乳がん

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乳がんとは?

乳がん
乳がんは乳腺(乳管・小葉)に発生する悪性腫瘍です。症状は、しこり、乳頭からの分泌物、乳首のただれ、皮膚のでっばり、くぼみ、赤い腫れ、オレンジの皮のような赤らみ、わきの下のしこりなど、さまざまです。初期の頃は症状に気づかないことがありますので、注意が必要です。乳がんの一番できやすい部位は、外側上部です。

増え続ける乳がん

日本人の乳がん罹患率は、1996年に女性の悪性腫瘍の中で第1位となりました。その後も増え続けて、毎年新たに9万人以上の方が乳がんと診断されていま す。これは9人に1人が乳がんになる割合です。
乳がんの発生は、30歳代で増加を始め、40歳代後半と70歳代前半にピークを迎えます。


 40歳を過ぎたら、2年に1度の検診を受けましょう!

自己検診の方法 ~月1回やってみましょう~

乳がん
1.まず、目で見ます。(鏡の前で自分の乳房の形をよく見て覚えましょう)図のように両手を上げて見ます。そして両手を下げた状態や、横からも見てみましょう。乳房の皮膚のでっばり、へこみ、ひきつれ、乳房の変形、乳首の形などに変化がないか左右を比べて観察します。
乳がん
2.次に、触れてみます。できるだけ仰向けに寝た状態で調べます。指をそろえて、指のはらをすべらせるように、外側から内側に向かって、乳房全体をさわっていきます。わきの下もさわります。しこりがないか、乳房全体をまんべんなく調べましょう。
※立位または座位で行う場合には、入浴時に石けんをつけて行うことをおすすめします。

検査方法

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1.視触診

乳房表面のくぼみやひきつれ等の変化を目で見て確認し、触診では、乳房及びわきの下のしこりの有無や乳頭からの分泌物などを診ていきます。

2.マンモグラフィ

マンモグラフィは乳房専用のⅩ線撮影装置を使用します。乳房を上下、左右からはさんで撮影します。手で触れてもわからない小さなしこりや微細な石灰化を発見できるのが特徴です。ただし、乳腺組織が多い場合(高濃度乳房)は、しこりを見つけるのは難しくなります。

当センターは「NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構」認定の施設です。

3.エコー

乳房に超音波をあてて、その反射波を画像化して内部の様子を見ます。Ⅹ線の被曝の心配がないこと、高濃度乳房の場合でもしこりが見つけやすいなどの利点がありますが、石灰化の異常をみつけることは困難です。マンモグラフィーとエコーを併用すれば両者の欠点を補いあうことができ、より精度の高い検査となります。

4.細胞診

乳頭からの分泌物を調べる「分泌物細胞診」と、しこりなどに針を刺して調べる「穿刺吸引細胞診」があります。

5.針生検

しこりなどに生検用の針を刺して組織を採取し、病理検査をします。乳がんを確定診断するために、最も多く行う検査です。

 6.マンモトーム

マンモグラフィ上で、微細石灰化が認められる部位をねらって、大きな針で組織を採取する検査です。

治療方法は?

がんのタイプ、進行度、患者さんの状態などにより決定されていきます。主な方法は以下の4つとなります。

1 手術療法

 病状により、乳房の一部又は全体を手術により切除します。また、手術中にわきのリンパ節の転移を調べたり(センチネルリンパ節生検)、リンパ節を切除したりします。手術で切除・変形した乳房をできるだけ元の形に戻す「乳房再建」を行うこともあります。

2 薬物療法

 手術による治療が難しい場合や、手術前にがんを小さくするため、手術後の再発防止などを目的に、抗がん剤等の薬剤を投与します。また、女性ホルモンにより増殖する乳がんに対しては、ホルモンの作用を抑える薬を投与することもあります。どのような薬剤を使うかは、患者さんの状態や副作用の状況を見て決定されます。

3 放射線治療

がんに高エネルギーの放射線を照射し、がん細胞を消滅・縮小させます。手術後の再発防止や、薬物療法と組み合わせることもあります。

                      乳がん検診を知る、受ける