなり、赤血球、正常白血球、血小板が減少します。そのため貧血の症状として息切れや動悸、白血球の減少により感染症を起こしやすくなり発熱など、血小板の減少により鼻血や歯ぐきからの出血など症状があらわれます。
急性骨髄性白血病は進行が速いため、迅速な診断と治療の開始が大切です。
診断
骨髄検査、採血検査を行い、検鏡、表面マーカー検査、染色体検査、遺伝子検査、病理検査を総合して診断します。
治療
急性骨髄性白血病の治療は以下のような流れで進んでいきます。
「寛解導入療法」とは最初に行う治療で、白血病細胞を減少させ見かけ上白血病細胞が見つからない状態=「寛解」を目指す治療です。
正常白血球の減少も強く、無菌室で治療します。
我が国で行われる有効な治療としては
- IDA+AraC療法(イダルビシン+シタラビン)
- CAG療法(アクラシノマイシン+シタラビン+G-CSF)
近年高齢者を中心に行われている治療で
- AZA+Ven(アザシチジン+ベネトクラクス)があります。
いずれも4~6週間程度の入院が必要です。
当科では下図のような多職種共通説明用紙を使用して治療の副作用をご説明しています。
急性前骨髄球性白血病の場合はPML-PARA融合遺伝子が陽性となり、分化誘導療法で寛解導入療法を行います。
寛解となった場合、年齢、タイプによっては造血幹細胞移植を考慮し行います。それ以外の場合は「地固め療法」で寛解の状態を深める治療を行います。この治療は4回程度行うことが多く、1回ごとに入退院を繰り返します。AZA+Venの場合は2回目以降で可能な場合は外来で可能な限り繰り返します。