- 1.放射線科について
- 2.放射線科の人材育成について
- 3.放射線科で受けられる検査・治療
- 4.採用情報
- 5.先輩職員からのメッセージ(小児総合医療センター)
- 6.先輩職員からのメッセージ(多摩総合医療センター)
- 7.先輩職員からのメッセージ(墨東病院)
- 8.放射線技師の1日(動画)
放射線科について
(1)放射線科の理念
医療人として、日々の探求心と人間愛 ~自分を磨き、心を磨き、技術を磨く~
私たちの理念は「医療人として、日々の探求心と人間愛 ~自分を磨き、心を磨き、技術を磨く~」です。
東京都立病院機構の診療放射線技師として、私たちは一つの方向に進むための理念を掲げ、全員がその実現に向けて率先して取り組んでいきます。
この理念のもと、職員一人ひとりが自己の成長を目指し、業務において常に新たな興味を抱き、スキルの向上に努めることを目標としています。
また、単なるスキルの向上にとどまらず、深い人間愛と倫理観を持ち、医療現場での使命感を育むことに重きを置いています。
日々の探求心を持ち続けることで、医療技術の進歩に対応し、患者さんに対して最善のサービスを提供する力を養います。
そして、心を磨くことにより、コミュニケーション能力や共感力を高め、より良い医療環境を創造することを目指します。
(2)基本方針
[1]安全・安心で良質な放射線業務の提供
[2]各委員会を柱とした各部会の運営と係長会との連携強化
[3]職制に応じた効果的な人材育成と人材の確保
[4]放射線部門における効率的な経営基盤の確立
[5]情報セキュリティ管理の徹底とコンプライアンスの推進
技術を磨くには、最新の技術や知識を常に学び続ける姿勢が欠かせません。
これにより、診療放射線技師としての専門性を高め、医療チームの一員として貢献し、患者さんに対する信頼を築いていくことができます。
この理念と基本方針に基づき、私たちは協力し合い、共に成長することで、東京都立病院機構の診療放射線技師としての誇りを持ち、これからも医療の質を高めていきます。
全職員が一致団結し、患者さんとそのご家族にとって最良の医療を提供するために、一層の努力を重ねてまいります。
(3)放射線科の概要
放射線業務は、画像診断部門と放射線治療部門に分かれ、前者には単純撮影、マンモグラフィ、歯科系(コーンビームCTを含む)、骨密度測定、透視撮影、血管撮影、X線CT検査、MRI検査、核医学検査(PET検査含む)などがあり、後者には外部照射、腔内照射、組織内照射などがあります。
業務の多様化により、ジェネラリストとしての総合力や専門資格を活かしたスペシャリストとしての能力、診療用放射線の理解と管理が求められています。
専門性に特化したリーダーを配置し、業務管理(関連法規・予約枠管理等)や検査機器の保守、医療安全確保、人材育成などのマネジメント業務を担っています。
医療ニーズが高度化・複雑化する中、医師等が行っていた業務の連携・補完を通じ、新たな取組が求められており、役割は更に大きくなっています。
機構全体では、常勤と非常勤を合わせて約400人の診療放射線技師が働いており、若手職員からベテランまでが能力開発できるよう、組織全体で取り組んでいます。
放射線科では、診療放射線技師長会と診療放射線科係長会が組織され、技師長会が全体方針を決定し、係長会が具体的な活動を行っています。
これにより、単一の病院では達成できない質の高い人材育成を実現しています。
各病院の特色を活かしながら、共通の研修プログラムや技術研修を提供し、定期的な評価とフィードバックを通じて、全職員のスキル向上を図っています。
組織全体で高い専門性を持つ人材を育成し、優れた医療サービスの提供に貢献しています。
(4)診療放射線技師長会の体制
技師長会には役員会、5つの委員会があり、各委員会には、実働組織である23の部会があり、係長会と連携しながら、放射線科における経営・医療安全・人材育成、医療の質、専門性の向上に取り組んでいます。
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各施設の放射線科のホームページへ
広尾病院 | 多摩総合医療センター |
大久保病院 | 多摩北部医療センター |
大塚病院 | 東部地域病院 |
駒込病院(診断部) | 多摩南部地域病院 |
駒込病院(治療部) | 神経病院 |
豊島病院 | 小児総合医療センター |
荏原病院 | 松沢病院 |
墨東病院 | がん検診センター |
放射線科の人材育成について
(1)研修体制の充実
東京都立病院機構放射線科の研修制度は非常に充実しています。
機構本部による新任研修は集合型の研修形式で、新たに加わった職員がスムーズに業務に適応できるようサポートします。
この研修では、基礎知識や実践的スキルをしっかりと身につけることができます。
さらに、放射線科では各職場でe-ラーニングを通じて、「院内感染対策」や「患者接遇」といったノンテクニカルスキルの向上を図る研修も行っています。
