検査案内
ABO・Rh式血液型検査、不規則性抗体検査、交差適合試験などの輸血検査と、赤血球製剤や新鮮凍結血漿、血小板製剤、アルブミン製剤などの血液製剤管理業務や赤十字血液センターへの血液製剤発注業務を担当しています。
また、手術前に患者さん自身から採血した自己血の保管も行っています。
特色
輸血検査の安全性・効率性確保のために全自動輸血検査装置を導入し、24時間体制で緊急時にも迅速に対応しています。
さらに、年6回開催している輸血療法委員会を通じて、各診療科の委員と輸血療法に関する協議を行うほか血液製剤の使用状況報告や輸血情報の提供を行い、院内における安全で適正な輸血療法の実施を目指しています。
Q&A
Q1. 輸血は何のためにするの？
A1.
輸血の主な目的は、手術や外傷による出血やさまざまな疾患などによって血液中の赤血球などの細胞成分や凝固因子などの蛋白質成分が不足、または機能的に低下したときにその成分を補充することによって臨床症状を改善するために行います。
【赤血球濃厚液】
主に末梢循環へ十分な酸素を供給することを目的とします。
【濃厚血小板】
血小板成分を補充することにより止血を促進したり、出血を防止するために用います。
【新鮮凍結血漿】
血液を固まらせる作用のある、凝固因子の補充を目的とします。
【アルブミン製剤】
循環血液量の補充や浮腫、腹水貯留の改善に用います。
Q2. ABO・Rh式血液型検査とは？
A2.
血液型は、赤血球の細胞膜表面にある抗原によって決まり、ABO，Rhなどの分類があります。
ABO式血液型検査では赤血球膜上に存在する抗原と、血清中に存在する抗体を調べることにより血液型を判定します。例えば、A型の人では赤血球上にA抗原を持ち血清中にB型の赤血球を凝集させる抗B抗体を持っています。
安全な輸血を行うために、一部の特殊な場合を除きABO式血液型が一致している血液を輸血します。
Rh式血液型には多くの抗原がありますが、その中のD抗原を持っている人をRh陽性（プラス）、持っていない人をRh陰性（マイナス）といいます。患者さんがRh陰性と判定された場合には、輸血副作用を防ぐために一部の例外を除きRhマイナスの血液を輸血します。
Q3. 不規則性抗体とは？
A3.
不規則性抗体とは、ABO以外の血液型抗原に対する抗体のことです。この抗体を保有する場合は輸血副作用を起こす場合があるため抗体と反応しない血液を輸血します。
不規則性抗体の有無を事前に確認することで患者さんに適合度の高い血液を輸血することができます。
Q4. 交差適合試験とは？
A4.
患者さんの血清と輸血用血液の赤血球を反応させる「主試験」と、患者さんの赤血球と輸血用血液の血清を反応させる「副試験」があります。
この試験により適合とされた血液を輸血に用います。輸血副作用を未然に防ぐ重要な検査です。