慢性硬膜下血腫について

慢性硬膜下血腫とは?

頭部外傷の1~2ヵ月後に脳を包む硬膜と脳表の間に血腫が溜まり、脳を圧迫する病気です。まれに血液異常、低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症・脳脊髄液漏出症)、悪性腫瘍などが関与することがあります。症状は数日から1~2週間単位で徐々に悪化してゆく頭痛や手足の運動麻痺・歩行障害などが一般的です。ときには急に片側の手足の脱力や言語障害を生じて、脳卒中と間違われることもあります。また、数日のうちに物忘れや今までできたことができなくなるような認知症症状や急に元気がなくなるうつ状態で発見される場合もあります。治療でよくなる可能性が高い疾患なので、早めの手当が望まれます。

画像診断

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慢性硬膜下血腫のMRI画像
血腫が脳を圧迫しています。

CTまたはMRI画像において頭蓋骨と脳実質の間に血腫が存在し、脳実質を圧迫します。

手術と他の治療法との比較

非常に薄い慢性硬膜下血腫では自然治癒することもありますが、すでに症状が出現している場合には手術によって脳の圧迫を解除することが必要です。通常、手術で症状の改善が期待できます。手術後10%程度に再発が認められるといわれています。

手術方法

穿頭血腫除去術(経皮的硬膜下穿刺・血腫除去術)

当院では経皮的硬膜下穿刺・血腫除去術という独特の手術を行います。一般的に行われる穿頭血腫除去術と比較して次のような特徴があります。

  1. 傷や痛みが非常に少ない。
  2. 局所麻酔にて手術可能で、手術時間は20分程度です。
  3. 髪の毛をほとんど剃りません(500円玉程度です)。一般的な手術では皮膚を4cm程度切開し、骨に11mm径の穴を開けますが、当院では皮膚を数ミリ程度しか傷つけません。骨に開ける穴も2.5mmと非常に小さいので、手術後のでこぼこが生じません。
  4. 手術後に管を留置しません。術後の長期安静を必要とせず入院期間が短く済みます。通常1泊2日で退院可能です。
  5. 再発率は約10%以下です。
    穿頭血腫除去術(経皮的硬膜下穿刺・血腫除去術)は安全性の高い手術ですが、ごくまれに脳実質内の出血や硬膜外血腫、感染などの合併症を生じ、症状の悪化や生命の危険を来たす場合があります(必要に応じて開頭血腫除去術などの処置を要します)。術後には定期的に検査を行い、血腫の再貯留について確認が必要です。 

手術の概要

手術の概要