最新SPECT-CT装置「Symbia Pro.specta X3」を導入しました。
2024年7月より、32列のマルチスライスCTを搭載した最新のSPECT-CT装置「Symbia Pro.specta X3」を都内で初めて導入し、今まで以上に高精度かつ低被ばくな検査が実現いたしました。
核医学検査(RI・ラジオアイソトープ)
RIとは検査用の薬(放射性医薬品)を使用し、その薬の体内分布を体外より専用の装置で撮像する検査です 検査用の薬の多くは静脈から注射しますが、一部の検査ではカプセルを服用するもの、呼吸によって吸入するものがあります。
当院の特色
- SPECT-CT*装置を用い、体内に投与されたRI分布をCT画像と重ね合わせることで断面画像として表示することが可能です。
*核医学CT検査(SPECT)と通常のX線CTを融合させ、病巣の位置精度を非常に高めた装置 - 乳がん手術の精度を高めるための術中センチネルリンパ節検査も行っています。
- 神経内分泌腫瘍の診断に有用とされるソマトスタチン受容体シンチグラフィ(オクトレオスキャン)も行っています。
注意事項
- 薬を使用してから数時間~数日後に検査を行う場合があります。
- 検査によっては、体の厚さによる吸収誤差を補正するために、Ⅹ線CTを利用し補正を加えることがあります。
脳血流シンチグラフィ
脳の機能が低下すると、血流が低下します。つまり、脳の血流低下がみられる部分は機能が低下している部分です。
その部位は認知症の原因によって異なるので、脳の血流低下のパターンを確認することは、
・アルツハイマー型認知症
・脳血管性認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症
など、認知症の原因を診断するために役立ちます。
年相応よりも、もの忘れが少し多い状態を「軽度認知障害」と呼びます。「軽度認知障害」はアルツハイマー型認知症の前ぶれとして現れる症状でもあるといわれています。日常生活に特に支障がない程度の「軽度認知障害」でも、SPECT検査で脳血流の低下がわかる場合があります。
また、「軽度認知障害」の中で、ある特定の部分に脳血流低下が見られる場合、より高率にアルツハイマー型認知症に進行すると言われています。
脳血流SPECT検査は認知症の早期発見、早期治療に役立ちます!
ドパミントランスポーターシンチグラフィ
ドパミントランスポーターは、脳の線条体内に存在する黒質線条体ドパミン神経の終末部に高発現しています。パーキンソン病やレビー小体型認知症では、この発現量が低下することが知られています。ドパミントランスポーターに高い親和性を示す123I-ioflupaneを用いたSPECT検査(シンチグラフィ)により、ドパミントランスポーターの脳内分布を評価できます。患者さんの黒質線条体ドパミン神経の状態が把握できることから、パーキンソン病を含むパーキンソン症候群やレビー小体型認知症の診断に有用です。
CTによる吸収補正と重ね合わせ画像
▲ガリウムシンチグラフィ
腸管の集積か腸管外の集積かが判別しやすい ▲骨シンチグラフィ
通常の骨シンチグラフィに比べて病変とその位置が判別しやすい ▲センチネルリンパシンチグラフィ
センチネルリンパ↑の同定がしやすい