AYA世代支援チーム

駒込病院のAYA世代支援チーム (2024年10月21日更新)

AYA世代イメージイラスト

目次

1. AYA世代とは -AYAの由来-
2. AYA世代のがん 特徴と問題
3. 駒込病院AYA世代支援チームの特徴
    3-1. 多職種によるチーム支援
    3-2. 仕事と治療との両立支援
    3-3. がんと遺伝
    3-4. がん生殖医療
    3-5. AYA世代対象のオンライン交流会の定期開催
4. AYA世代の患者さんに役立つ勉強会・イベント・医療情報
5. AYA世代支援チームへのご相談・問い合わせ

1. AYA世代とは -AYAの由来-

AYA(アヤ)世代とは、Adolescent&Young Adult(思春期・若年成人)の略で、15歳から40歳ぐらいまでの世代を指します。

  •  小児期と成人期それぞれに好発するがんが発症する可能性がある年代で、肉腫などAYA世代に多い特徴的ながんも存在します。
  •  AYA世代のがん診療には、小児および成人専門の医師、看護師や心理士など、様々な職種が連携することがとても重要です。
  •  中学生から社会人・子育て世代と、ライフステージが大きく変化する年代のため、患者さんぞれぞれに合わせた支援が必要です。
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従って、当院ではAYA世代の患者さんをサポートするためのチームが編成されています。

2. AYA世代のがん 特徴と問題

・AYA世代にかけてのがん罹患率は15~19歳で14.2人、20歳代で31.1人、30歳代で91.1人(人口10万人あたり)です。これらの罹患率を日本全体の人口に当てはめると、1年間にがんと診断されるがんの数は15~19歳で約900例、20歳代で約4,200例、30歳代で約16,300例と推計されています(がん情報サービス、ganjoho.jpより引用)。

 ・また、AYA世代の癌の種類は特徴があり、女性では、20歳~30歳代にかけて乳がん、子宮頸がん、甲状腺がんが増えます。

罹患率が高いがん種
多職種による支援

3. 駒込病院AYA世代支援チームの特徴

  3-1. 多職種によるチーム支援
 3-2. 仕事と治療との両立支援
 3-3. がんと遺伝
 3-4. がん生殖医療
 3-5. AYA世代対象のオンライン交流会の定期開催

3-1. 多職種によるチーム支援

当院のAYA世代支援チームは多職種から構成されています。

AYA世代は、学生から社会人、子育て世代とライフステージが大きく変化する年代であり、就学、就労、結婚、出産、子育てと、他の世代のがん患者さんとは異なる課題があります。患者さん一人ひとりのニーズに合わせた、多職種による支援が必要とされることが、背景にあります。


多くの職種が関与することで、患者さんを多方面からサポートできる体制が整っています!

AYA支援チーム

3-2. 仕事と治療との両立支援

『慌てて仕事を辞めないで』 傷病手当金など制度の情報提供やハローワークや社会保険労務士の無料相談ができます。仕事継続や就労など治療と仕事の両立について、医療ソーシャルワーカーへお気軽にご相談ください!

患者・地域サポートセンター地図

3-3. がんと遺伝

『がんは遺伝するの?』 その疑問に遺伝子診療科がお答えします。
全がん患者さんのうち、約5%は遺伝的ながんのなりやすさが関連して、がんを発症していると言われており、これを遺伝性腫瘍と呼びます。

遺伝性腫瘍には、以下の4つの傾向があります。
 ・若い時にがんを発症する
 ・同じ人が複数回、癌を経験する
 ・珍しいがんができる
 ・家族歴がある

注:これは、あくまで傾向であり、遺伝性腫瘍でも必ず当てはまるというわけではありません。
反対に、当てはまったら必ず遺伝性腫瘍である、というわけでもありません。

若い時にがんを発症するという傾向から、AYA世代がん患者さんに占める遺伝性腫瘍の割合は多くなり、全体の約15%は遺伝的腫瘍だと言われています。遺伝性腫瘍と診断できると、今後の癌の個別化医療や治療後のがん検診などに役立つ情報が得られる場合もあります。