最新の感染対策や患者対応を常に学ぶことにより、業務に活かすことができます。
また、入職後の経験や職層に応じて、専門的な上級研修やマネジメント研修など、多様な学びの環境が整えられています。
これにより、職員は各段階で必要なスキルを段階的に習得し、キャリアを積むことができます。
このように、充実した研修制度を通じて、職員のスキル向上と医療の質の向上を支援していきます。
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(2)チューター制度
東京都立病院機構はチューター制度を導入し、新人職員の成長をサポートしています。
この制度では、経験豊富な先輩職員がチューターとなり、年度を通じて新人職員に対して指導、支援、助言を行います。
チューター制度の目的は、新人職員がスムーズに職場に適応し、専門性を高めることを支援することです。
チューターは、業務の進め方や職場のルール、患者対応のポイントなど、実務に関する具体的なアドバイスを提供し、業務に必要なスキルを短期間で習得できるように導きます。
また、チューターは新人職員の疑問や不安を解消するための相談役としても機能します。定期的な面談を通じて、業務上の課題や困難について一緒に考え、解決策を見つける手助けをします。
これにより、新人職員は安心して業務に取り組むことができ、より効果的にスキルを向上させることができます。
さらに、チューター制度は新人職員のモチベーションを高める役割も果たします。
先輩職員との密なコミュニケーションを通じて、職場でのつながりを深め、チームの一員としての自覚と誇りを持つことができます。
(3)クリニカルラダー
私たちは放射線科オリジナルのクリニカルラダーを導入し、職員の育成を体系的に行っています。
このクリニカルラダーは、入職後の経験年数に応じてレベル分けされており、ノンテクニカルスキルとテクニカルスキルの両面での成長を支援します。
ノンテクニカルスキルには、コミュニケーションや患者接遇などが含まれ、これらのスキルの習得と向上が目指されます。
テクニカルスキルには、放射線技術の専門知識や実務スキルが含まれ、担当する業務や専門分野に応じたスキルの深化が図られます。
このクリニカルラダーは、自己評価に加えて第三者評価も取り入れており、職員は自らのレベル達成度を客観的に確認できます。
上司との共通認識を持つことで、明確な成長目標を設定し、計画的にスキルを向上させることができます。
この体系的な育成プログラムにより、職員の専門性とスキルの向上を支援し、医療サービスの質を高めることを目指しています。
このように、新人職員の迅速な成長と職場への適応を支援し、全体のチーム力を向上させることを目指しています。
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(4)資格支援制度
私たちは資格支援制度を活用し、業務に関連する各種専門認定資格の取得を支援しています。
この制度では、資格取得のための講習会費用、受験料、更新費用を補助し、職員が専門資格を取得しやすい環境を提供しています。
この支援により、多くの職員が毎年専門資格を取得し、専門性を高めるとともに、医療サービスの質向上に寄与しています。
資格取得は職員のキャリアアップにもつながり、より高度な技術と知識を活かしたサービス提供が可能となります
(5)資格保有者一覧
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放射線科で受けられる検査・治療
X線検査やCT検査などの放射線を利用した検査やMRI検査は、病気の診断のために欠かせないものとなっています。
私たち診療放射線技師は、「見えない病気を見えるようにする」役割を担っています。
また、装置の進歩や技術向上に伴い、手術、化学療法とともに、がんの3大療法の1つとして放射線治療の重要性も高まっています。
放射線科で受けていただく主な検査や治療をご紹介します。
一般撮影
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胸部や腹部、関節、骨などのX線撮影(レントゲン)です。
患者さんには撮影部位に応じて様々な体位をとって頂きます。
装置の進歩により、以前よりも被ばく線量の低い撮影が可能となっています。
マンモグラフィ
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乳房のX線撮影検査です。
乳房は柔らかい組織でできているため、専用の装置で乳房を圧迫して撮影します。
痛みを伴いますが、できるだけ短時間で撮影しますのでご協力をお願いします。
骨密度測定
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骨密度は骨粗しょう症診断の指標となる数値です。
専用の装置を使ったX線検査で骨密度を測定することができます。
CT検査
