胃がん
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胃がんとは、胃の壁の内側をおおう粘膜の細胞が様々なリスク要因によってがん細胞となり、増えていくことにより発生します。特にヘリコバクター・ピロリ菌の感染との関連が強く,除菌療法も保険収載されています.早い段階では自覚症状がほとんどなく、かなり進行しても症状がないことが多いです。早期に胃がんを発見できれば、ほとんど治療することができるようになりました。検査法・治療法が飛躍的に向上したことにより、定期的に検診を受け適切な処置をすれば、過度に怖れる病気ではありません。会社等で健康診断を受診し、「要精密」との結果が出た場合は必ず精密検査を受けるようにしましょう。
胃がんの患者数・・・
日本は世界の中でも胃がんの多い国です。日本における胃がんの罹患数,死亡数は,ともに上位に位置します。
早期発見のメリット
Ⅹ線機器・内視鏡機器、内視鏡治療方法の多くは、日本で開発されたものです。わが国の画像診断は世界のトップレベルです。診断技術だけでなく、治療方法も進歩し、早期発見によって身体的ストレスの少ない内視鏡治療や腹腔鏡下手術で完全に治すことができます。
検査内容
胃X線検査
胃Ⅹ線二重造影法は、日本で開発されました。現在、高濃度バリウムやデジタル撮影装置などの開発により、精度の高い検査が可能となっています。
任意型検診(個人検診、人間ドック)
基準撮影法Ⅱ(12枚)。基準撮影法Ⅰに食道や圧迫撮影などの撮影体位を追加して、より詳細に診断。個人ドック用の撮影方法。
術前精密X線検査:
C-アーム搭載FPD撮影装置にて詳細な診断を行います。
内視鏡治療や外科切除などの治療方針決定のために行う撮影方法。
胃内視鏡検査
高解像度ハイビジョン内視鏡、拡大内視鏡、特殊光内視鏡を必要に応じて使用します。
治療方法は?
患者さんの全身の状態や、他の臓器への転移の有無などの進行度により決定されていきます。主な方法は以下の3つとなります。
1 内視鏡的治療
内視鏡(上部内視鏡)を使って胃の内側からがんを切除する治療となります。がんが粘膜のみに在する場合など、比較的早期の状態で行われます。手術による外科切除より体にかかる負担は少なくなります。
2 手術療法
病状により、胃の一部又は全部を手術により切除します。併せて、リンパ液による転移を防ぐため、胃の周辺のリンパ節を切除します。また、胃の周辺の臓器にがんが転移している時は、これらの臓器の一部を切除することもあります。開腹手術と腹腔鏡を使用した手術があります。
3 薬物療法
リンパ節転移や他の臓器への転移が疑われ、手術による治療が難しい場合や、手術後の再発防止などにより、抗がん剤等の薬剤を投与します。使用する薬剤は、患者さんの状態や副作用の状況を踏まえて決定されます。