前立腺がん診断治療センターについて
『ロボット手術システム(da Vinci ダビンチ)』と『MRI-超音波融合システム前立腺生検』を導入し、放射線治療も駆使して前立腺がんの診断と治療をトータルに行っております。
前立腺がん治療の経験が豊富な医師らが、先進的ながん医療を患者さんに提供していきます。
外来診療日
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
午前のみ | 北村(陽) | 澤崎 | 交替 | 澤崎 | 北村(陽) |
【診断】
MRI-超音波融合システム前立腺生検により正確にがん組織を採取し、前立腺がんを的確に発見することが可能です。
この手法は、PSA値が高く前立腺癌が疑われる方に事前にMRI画像を撮影し、前立腺がんができている部位を確認した上で、前立腺生検時の超音波画像にソフトウェア上でMRI画像を重ね合わせた画像イメージを合成し、針を刺すべき場所を正確に教えてくれるものです。
【治療】
前立腺がんが局所にとどまっている場合には、手術、放射線治療にて根治を目指すことができます。
「前立腺がん診断治療センター」にて行う主な治療は次のようなものがあり、年齢、基礎疾患に応じて患者さんとともに最も適した治療を選んでいただけるようにしております。
①ロボット(da Vinci ダビンチ)支援下前立腺全摘術
ロボット(da Vinci ダビンチ)支援下前立腺全摘除術が現在最も多く行われている術式で、従来の腹腔鏡や開腹での前立腺全摘と比較し、切除断端陰性率や尿失禁などの改善が示されています。
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②強度変調放射線治療(IMRT)
強度変調放射線治療は、前立腺の前後に位置する膀胱や直腸に当たる放射線の線量を減らし、目的とする部位に対して高い線量を当てることのできる治療法です。治療効果を高めると同時に、排尿や排便の障害や直腸からの出血といった合併症を極力少なくすることが可能です。
③永久挿入密封小線源治療
放射線を出す小さな線源(カプセル)を前立腺内に埋め込み、前立腺の内部から放射線を照射する治療法です。線源にはヨウ素125という放射性同位元素が密封されています。埋め込む数は50個~100個程度で患者さんの前立腺体積によって異なります。埋め込む位置は、あらかじめコンピュータを用いて、尿道や直腸など他の臓器への影響が最小で治療効果が高い場所を選びます。
④薬物治療
PSAが高い場合、前立腺針生検による確定診断を施行します。MRI画像をエコーにfusionしてがん疑い領域に対して正確に生検を行えるようになりました(MRI-エコーfusion下生検)。限局癌に対してはリスク群分類に応じて、無治療経過観察、ロボット支援下前立腺全摘、放射線外照射(強度変調放射線治療:IMRT)、密封小線源治療、内分泌治療を適宜施行いたします。転移癌に対してはアパルタミド、アビラテロン、エンザルタミド、ドセタキセル療法を施行します。去勢抵抗性癌に対してもアビラテロン、エンザルタミド、ダロルタミド、ドセタキセル、カバジタキセルによる治療を施行します。ラジウム223を用いて骨転移した前立腺がんの治療を行います。癌終末期における癌疼痛緩和治療を施行いたします。BRCA変異陽性の方にはオラパリブ療法を提案します。多摩総合医療センター遺伝子診療科と連携してfoundation oneによるがん遺伝子パネル検査を施行しております。