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身体を通過したX線のデータをコンピュータで解析することにより、体の横断面を画像化する検査です。
様々な方向の画像や3次元の画像が構成できるようになっています。
検査の際には造影剤を静脈注射する場合があり、食事をしないで検査に来ていただくこともあります。
MRI検査
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放射線を使わないため、被ばくのない検査です。
強い磁石の力とラジオ波を利用した装置で、あらゆる方向の画像が表示できます。
検査中は工事現場のような音がするため、ヘッドホンや耳栓をして頂きます。
必要に応じて造影剤を使用しますが、脳梗塞などは造影剤を使用せず診断できます。
心臓ペースメーカなどの金属を埋め込む手術をしている場合は、検査を受けられない場合もあります。
必ず主治医または放射線科に相談してください。
血管造影検査
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心臓や頭部などの血管に細い管(カテーテル)を入れて行います。
造影剤を使用し血管像を描出することで、病気の診断や治療を行います。
血管拡張や止血、がん治療など様々な治療を行っています。
TV透視検査
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胃や腸のバリウム検査などの消化管検査を行います。
また、整形外科や泌尿器科の検査や内視鏡を使用した膵臓などの検査にも利用します。
RI検査
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RIとは放射性同位元素(ラジオアイソトープ) のことです。
検査用のRIを注射などにより体内に投与すると、種類によって特定の臓器に取り込まれ放射線(ガンマ線)を出します。
その放射線を身体の外から特殊なカメラで撮像して検査します。
CT装置を組み合わせたSPECT-CT装置や陽電子を放出する核種を用いたPET-CT装置も運用されています。
また、投与されたRIは体外に排泄されますので身体への被ばくの影響はほとんどありません。
放射線治療
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がん治療三大療法のひとつです。
リニアック(直線加速器)などで体の外から放射線の照射を行うことや、密封小線源を体内に挿入することで治療を行います。
放射線治療医の診察後、CT撮影などでシミュレーション、治療計画の作成、検証を経て照射が開始されます。
最近は、放射線治療装置や治療方法の進歩により、副作用を抑えながら目的部位に集中的に放射線を照射することで、手術と同等以上の治療成績が報告されています。
採用情報
(1)各施設の放射線科のご紹介(キャプションをクリックしてください)
各施設の採用情報のページへ
(2)採用選考、処遇について(キャプションをクリックしてください)
(3)私たちはこのような人材を求めています
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東京都立病院機構は、すべての都民のための病院として、たゆまぬ自己改革を行い、質の高い医療サービスを提供し、都民の生命と健康を支えていきます。
私たちは「大都市 東京を医療で支える」という理念のもと、以下のような人材を求めています。
1.高い倫理観を持ち、患者中心で責任感をもって行動できる人
2.チーム医療の一員として協力し、コミュニケーションを大切にし、自らの役割を超えて貢献できる人
3.自己啓発に努め、常に能力向上を目指す向上心のある人
4.専門職としてのプロ意識を持ち、エビデンスに基づく的確な業務ができる人
5.礼儀正しく、身だしなみが整い、動作がテキパキしている品格のある人
6.適切かつ迅速な判断力を持ち、業務を遂行できる人
7.自ら学び、柔軟な考えをもって積極的に行動できる人
8.新しい挑戦に果敢に取り組み、成し遂げようとする熱意とチャレンジ精神を持つ人
この中の一つでも二つでも自信をもってあるといえる人、このような人になることを目指してくださる人を応援します。
目標に向かって取り組んでいける仲間になって、一緒に働きましょう。
先輩職員からのメッセージ(小児総合医療センター)
都立小児総合医療センター 放射線科 主任 技師歴13年目
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経歴
2012年4月~2019年3月 | 入職 都立墨東病院 |
2019年4月~現在 | 都立小児総合医療センター |
1 所属している病院について教えてください
東京都立小児総合医療センターは561床の小児専門の総合病院です。
からだとこころの幅広い分野での医療が提供されています。
最近ではドクタージェット事業にも協力しており、全国から患者さんが集まります。
