(1)一般部門
尿定性検査
試験紙を用いて尿中の蛋白・糖・赤血球などを調べる検査です。痛みを伴わない検査であり、一般的なスクリーニング検査として多くの病院にて実施されています。
自動分析装置を使用し簡便に尿中の成分を調べることができます。


尿沈査検査
尿中の細胞や細菌・赤血球・白血球の数を機械や顕微鏡を使用して調べる検査です。
腎尿路系疾患や全身疾患のスクリーニング検査として用いられます。



寄生虫検査
都立病院の特徴として感染症科を持つ病院が多数あり、虫卵検査や原虫検査同定を行っています。年に1度、熟練技師が講師となり虫卵検査の研修会も開催しています。
検査法から虫卵・原虫の判別方法についてしっかり学べる環境が整っています。



精液検査
都立病院では分娩の受け入れを行っており、それに伴い不妊外来を設けている病院もあります。精液中の精子数・運動率・奇形率などの検査を行います。

人材育成~充実した研修制度~
一般認定技師や熟練した先輩技師が育成プログラムに沿って指導し、幅広い知識と技術が身に付きます。また、資格支援制度も充実しており、キャリアアップを目指せます。
都立病院間での連携体制も整備されており、相互派遣研修(数日間他施設での業務を経験して技術習得を図る)、定期的なカンファレンス、実務研修など学べる環境が整っています。



チーム医療の一員として活躍(糖尿病教室など)
糖尿病療法指導の一員として多職種と連携し、チーム医療に貢献しています。患者さんへ検査の説明や勉強会を行います。

(2)血液部門
血算・凝固線溶検査
検体検査は完全自動化で効率的にスクリーニング検査を行っています。
異常値にいち早く気づき報告することで、疾患の診断や治療に貢献しています。


末梢血液像検査
機器では分類できない白血病細胞などの異常細胞は人の目で確認します。基本的な細胞分類、異常細胞・赤血球・血小板の形態異常などを捉える専門性の高い技術を習得できます。


骨髄像検査
7病院で骨髄検査を実施しており、標本作製、細胞数算定、メイギムザ染色をはじめ、POD染色・エステラーゼ染色などの特殊染色を行い、形態学的診断の一翼を担っています。



フローサイトメトリー検査
墨東病院では、多くの病院で外注しているCD34陽性細胞を院内で測定しており、自家移植や同種造血幹細胞移植のために必要な細胞数を当日報告しています。

チーム医療の一員として活躍
顕微鏡やモニター下で血液内科医とカンファレンスを行っています。複数の医師、臨床検査技師で形態学的な所見について話し合い、診断・治療に貢献しています。


一人前の検査技師へサポート、そして頼られる検査技師へ
認定資格を持つ技師や先輩技師からの指導で幅広い知識と技術の習得ができます。都立病院間で行っている相互派遣研修を利用し、他施設で技術習得を図るなど、学べる環境が整っています。日常業務で経験した珍しい症例の学会発表や、院内での臨床研究も行っています。
多摩北部医療センターでは研修医へ骨髄像検査に関する形態学的所見のレクチャーも行っており、検査技師として幅広く活躍しています。



(3)生化学・免疫部門
生化学・免疫検査について
生化学・免疫部門では、血液・尿・髄液などを材料として、血液中の電解質、脂質、腫瘍マーカー、薬物濃度等の測定を行っています。都立機構では、各施設の規模に応じて自動分注機や検体搬送システム等を導入し、検査結果を臨床に迅速に報告する体制を整えています。



検体管理について
RFIDとは、電波を用いてICタグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術です。RFID付きの検体ラベルを用いることで、採血室や病棟で採血された採血管をリーダーにかざすだけで到着確認と照合作業が可能です。更に採血室だけでなく、病棟でもWEB-TRIPSを用いることで、「患者さん・採血管・職員」の3点認証により医療安全にも貢献しています。



