当院の研修プログラムの大きな特徴は、2層構造のプログラム(下図参照)である。
これは、

  1. 各診療科カリキュラム(ローテーション研修(24ターム(T))
  2. コア・カリキュラム

の2つの大きな柱から構成される。

各診療科カリキュラム

各科診療カリキュラムでは、基本的診療能力の修得のために、とことん修練をつみたい研修医のためのプログラムとなっている。初期臨床研修の理念を無視し、自由選択期間を長く確保し、早期から専門医研修に主眼を置くプログラムの対極にあるプログラムである。そのため、将来のビジョンに関わらず、研修医全員、2年間は同一のプログラムとなっている。 一方で臨床研修の2年間は将来の方向性を決定する重要な時期でもある、そのため、キャリア形成やより細分化された医療分野での研修を補完するため2年次に拡張研修プログラムとして、予備枠を設置している。
各研修診療科カリキュラムでは、「プライマリ・ケアの基本的な診療能力を身につける」を意識した一般目標、行動目標、経験目標を設定している。また全人的医療を実践できる医師を育成するため、指導医のみならず、看護師や検査技師などからも形成的評価を行っている。
常にminimum requirementの修得を意識するために、研修医の到達度を形成的に評価し研修医にフィードバックする。専門診療科研修に対する評価は、各診療科研修終了時に行う。救急外来研修に対する評価は、年2回行い、単独診療認定および研修修了認定の目安に活用している。

コア・カリキュラム

各診療科カリキュラムとは別に、2年間を通して各診療科の枠にとらわれない核となる医療の知識、技能、態度を修得するためのコア・カリキュラムを研修管理委員会で運営・管理する。
初期研修の2年間という限られた期間で効率よく基本的な臨床能力を身に付けるためには、診療科別にローテート研修するだけでは不十分である。
診療科別ローテーションに含まれない神経内科、病理科、輸血科や泌尿器科、皮膚科、耳鼻科、眼科などの領域に関連する 「経験すべき症状・病態・疾患」に該当する項目についは、コア・カリキュラムにおいてコア・セミナーなどの講習会や臨床実習を2年間通して定期的に実施している。

令和2年度ローテーション例

「内科」は(内科1(消化器)・内科2(腎/内分泌/リウマチ)・循環器・呼吸器) 28週間
「救急部門」としては(コア重点(救急外来・総合診療・画像)・整外・脳神経・麻酔) 36週間
「外科」8週間、「小児科」(都立小児病院)8週間、「産婦人科」4週間、「精神科」4週間、「地域医療」4週間、予備枠(4週間)、調整週(8週間)

2層構造のプログラム

プログラムの2つの柱
  • オリエンテーション
  • 研修医フォーラム
  • 院外研修
  • スキルスラボ
  • (CVC・麻酔)
  • 東京・ER多摩研修
  • (総合・小児)
  • ワンポイント・セミナー
  • 画像カンファ
  • 合同発表会

初期臨床研修プログラム

(注)令和6年度(第一版)