(ドクタージェット事業:重症の子供たちをPICUを持つ高度専門病院へ迅速に搬送する手段)
2 この仕事を選んだきっかけは何ですか
高校生の時、漠然と科学に関する仕事に就きたいと思っていました。
あるとき、とても鮮やかな3D-CT画像を見る機会があり、体の中がこんなにも立体的に観察できるのかと衝撃を受けました。
それが診断から治療、患者さんへの説明にまで様々な場面で役に立っているという事を知り、科学技術を駆使して人の役に立つ診療放射線技師という職業にあこがれを持ったことがきっかけです。
3 入職してから成長を感じた瞬間や学びはありましたか
「人の役に立つ検査を行うんだ!!」と意気込んで入職しましたが、最初に配属された施設は忙しく、次から次に検査をこなさなければならず、手いっぱいでした。
ですがその分さまざまな疾患に関わることができ自然とスキルアップしていったように思います。
現在勤務している小児総合では患者さんそれぞれの個性に合わせた接遇が重要となります。
成人とは全く別の難しさがありこちらも日々勉強が必要です。
4 職場や担当する部署の雰囲気を教えてください
当施設はCT部門、一般撮影部門、MRI部門を仕切る壁がありません。
職員側が一つの廊下で近い距離で繋がっており、各部門の様子が自然と伝わります。
そのため混雑具合を察知して他部門の職員がお互いに助けに行きやすい雰囲気が自然と出来上がっています。
CT部門を主に担当していますが、溜まってしまった画像処理などを、CTを勉強したい職員が積極的に応援に入ってくれるのでスキルアップの効率化にも繋がっているなと感じます。
5 やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか
CT部門の責任者を任せて頂くようになり、医師と意見交換する機会が増えました。
特殊な症例の依頼を受けた際に、撮影条件を考え、実験や練習を行い、実際に撮影して医師の意見を再度聞くというプロセスを行った際に高評価を得られると、それまでの苦労が吹き飛ぶ思いです。
当施設は全国から小児患者が集まるため難しい症例が多くそれぞれ個別の撮影条件を組むことも多いですが、それだけ医師から頼りにされている事もあり、やりがいを感じています。
6 休暇制度(有給・育休・産休)や福利厚生制度で利用しているものはありますか
最近では育児休業を2か月間取得しました。
また共働きのため、子供の体調不良時には「子どもの看護休暇制度」も利用しております。
7 放射線技師に求められるものは何だと思いますか
新しいもの好きな性格や、好奇心は診療放射線技師として働いていく上で役に立つかと思います。
私たちの扱う機器や技術は日進月歩なので知らない事が次々に出てきます。
「どういう仕組みなのだろう」「あの撮影で本当によかったのだろうか・・・」と多くの事に興味をもって知識の幅を広げられていると、仕事に良い影響を与えると思います。
8 これから入職を考えている人へのメッセージをお願いします
各施設で様々な特徴があり、それぞれ必要となるスキルが異なります。ゆえに成長する機会にたくさんめぐり合うことができます。
自分にできるだろうかと不安に思うかもしれませんが、同じような不安を抱え、乗り越えてきた先輩たちによる教育制度、研修制度も充実しておりますのでご安心ください。
ぜひ共に働きましょう。
9 何か認定資格を取得していますか。また、取得して良かったことはどんなことですか
X線CT認定を取得しています。
認定を取得することで認定技師として自覚を持つようになった事が大きいかと思います。
認定技師であるからには中途半端な画像を撮影するわけにはいかない、知識が古いままではいけないと自分に言い聞かせることで日々のモチベーションにつながっています。
10 印象に残っているエピソードがあれば教えてください
医師から信頼を得ることができ印象的だったエピソードとして、CT装置更新の際に撮影条件や画像処理を大幅に変更した検査で、医師から高評価を頂きました。
それ以来、ほかの検査センターに依頼していた検査を院内で行うように変わったことがありました。
信頼を得ることができたエピソードとして印象的でした。
先輩職員からのメッセージ(多摩総合医療センター)
都立多摩総合医療センター 放射線科 主事 技師歴2年目
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経歴
2023年4月~現在 | 入職 都立多摩総合医療センター |
1 所属している病院について教えてください
病床数は789床、総職員数は2000人以上の規模です。
三次救急に対応しており、年間約1500件の重症患者を直接受け入れています。
2 この仕事を選んだきっかけは何ですか
私は中学校、高校とバスケットボール部に所属していました。
けがをすることが多く、よく病院にレントゲンを撮りに行っていたことで診療放射線技師という仕事について興味を持ち始めました。
また、母が医療従事者ということもあり、私も将来医療の現場で働きたいと思ったからです。