院内での役割
- [1]POCT・SMBG機器の管理
看護部と連携し、病棟のPOCT対応機器、SMBGのメンテナンスを定期的に行い、機器の精度を担保しています。 - [2]パニック値の報告
測定したデータを最初に確認するのは、私たち検査技師です。データの中にパニック値があったら、依頼医に迅速に報告できるよう体制を整えています。 簡易血糖測定器(広尾病院) メンテナンスの様子(広尾病院) 栄養サポートチーム(NST)への参加
栄養サポートチーム(NST)とは、患者さんに対する最適な栄養管理の提供を活動目的とする医療チームのことです。検査科は栄養評価の指標となる検査データの管理業務やチームメンバーへのデータ提供に貢献しています。
NSTデータ提供(大塚病院) NST勉強会での講演(墨東病院) 人材育成の取り組み
- 相互派遣研修プログラムにより、分析装置の操作研修や精度管理に関する実地研修を行うことで、職員のスキルアップを図っています。認定資格保有者や学会発表経験者も多数在籍しており、キャリアサポート体制が充実しています。また、専門委員会を立ち上げ、年に一度実技講習や講演会を行い、生化学・免疫分野の人材育成に貢献しています。
分析装置研修(小児総合医療センター) 精度管理研修(墨東病院) 感染症医療への対応、災害医療への対応
- 都立機構には、災害拠点病院や第一種感染症指定医療機関に指定されている施設があります。発災時や該当患者さんの受け入れ時に十分な検体検査が実施できるよう、各施設で検査体制が整備されています。また、定期的な訓練により操作技術の維持に努めています。
一類感染症患者対応時のドライケミストリー検査(墨東病院) 一類感染症患者対応時のドライケミストリー検査(墨東病院) (4)輸血部門
細胞治療業務
- 輸血業務の一環として、治療に必要な細胞の採取(アフェレーシス)業務の介助や、フローサイトメトリ―を用いた造血幹細胞数測定やリンパ球表面マーカーの検査を行っており、高度先進医療の担い手として業務に従事しています。
フローサイトメトリー測定作業(駒込病院) アフェレーシス業務風景 (駒込病院)
クリオプレシピテートの作成
クリオプレシピテートの調整を院内で行う施設もあり、医師・検査技師が協力して業務を行っています。クリオプレシピテートは血液を固める成分を濃縮して作成するので、新たな止血手段として最近注目されています。

三次救急医療対応
救急医療センターを運営している施設では、致命的な大量出血を来してしまった患者さんに迅速に輸血が行えるようにMTP(Massive Transfusion Protocol:大量輸血プロトコル)を制定して対応しています。



血液製剤の分割作業
日赤から供給される血液製剤は、新生児・小児に使用するには量が多すぎるため、1つの血液製剤を無菌的に2~5個の小さなバッグに分割して使用することもあります。



島しょ医療対応
東京都立病院機構では東京都島しょ部の医療の担い手として重要な役割を果たしています。島しょ地域に血液製剤を搬送するときは、医師と臨床検査技師で確認作業を行ったのち、血液製剤搬送装置(ATR)を使用してヘリコプターにて血液製剤を搬送します。



輸血ラウンド
輸血業務が輸血療法マニュアルに沿って実施されているか、定期的に院内ラウンドを行うことで評価しています。安全な輸血を行うために必要時は適切な指導を行っています。

人材育成
機構全体で凝集サーベイという血液型・交差適合試験の目合わせを行っており、当直に入る職員の手技確認にも役に立っています。その他にも輸血実技研修の開催など教育体制が整っています。


(5)細菌部門
顕微鏡学的検査
グラム染色、抗酸菌染色以外にも、真菌や莢膜など目的菌や臨床所見に応じた染色を行います。特徴ある菌を推定する等、適切な治療を早期に開始できるよう、対応しています。



培養同定検査
培地に検査材料を塗り、培養します。結果が判明するまで2日〜7日くらいですが、結核菌は多くの日数がかかります。最新の自動機器にて測定しています。



薬剤感受性検査
培養で感染症の原因菌が検出された場合、どのような抗菌薬が有効か調べます。最新の自動機器で測定し、報告しています。



遺伝子検査
PCR検査は13施設で実施しています。結核菌等の抗酸菌や、新型コロナを含むウイルスの網羅的な検索まで、個々の施設の特色に合わせた多種多様な機器で検査しています。


チーム医療の一員として活躍(ICT,ASTなど)
感染対策チーム(ICT)や抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の一員として、院内感染対策にも取り組んでいます。血液培養陽性症例についてディスカッションを行うマイクロラウンドにも参加しています。他職種と情報共有を図りながら、多角的な知識を養うことができます。


充実した研修制度により、成長をサポート
先輩技師が新入職員に対してマンツーマンで指導するチューター制を導入しており、分からないことや困ったことがあったとき、フォローする体制が整っています。認定資格をもった技師や先輩技師のもと、幅広い知識と技術の習得ができます。また、資格支援制度も充実しており、キャリアアップを目指せます。都立病院間での連携体制も整備されており、他施設での研修(相互派遣研修)、定期的なカンファレンス、実務研修など学べる環境が整っています。


地域で連携しながら感染対策
院内だけでなく、地域の感染対策にも取り組んでいます。薬剤耐性(AMR)対策として、薬剤師や看護師とともに親子向けグラム染色体験会を毎年開催しています。検査室以外の場所での活動も多く、仕事の幅が広がります。



(6)病理部門
組織診
院内で基本的な標本作製業務を実施しています。多くの施設でパラフィンブロックや組織標本をバーコードで管理し、検体取り違え防止を徹底。安心安全な業務を行なっています。



