よくある質問
Q. 再建は乳癌の再発や検診に影響はありませんか?
A. 乳房再建は癌の再発を誘発も予防もしません。乳癌検診は通常通り行っていただけます。
触診やマンモグラフィー、超音波、CTなどの検査も通常通り可能です。
しかし、再建途中で組織拡張器(金属あり)が挿入されている状態ではMRIの撮影ができません。
Q. 一次再建は乳癌の治療に影響はありませんか?
A. 一次再建が術後の治療(抗がん剤、ホルモン剤、分子標的薬、放射線治療など)の開始時期や効果に影響を及ぼすことは
ありません。再建を行わない場合と同様に、必要に応じた治療を受けていただくことができます。ただし、再建の合併症が
生じた場合は、乳癌治療を優先した対応(エキスパンダー感染時の抜去など)を行うことになります。
Q. 一次再建が手術中の病理結果で中止になることがありますか?
A. 当院では手術中の病理結果(リンパ節転移の有無)に関わらず再建手術は予定通り行います。手術後の追加治療が必要な
場合はそれによる再建の合併症が増加する可能性がありますが、治療に応じて対応していきます。
Q. 乳癌術後治療でホルモン剤を内服していますが二次再建はできますか?
A. 可能です。ホルモン剤やハーセプチンの治療は再建時期に影響しません。抗癌剤治療をされている場合は抗癌剤終了後の
手術となります。放射線照射後の場合は1年以上の期間をあけてからの手術が望まれます。
Q. 放射線照射をしていると二次再建はできませんか?
A.再建はできますが、仕上がり具合や合併症の発生率に多少影響を及ぼします。インプラントによる再建では、放射線治療の
影響で皮膚が十分拡張せずに小さなインプラントしか挿入できない可能性があります(広背筋皮弁を組み合わせることで改善
できる場合があります)。また、感染による抜去の確率も若干高くなります。自家組織による再建では、放射線の影響で変性
した胸の皮膚を切除し、腹部や背部の皮膚で置き換えることで軟らかい乳房を再建することになります。放射線照射後1年以上
経過してからの手術が理想的です。
Q. 一次再建後に放射線治療を受けることは可能ですか?
A. 可能です。一次再建を行うことで、放射線治療の効果が制限されることはありません。ただし、上記の二次再建の場合と
同様に再建の仕上がり具合や合併症に多少影響を及ぼします。また、最終的な仕上がりまで時間を要することになります。
Q. 再建した乳房は健側と同じになりますか?
A. 対称的な乳房を再建することを目標として治療を行いますが、全く同じものは出来ません。特にインプラントによる再建
では、乳房の膨らみ以外(デコルテなど)の再建はできず、軟らかさや、動きなども健側と同じにはなりません。
Q. 豊胸手術とはどう違うのですか?
A. 豊胸手術とは全く違います。乳房の軟らかさを担っている乳腺組織と皮下脂肪が切除された状態からの再建なので、
インプラントを入れれば元通りとはいきません。
Q. シリコンインプラントは永久的なものですか?
A. 現在使用しているコヒーシブシリコンインプラントは安全性の高いものではありますが、人工物である限りメンテナンスが
必要となります。定期的な検査が一生必要であり、また10年に一度の交換が推奨されています。
Q. 脂肪注入での乳房再建はできますか?
A. 駒込病院では脂肪注入のみでの乳房再建は行っていません。しかし、当院での乳房再建後の部分的な変形(鎖骨下やデコルテ
の陥没など)の治療に限って脂肪注入を行っています。自費診療となる為、費用に関しては外来でお尋ねください。
Q. 乳房再建に年齢制限はありますか?
A. 年齢制限はありません。何歳になっても乳房は女性の象徴であることに変わりがありません。ただし、全身の合併症が多く、
安全に手術が出来ない場合は適応外となります。
Q. 10年前に他院でインプラント再建をしました。入れ替えは可能ですか?
A. 可能です。挿入してあるインプラントの詳細が分かるものを持参ください。
Q. 退院後はすぐに仕事復帰が出来ますか?
A. 再建法にもよりますが、デスクワークであれば退院後早期に復帰可能です。運動や力仕事等は数週間の制限がありますが、
日常生活には支障ありません。
Q. 飛行機は乗れますか?
A. 乗れます。気圧での影響はありません。ただし、組織拡張器は内部に金属がある為、保安検査時の金属探知器に反応します。
飛行機に乗る場合は証明書を発行いたします。
Q. 乳頭温存皮下乳腺全摘出術はしていますか?
A. 当院乳腺外科では乳房全摘出術の場合は癌治療の観点から乳輪乳頭を全切除します。しかし、患者様によって癌の取り残し等
の心配がなく安全に手術可能な場合は相談の上、乳頭乳輪皮下乳腺全摘出術を行っています。