3 入職してから成長を感じた瞬間や学びはありましたか
私が一番成長を感じた瞬間は、当直中に頭部のMRIを撮影した時のことです。
撮影中、梗塞があることに気付きすぐに主治医に連絡しました。
その後、わざわざこちらまで来て医師からお礼を言っていただけた時に少し成長できたなと実感しました。
4 職場や担当する部署の雰囲気を教えてください
私の所属している部署では、疑問点や不安なところはすぐに先輩職員に聞ける雰囲気です。
先輩職員が一人相談役として就くチューター制度があり、業務以外のことでも不安に思っていることはすぐに聞けることによってストレスなく仕事をすることができています。
5 やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか
私がやりがいを感じる瞬間は患者さんや他部署の方からお礼を言われた時です。
正直、働き始める前は診療放射線技師というのはお礼をされる場面はあまりないと思っていました。
しかし、働き始めてから患者さんや看護師、医師など多くの人にお礼を言われる場面が沢山あることを知りました。
お礼を言われると、「今の自分の行動は正しかったんだな、してよかった」とやりがいを感じます。
6 休暇制度(有給・育休・産休)や福利厚生制度で利用しているものはありますか
有給休暇は私を含め、全員が平等に取得できています。
産休・育休に関しても、当センター放射線科では男性職員も多く取得できています。
また、福利厚生の一つである資格取得支援制度を利用し、検診マンモグラフィ撮影認定の取得を目指しています。
7 放射線技師に求められるものは何だと思いますか
知識や技術などももちろん大切ですが、患者さんに寄り添った行動が一番大切だと私は考えます。
どの検査も患者さんの協力がなくてはできません。
私は、患者さん一人一人にあった接遇ができる放射線技師になりたいと思っています。
8 これから入職を考えている人へのメッセージをお願いします
他の病院については詳しくありませんが、私が勤務している多摩総合医療センターは、どのモダリティも件数が非常に多く、毎日忙しく働いています。
しかし、その分、新たにできるようになったことへの達成感ややりがいも多くあります。
一緒に働けることを楽しみにしています。
9 何か認定資格を取得していますか。また、取得して良かったことはどんなことですか
まだ認定資格は取得していません。
ですが、現在マンモグラフィの認定資格取得に向けて勉強に取り組んでいます。
10 印象に残っているエピソードがあれば教えてください
病棟に一人でポータブル撮影に行った際、患者さんから名前を覚えてもらい「また次もあなたが良いな」と言っていただけたのが、今でも印象に残っています。
先輩職員からのメッセージ(墨東病院)
都立墨東病院 放射線科 主任 技師歴9年目
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経歴
2018年4月~現在 | 入職 都立墨東病院 |
1 所属している病院について教えてください
東京都立墨東病院は、三次救急や周産期医療、精神科救急、感染症等に対して多く対応しており、その中でも、三次救急医療を含む総合救急医療体制を備え、東京都の区東部地域の救急患者を「東京ER墨東」の枠組みのもと積極的に受け入れています。
30以上の診療科を有しているため、各診療科から多岐にわたる検査依頼を多く受けています。
また、三次救急患者を受け入れるHybrid ERには、IVR-CT(全国2番目の導入)も備えているため、患者移動が無くCTやIVR、一般撮影が行えることで、重症救急患者の救命に全力で取り組んでいます。
2 この仕事を選んだきっかけは何ですか
親族に診療放射線技師として働いている方がいたので、幼少期から仕事について少なからず聞く機会があったのが最初のきっかけです。
医療界において、診断や治療方針における縁の下の力持ち的存在であり、性格的にも合っているのではないかと親族にも勧められていました。
入院等での経験で、放射線技師に検査をしていただき、医師より患者説明で提示される画像等について興味を持ち、将来を考えた際に診療放射線技師を目指す決意を中学生でしたのが、最終的なきっかけです。
3 入職してから成長を感じた瞬間や学びはありましたか
入職した東京都立墨東病院は、三次救急等に対応している総合病院ということもあり、覚える業務も多く、日々の検査業務をこなすことで手一杯となっていました。
日々の繁忙な業務の中で、多岐の症例に遭遇することも多いので、撮影画像の振り返りやレポート参照、検査前の予習等を積み重ね学んでいくことで、少しずつですが病変等に気付けることができるようになってきたと考えます。
また、その中で、医師の求める画像について考え、積極的に医師と話していくことで、各診療科が求める“+α”の画像提供ができるようになってきたのは、成長の一つだと考えます。
4 職場や担当する部署の雰囲気を教えてください