細胞診
細胞検査士による詳細な観察・判定後、病理医がダブルチェックを行い結果報告しています。複数の細胞検査士や病理医がディスカッションを重ね、正確な結果報告を心がけています。



術中迅速診(組織・細胞)
手術中に採取された組織(または細胞)から短時間で標本を作成し、病理医へ提出します。未固定材料を扱う業務のため、感染対策にも十分に注意を払っています。


専門的医療への対応
機構施設ごとの特性に応じた専門的業務を実施しています。電子顕微鏡や筋生検の凍結標本作成など、一般的な病院では稀な業務を経験することで、専門的な技術を習得できます。



個別化医療への貢献
最新の自動免疫染色装置を導入し、各種コンパニオン診断・バイオマーカー検索を実施しています。最新の治療薬にも素早く対応し、個別化医療の実現に大きく貢献しています。


機構ならではの成長機会
14病院1施設を有する機構ならではのスケールを活かした成長機会があります。1つの染色をテーマに各施設の標本を評価する『染色検討会』をはじめ、多彩な勉強会や充実した研修プログラムが用意されています。学びの機会が豊富にあり、たくさんの仲間と一緒に成長できます。


(7)生理部門
心電図検査
標準12誘導心電図検査の他、負荷をかけながら記録する運動負荷心電図検査、日常生活における24時間の心電図変化を記録するホルター型心電図検査、微小電位を検出し記録する加算平均心電図検査などを行っています。



呼吸機能検査
肺気量分画測定、フローボリューム曲線、機能的残気量測定、肺拡散能力検査、呼気NO検査(一酸化窒素濃度)などを行っています。


神経生理検査(脳波・筋電図検査等)
脳波、筋電図、神経伝導検査、誘発電位(ABR、SEP等)などを行っています。睡眠時無呼吸症候群の終夜睡眠ポリグラフィ検査(PSG)は携帯用装置を使用した簡易型と確定診断を行うための精密検査があります。




特殊検査
施設により、体成分分析測定(InBody)や耳鼻科領域の検査(聴力検査・眼球運動検査・重心動揺検査・嗅覚検査など)を行っています。



超音波検査
一般的に心臓・腹部・乳腺・甲状腺・血管(頸動脈・下肢)超音波検査を行っています。施設によっては胎児や筋骨格等も施行しています。また、経食道心臓超音波や超音波ガイド下穿刺細胞診(FNA)では機器の操作等を技師が行い医師と共に検査を実施しています。



超音波検査の役割 院内・院外での活動
超音波検査では科内のみではなく、院内の他科(循環器内科や乳腺外科等)との勉強会や症例検討会を実施しています。また、臨床研修医をはじめ、医師への指導をしています。地域医療連携として、医療連携病院における心臓・腹部超音波等検査の受け入れや地域連携病院医師、検査技師を対象としたエコーハンズオンセミナーを開催しています。


チーム医療の一員として活躍
タスクシフト・シェアとして脳神経外科、脊椎脊髄、大血管手術における神経合併症防止のための術中神経モニタリング、超音波造影剤を静脈に注入し病変の血流状態を評価する造影超音波、糖尿病患者に血糖測定の指導を実施している施設もあります。



充実した研修制度により、成長をサポート
認定資格をもった技師や先輩技師が育成プログラムに沿って指導し、幅広い知識と技術の習得ができます。資格支援制度も充実しており、キャリアアップを目指せます。生理検査では多くの資格がありますが、認定心電図検査技師、超音波検査士を取得している職員が多くいます。都立病院間での連携体制も整備されており、相互派遣研修や専門委員会(分野別の勉強会)など学べる環境が整っています。



(8)採血部門
採血室の運用
採血室は、検査科法人職員を中心に、輪番制で運用されています。患者のプライバシーに配慮し、番号で呼び出した後、採血を行う採血台に番号が表示されます。また、患者同士が見えないように採血ブースは設計されています。


患者受付と検体搬送
採血受付を、正確かつ迅速に行うことができるよう、採血受付機を配置している施設もあります。また、多くの病院で気送管での採血管の受け渡しを行っています。


採血管の一括管理
無線タグ(RFID)付バーコードラベルにより採血台での採血管の照合だけでなく、検査科での到着確認もトレイに載せたまま、まとめて行う事ができます。


検査技師による新生児採血
新生児採血では、LEDライトで血管を浮き上がらせて位置を確認し、23G注射針だけで採血をする針滴下法(通称:ぽたぽた採血)を医師ではなく、臨床検査技師が実施しています。

様々な採血にも対応
ベッドやストレッチャーでの採血、糖負荷試験、治験採血など、各病院の診療ニーズに応じた採血に対応しています。採血時の患者急変にも対応できるよう、救急カートを配置し、看護師も常駐しています。

