医療の質(クオリティ・インディケーター)

医療の質(クオリティ・インディケーター)

クオリティ・インディケーター(QI)とは、医療の質を評価する目安となる指標です。
他施設との比較については、提供する医療機能・役割は施設ごとに異なるため、単純比較はできませんが、当院では、これらの客観的指標を設定・公表し、改善に向けた取組を継続的に行うことで、医療の質の向上に努めてまいります。

(注)令和2年(度)以降の実績は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けています。

医療の質改善事例 【MRI検査実績】

MRI検査実績
1.指標の目的・意義CT・MRI検査は、現在の医療では必須のものとなってきている。この中で、MRI検査は1件当たりの平均検査時間が平均20分~30分となっており、CT検査と比較して検査時間がかかる。また、夜間救急や緊急検査への対応には事前の問診や検査前の金属チェックなど、医療安全上の確認が必要なため、日頃から安全確保の体制づくりが重要である。当院では救急検査におけるMRI検査も多く、MRI検査の体制づくりの因子を改善ポイントとし、より良い検査体制を構築する指標として用いる。
2.具体的取組・毎月の検査実績を基準単位とし、改善ポイントから課題を洗い出し、対策や創意工夫を行う。
・主な改善ポイント
  検査内容の傾向分析 外来比率は83.7%(4028件/4813件)。頭頚部検査が全体の64%を占めている。
  早朝MRI枠の検査数 523件(6か月:480枠)
  昼休み時間の対応検査数と状況分析 321件(6か月:120枠)
  3階と1階のMRI検査室の検査数と検査内容の分析 1階1,492件(内訳:頭頚部70%、脊椎20%)で総数の40%
  医療連携からの検査数と状況分析 106件
(注)集計期間:2022年10月~2023年3月

医療の質改善事例 【退院時アンケート食事満足度】

退院時アンケート食事満足度
1.指標の目的・意義

栄養状態の低下は組織・臓器の機能不全を引き起こし、創傷治癒が遅延する。また、免疫能が低下して感染性合併症が発生しやすくなる。原疾患の治癒障害ないしは悪化をもたらし、さらに治療に対する反応性も低下する。それに伴い、入院期間の延長や感染症に対する抗菌薬の使用などにより医療費の増大も重要である。適切な栄養療法は、患者予後を改善し、医療費の削減をもたらす。経口摂取により十分な摂取栄養量を確保するためには、満足度の高い食事提供を継続することが重要と考える。院内で年4回実施される退院時アンケートにおける食事満足度がこれを反映する指標ととらえ、QIとして設定する。

2.具体的取組精度管理と衛生管理の行き届いた安心・安全な食事提供に努めつつ、患者アンケート結果や院内向け調査などの献立への反映、季節の食材や物日にちなんだ行事食を実施している。
・在宅療養時に体調が悪くても簡単に作れるメニューを科内で募集し、このうち16品を不調の状況別にレシピ集として完成させ、5品を実際に提供した。
・さらに、朝食メニューの改善や、新メニューの開発・提供にも取り組んでおり、体調が悪く食欲が低下している患者向けのレシピを考案して患者から好評を得た。

医療の質改善事例 【栄養サポートチーム介入件数】

栄養サポートチーム介入件数
1.指標の目的・意義栄養状態の低下は身体の組織・臓器の機能不全を引き起こし、創傷治癒が遅延する。また、免疫能が低下して感染性合併症を発生しやすくなる。原疾患の治癒障害ないしは悪化をもたらし、さらに治療に対する反応性も低下する。それに伴い、入院期間の延長や感染症に対する抗菌薬の使用などにより医療費の増大も重要である。適切な栄養療法は、患者予後を改善し、医療費の削減をもたらすことが実証されている。
栄養管理は医療における重要な課題ととらえられ、平成18年からは栄養管理の実施が、平成22年からは栄養サポートチーム加算が診療報酬に加えられている。栄養管理への意識の向上を介入延件数の推移により評価する。
2.具体的取組・検査科のAlb等、栄養指標データの抽出・整理によるスクリーニングリストを院内周知
・NST・褥瘡看護分科会による看護師のスキルアップと普及・啓発活動
・NST研修会およびNSTニュースによる職員への教育及び啓発
・褥瘡対策委員会など他チームとの連携
・算定要件を満たす医師増加のため、セミナー受講等案内
・NST委員会のメンバーを新たに補充し、回診の効率化を図る

医療の質改善事例 【入院サポートセンター対応率】

入院サポートセンター対応率
1.指標の目的・意義入院サポートセンター(入院SC)は、入院治療が決定した患者に対し、看護師が患者の抱える身体的・精神的・社会的問題を把握し、退院後の状況を想定したうえで安心して入院生活が送れるように多職種と連携してサポートしている。これにより患者は入院から退院までの流れのイメージを持つことができ、不安の軽減につながる。さらに、患者は入院前から退院後の生活を見据え、折り合いをつけながら意思決定を行うことにつながり、入院SCの果たす意義は大きい。また、入院前に患者の状況を把握し、支援が必要な患者に対して多職種が連携して早期に介入することで、地域や在宅環境への移行を安心かつ円滑にし、医療・看護の質向上につながる。入院SC対応率を上げることにより、より良い患者サービスの向上に寄与することができる。
2.具体的取組[1]2022年 入院SC定数4人のところ8人を配置。
[2]新規7件のクリニカルパスと、新たに整形外科に介入を開始。
[3]入院SCの受診を各診療科から予約できるようにシステムを変更し、予約枠を拡大した。
[4]入院SC受診の流れについて、患者向けの案内を外来で配布。周術期の歯科口腔科の受診予約を周知した。
[5]10月から入院SCに薬剤師が常駐。患者と直接面談することで、中止薬等の確認・指導を的確に行うことができている。
[6]緊急入院は421件に対応した。

【令和4年度 墨東病院】クオリティ・インディケーター(QI)一覧 

墨東QI一覧表(令和4年度)(PDF 914.7KB)

2024年5月23日 最終更新