東京都立墨東病院は、一般撮影部門やCT部門、MRI部門をはじめ、心臓カテーテル等の血管撮影部門、核医学部門、放射線治療部門、ER部門に分かれ日々の業務に邁進しています。
部門が分かれていても、各部門の隔てを超えて協力していくことで、放射線科全体として業務に取り組んでいると感じます。
私は主にCT部門を担当し、大規模病院で多くの診療科を有するということもあり、多岐にわたる検査業務に追われていますが、その中でも積極的に若手職員がルーチン検査に加えて特殊検査にも関わっていき、先輩達もバックアップしていくことで、スキルアップに繋がる環境体制が構築しつつあると感じています。
5 やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか
当施設では、多岐にわたる日々の業務をこなすことでも、充分やりがいを感じられるとは思いますが、私自身業務をしていく上で、特にコミュニケーションを大切にしていて、その心掛けにより患者さんにメリットのある画像提供を経験した際には、やりがいを感じます。
例えば、頭部外傷による頭部CTの指示であったが、検査台に寝かした際に患者さんによく聞くと顎も受傷していて、医師に確認のもと、追加で下顎まで撮影した際に下顎骨折が認められたなど、コミュニケーションにより受傷部位や患者さんが抱える不安要素を拾い上げ、ほんの少しでも患者さんや医師に貢献できる行いをした時は、特にやりがいを感じます。
私たち診療放射線技師は、医師の指示のもとに撮影を行うことが大原則ではありますが、指示内容に無い部分においても注視し、患者さんに限らず医師等ともコミュニケーションを図り、一つの検査に全力に取り組み、そのことが患者さんに貢献できた結果となった際は大きなやりがいに繋がると考えます。
6 休暇制度(有給・育休・産休)や福利厚生制度で利用しているものはありますか
年次有給休暇においては、通常の年休に加えて、夏休みとしていただける「5日間」をうまく活用することで、8日前後の長期休みを取得することもできますし、夏休みを分けて取得することで、日々の勤務における休息日を設けることができるなど、当施設は要望を可能な範囲で叶えていただけるので、大変有難く活用させていただいております。
7 放射線技師に求められるものは何だと思いますか
医療人全般に求められる根底としては、病気等に寄り添った、“関わり方”や“考え方”をできるかが重要と考えます。
その中でも放射線技師は、検査業務や治療業務(IVR、放射線治療等含め)における治療戦略に貢献していくことを目的としている中で、接遇で寄り添うのは勿論のこと、常に提供していく画像等の正否について、思考していくことが求められていると考えます。
医師の診断に足る画像提供が行えているのかについて、思考し突き詰めていくことが、医師にも患者さんにも寄り添った“関わり方”や“考え方”に繋がり、求められている診療放射線技師像であると考えます。
8 これから入職を考えている人へのメッセージをお願いします
東京都立病院機構の強みは、大都市東京都内に14施設を有している点だと考えます。
また、専門に特化している等、施設ごとに様々な特色があり、求められるスキルも異なります。
そのため、同じ検査内容においても検査方法、アプローチ方法が異なることもあるので、多岐にわたる検査について経験できると考えます。
資格を有する方も数多く各施設に在籍していますのでジェネラリストを目指す方も、スペシャリストを目指す方も、まだ目指す方向性が定まっていない方も是非共に働き成長していきましょう!
9 何か認定資格を取得していますか。また、取得して良かったことはどんなことですか
X線CT認定技師、画像等手術支援(Intelligent Imaging)認定診療放射線技師を取得しています。
認定資格を取得することは、一定の知識を有していることが認められたという意味でもあり、装置更新に携わることもでき、部門を任せていただけるので経験値も増えていき、責任のある検査提供に努める糧にもなるので、取得して良かったと考えます。
但し、あくまで一定の知識を担保しているだけなので、日々進化していく知識/技術に関して、勉強会や学術大会への参加等にて、継続的に自己研鑽を行っていくことが必要と考えています。
10 印象に残っているエピソードがあれば教えてください
10年ほど技師として働いていて、まだまだ経験としても未熟ものですので特にコレ!というような印象に残るエピソードはないのですが…
日々の検査の中で、ルーチン撮影業務に加えた“+α”の再構成/解析画像を作成し、読影レポートに使用されていると、読影医が求める適切画像が提供できた!と毎度印象に残ります。
Adamkiewicz動脈の同定等、特殊検査の際に“+α”で提供した画像をキーイメージに読影されていると、尚更喜びと印象に残ります。
勿論上席等に許可を貰いつつ、行っている行動なのですが、積極的にそのような行動をしていく事で、医師への印象や自分の自信にも繋がり更なる自己研鑽の意欲にもなるので、続けていきたいなと考えています。