概要
「あんしん、あんぜん、あたたかい診療を心掛けております」
耳鼻咽喉科領域全般について対応しております。現在は3人体制(R5.4.1時点)で日常診療を行っております。平日5日間の外来診察と火曜日(午後)と金曜日(午前午後)で手術も行っています。
ただし、頭頸部がんの手術や専門的治療に関しては、近隣の大学病院やがん治療専門施設などへ紹介させて頂いています。(診断までは当院でも可能です)
当院は原則紹介予約制ではありますが緊急を要する場合は、「予約なし・紹介状なし」でいらっしゃった患者さんも可能な限り当日に診察しております。ただし、手術などの状況によっては当日診療ができないこともあり得ますので、受診をご希望の際は直接来院するのではなく、事前にお電話を頂きたいと思います。
以下に当科の得意分野についてご説明しますが、他にも耳鼻咽喉科一般診療を行っていますのでお気軽にご相談ください。
特色・専門領域
1. 鼻副鼻腔疾患に対する内視鏡下鼻副鼻腔手術
当科では内視鏡下鼻・副鼻腔手術の経験が豊富です。
最新機器の内視鏡システム(4K)を完備し、安全に手術を行っています。
また喘息と関連のある好酸球性副鼻腔炎(難病指定)という非常に治りにくい病気もあり、当科では難病指定登録をしており積極的に治療にあたっています。
また、重度のアレルギー性鼻炎(多数の原因物質にアレルギーがある方)に対して、鼻閉や鼻汁過多の軽減が期待できる後鼻神経切断術も適宜行っております。
内視鏡下鼻副鼻腔手術は、負担が少なく、術後の顔の腫れ、しびれなどもほとんどありません。
鼻手術は入院手術(全身麻酔)の症例が多く、入院期間は4~5日で、退院後も早期に職場復帰が可能です。
但し、軽症でご希望があれば局所麻酔で日帰り手術も行なっています。
手術後に鼻内に入れた止血用の綿やシリコンなどを抜く時は多少の痛みがありますが、それが取れて鼻の通りが良くなると、長い間鼻づまりで苦しんでこられた方々は「何でもっと早く手術しなかったのだろう」と口を揃えたようにおっしゃいます。
鼻づまりが解消すると睡眠の質も改善し、熟睡できると言われていますし、生活一般が楽になります。
鼻づまり解消については、手術以外の治療(抗アレルギー薬、点鼻薬、スギ花粉症の舌下免疫療法など)もあります。
鼻づまり、鼻汁過多、嗅覚障害、後鼻漏などでお困りの方は、ご相談ください。
2. いびき・睡眠時無呼吸に対する診断・治療
日本人の2~4%(200万人以上)が睡眠時無呼吸に罹患しているといわれております。いびきで悩んでおられる方はもっと多いと思います。
いびきは、騒音で他人に迷惑をかけるだけでなく、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸」になると体や社会生活に様々な悪影響があります。
重症になると日中の眠気によって、仕事効率が低下し、リストラされる原因にもなります。交通事故にも繋がりやすくなります。
いびきは、肥満を伴うことも多く、高血圧などの成人病も合併しやすい病気なのです。
しかし、瘦せ型なのにいびきが大きい方もいらっしゃいます。その場合、鼻がつまって口呼吸しているとか扁桃肥大などを合併してのどが狭いことが原因として多く見られます。
- 耳鼻咽喉科的手術(鼻・咽頭手術)
手術が必要な方は、主に口蓋扁桃が大きいとか、鼻がつまって口呼吸になっている場合が多いです。特にお子さんの場合は、鼻の奥のアデノイドが大きいことと、口蓋扁桃肥大が主な原因ですが、寝ているときに呼吸が苦しそう、前胸部が凹む、体重が増えにくい、夜尿・夜驚などの症状がある場合は睡眠時無呼吸が疑われます。
- 経鼻的持続陽圧呼吸療法(Nasal CPAP)
※Nasal CPAP療法の新規導入は現在行っていません。重症な方や中等症以上でも歯の状態不良で歯科装具が使えない方などが治療対象です。
一般的に、Nasal CPAP療法は長期的な治療継続が必要ですので、患者さんのお住まいや職場の近くで通院しやすい施設をご紹介しています。 - 歯科装具による治療
写真のように下顎を少し前に出る歯科装具を口にはめて寝てもらいます。就寝中は口を閉じた状態にもなるので舌根沈下が防止されいびきが軽減します。
歯科装具は主に当院の歯科口腔外科に依頼して作製してもらっております。連携の歯科クリニックで作製して頂く場合もあります。治療効果(いびきの軽減)はご家族に確認して頂くことでほぼ分かりますが、中等症以上の方については効果判定のために最初の睡眠検査のあと6ヶ月以降に再度睡眠簡易検査を行って頂くこともあります。 - その他
アレルギー性鼻炎がひどい方で、手術をご希望されない場合やお子さんで手術できない場合、内服薬や点鼻薬を使用しますが、それなりの治療効果は期待できます。
うるさいいびきや夜間無呼吸を指摘される方は受診されることをおすすめします。
いびき外来についてはこちら
3. 中耳疾患に対する治療
鼓膜穿孔に対して鼓膜形成術を行う際、外耳道の狭い症例でも右写真のように極細の耳用内視鏡を用いて、耳の穴から操作を行う、体への負担が少ない手術方法(経外耳道アプローチ)も可能です。
諸事情で入院手術が難しい状況があっても状態がそれほど悪くない軽症の方なら、局所麻酔とはなりますが、日帰り手術ができる可能性もありますのでお気軽にご相談ください。