がんと遺伝の関係について、気になっている、話だけでも聞いてみたい、という方は
どうぞお気軽にご相談ください。

がんと遺伝

3-4. がん生殖医療

がん生殖医療は、AYA世代のがん患者さんが、将来、子どもをもつことを応援する医療です。
当院では、がん生殖医療を希望され、がん治療開始前に生殖医療を受けることが可能とされた方へ、主治医をはじめ、看護師やソーシャルワーカーがサポートを行っています。

がん生殖医療

 がん・生殖医療って何?

-がん治療により、妊孕性(にんようせい:妊娠する力)が低下したり、失われる場合があります。妊孕性を残す方法として、生殖補助医療を用いて妊孕性を温存する方法(妊孕性温存治療)があります。

 妊孕性温存治療ってどのようなことをするの?

-女性では、『卵子凍結保存』『胚(受精卵)凍結保存』『卵巣組織凍結保存』の3つの方法があります。年齢や結婚の有無などにより望ましい方法を提案されます。

-男性では、『精子凍結保存』が唯一の方法です。

 がん・生殖医療は必ず受けられるの?

 -妊孕性温存治療を受けるために、受けるべきがん治療が遅れたり、見送られることはあってはなりません。そのためにも、がん治療医としっかり相談しましょう。

 駒込病院では、がん・生殖医療に関するどのようなサポートが受けられるの?

-がん治療医から、がん・生殖医療に関する説明があった場合等に以下のサポートを行います-

※当院におかかりの患者さん、ご家族のみの対応とさせていただきます

◎がん・生殖医療に関する情報提供

◎医療ソーシャルワーカー(MSW)と連携し、費用に関する情報提供

◎がん・生殖医療に関する意思決定のサポート

◎気持ちのつらさに対して、多職種によるサポート

◎妊孕性温存治療を受ける施設についてのご相談受付

その他、「家族とどう話し合ったら良いの?」、「どうしたら良いの?」といった困り事に関してもサポートします!

3-5. AYA世代対象のオンライン交流会の定期開催

『KOMAGOME Live LIFE!』は駒込病院へ通院、または入院中のAYA世代の患者さんを対象としたオンライン交流会です。不安や悩み、体験など気軽に語り合う交流の場として、皆様のご参加をお待ちしております。
参加者からは、「仲間がいると思えた!」という声も届いています。
お気軽に、参加してみませんか?

オンライン交流会

【参加対象】 駒込病院に通院・入院中の10代から40歳程度までの患者さん
【参加費】 無料
【申込方法】 「Googleフォーム」による事前登録

Live LIVE 開催予定

4. AYA世代の患者さんに役立つ勉強会・イベント・医療情報

駒込病院のAYA世代支援チームによるイベントを随時開催しています。
2024年3月にはAYAweekイベントを開催しました!
『AYA世代がん患者さんのNeedsに応える!』をモットーとして、私たちはこれからも活動し続けます。ぜひお気軽にお問合せください。

【お問い合わせ】
 患者・地域サポートセンター こころの相談窓口
 TEL:03-3823-2101(代)
 E-mail:km_kyotenjimu-3@tmhp.jp

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5. AYA世代支援チームへのご相談・問い合わせ先

当院のAYA世代支援チームと相談する窓口は以下の通りです。

  •  ・当院受診中の患者さんの場合・・・主治医にご相談ください
  •  ・院外の患者さんの場合・・・患者・地域サポートセンター看護相談

外部リンク情報

東京都がんポータルサイト

若年がん患者等生殖機能温存治療費助成事業や、小児・AYA世代がん診療に関する市民公開講座の案内等が掲載されています
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/iryo_hoken/gan_portal/chiryou/seishoku/josei.html(外部リンク)

全国AYA支援チームネットワーク