骨粗鬆症リエゾンサービスチーム
骨粗鬆症とは?
骨粗鬆症は、WHOにより「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大する疾患」と定義されています。軽微な外力でも骨折したり、通常の生活をしていても背骨が徐々に潰れていくなど、骨折リスクが増大した状態です。
「粗鬆(そしょう)」とは、「大ざっぱであらいさま。大きくて細かくないさま」を意味します。健康な人の骨は、周囲の骨(皮質骨)の厚みがしっかりしていて、内側の梁の役目を担う骨(海綿骨)も縦横に厚く張り巡らされていて無数の小部屋のようになっていますが、骨粗鬆症が進むとこれらの骨が薄くなったり細くなってしまいます。
骨粗鬆症リエゾンサービス(以下、OLS)チームとは?
骨粗鬆症の予防と改善および骨折防止の取り組みや骨折後の適切な治療を、医師や多職種のメディカルスタッフが相互に連携しながら行うチームのことです。
対象となる患者さん
当院では、骨折のハイリスクの方、脆弱性骨折をすでに有している方、新たに脆弱性骨折を有した方(大腿骨近位部骨折、胸腰椎椎体骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位部骨折)を対象に取り組みを行っています。
チームの活動
カンファランス
月に1回、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、放射線技師、臨床検査技師、管理栄養士、地域連携、医事課で、それぞれの専門分野において治療の開始および継続、疾患の啓蒙活動に関するミーティングを行っております。
勉強会
骨折リエゾンサービス(FLS:Fracture Liaison Service)クリニカルスタンダードに基づき、年1回教育活動として骨粗鬆症の病態や治療、医療連携の重要性について院内研修を実施しています。また、治療率・治療継続率向上・ネットワーク構築を目的とし、地域病院や医療関係者へ勉強会を行っています。
活動内容
国際骨粗鬆症財団(IOF)と世界保健機構(WHO)が共同により骨粗鬆症と骨代謝障害の啓発を目的として、毎年10月20日を骨粗鬆症デー(WOD)と制定されました。
当院では、病院ロビーにおいて、骨粗鬆症に関してのポスター掲示や、骨粗鬆症予防の食事メニュー紹介等を行いました。
アピールポイント
2022年6月に当院のOLSチームの取り組みを、国際骨粗鬆症財団(IOF:国際的な骨粗鬆症の治療、予防、啓蒙活動に取り組む財団)より、【銀賞】に認定されました。
OLSチームのメンバーに、一般社団法人 日本骨粗鬆症学会が認定する「骨粗鬆症マネージャー」の資格取得者が5名います。(2024年8月現在)
骨粗鬆症マネジャー 取得者 | |
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看護師 | 3名 |
薬剤師 | 1名 |
理学療法士 | 1名 |
骨粗鬆症骨折外来
大腿骨近位骨折に対して当院で人工骨頭置換術を施行した患者さんを対象に退院後3カ月・1年後をめどに受診していただく完全予約制の外来です。
◆外来日
偶数月:第2火曜日15時~、奇数月:第3木曜日15時~
◆外来内容
- レントゲンや採血、骨密度検査の結果説明
- 骨粗鬆症治療薬の継続指導や薬剤変更(内服や注射)の調整を行いかかりつけ医へ紹介を行っています。
当院は主治医2人制度を推進しています。お薬の処方や注射はかかりつけ医にご紹介させていただいております。ご不明な点はスタッフまでご相談下さい。
多職種でチーム一丸となり、これからも専門的に、質の高い医療を提供していきたいと考えております。
- お問合せ
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〒145-0065
東京都大田区東雪谷4-5-10荏原病院電話:03-5734-8000