脳神経内科部長 蕨 陽子
私たち都立神経病院は、脳神経内科病床が200床以上もある、世界でも有数の神経専門病院です。毎週40~50名の神経難病患者さんが入退院し、脳炎やギラン・バレー症候群で集中治療を行う患者さんも大勢います。また、診断や初期治療から呼吸器装着、リハビリテーション、在宅診療、終末期緩和ケア、病理解剖まで、神経難病のすべてを自分の目で確かめることができます。そのため神経内科専門医試験の合格率はほぼ100%です。
皆さんは、出身大学や生まれ故郷、進みたい大学院などとの兼ね合いを、いろいろと考えて研修先をお決めになることでしょう。大学に所属してしまったらその先は自由がない、とご心配の方も多いと思います。かといって、地元の一般病院では神経難病という希少疾患の患者さんを思うように診療できません。都立神経病院での後期研修は、その悩みを解決できる「第3の道」です。
まず、人気の研修施設である都立病院を基幹施設とする内科専門研修プログラムに所属できるのが、大きなメリットの一つです。また、都立神経病院には学閥はなく、勤務時間や当直業務は既定の範囲内です。さらに、病床数、専門医数、指導医数は全国最大規模ですので、格段に豊富な症例を経験できます。そして、神経生理、神経病理、放射線診断、高次機能、筋疾患、免疫性疾患などの専門家が指導にあたりますので、国際学会や論文執筆を誰もが経験できます。
後期研修を修了した後は、当院で働きながら東京都医学総合研究所で研究し、医学博士号を目指す道の他、故郷の大学院に進む先生も数多くいます。東京とは縁もゆかりもない、という方でも、後期研修の期間を当院で過ごすことは、人生の中でとても良い経験や思い出になると思います。大都会にいきなり住むのは勇気がいりますが、府中市は地方と変わらない暮らしやすさです。また当院脳神経内科の約1/3は女性医師ですので、女性の先生も心配なさらずご応募ください。
皆さんの期待を裏切らない研修ができるはずです。初期研修医の先生方はもちろん、医学生の皆さんや、東京で神経学をさらに学びたい先生方なども、どうぞお気軽に、お問い合わせ、ご見学、ご応募ください。当院での研修を心よりお待ちしております。
コース責任者 臨床研修委員長 脳神経内科部長 蕨 陽子