耳鼻咽喉科
耳鼻咽喉科では難聴や耳鳴り、耳痛などの耳の症状、鼻詰まり、鼻水といった鼻の症状、喉の痛みや違和感・声がれ・嚥下障害などの咽喉頭の症状、顔面神経麻痺や頭頸部の腫瘍といった、耳・鼻・のど・頸の全般を対象とした診療を行っています。
当院では第二種高気圧酸素治療室を有していることから、当科では突発性難聴や顔面神経麻痺、頭頸部の放射線性障害や難治性骨髄炎などの難治性疾患に対し、高気圧酸素を用いた治療を導入し良好な成績を得ています。また、中耳疾患や鼻疾患の外科治療では、難易度の高い再手術症例や好酸球性副鼻腔症例などにも積極的に取り組み、効果を上げています。
さらに、嚥下障害診療は当科の大きな柱の一つです。嚥下内視鏡検査や嚥下造影検査を用いた嚥下障害の病態の専門的評価、嚥下リハビリテーション指導のほか、嚥下障害に対する外科的治療まで個々の患者さんの病態に見合った治療を提供しています。嚥下障害の患者さんに対しては、当科、リハビリテーション科、歯科口腔外科、看護師や栄養科などから構成される摂食嚥下支援センターが横断的に関与し、治療前後の包括的なアプローチを行っています。
当科では、患者様お一人お一人と全人的に向き合い、QOL(生活の質)向上を目的とした診療に努めております。みみ・はな・のどの症状でお困りの患者さんはお気軽にご相談ください。
特色
耳鼻咽喉科の対応すべき疾患全般に対して、質の高い治療の提供を行っていますが、以下に述べる当院ならではの専門的治療も行っています。
高気圧酸素治療
突発性難聴の発症2週間以内の高気圧治療は、難聴の改善に対して有効であるとのデータがあり、発症早期からの治療が有効です。当科におけるこれまでの治療成績を解析した結果、発症から1か月以上経過してから高気圧酸素治療を行っても聴力改善成績は不良であることから、当科での高気圧酸素治療は発症1ヶ月以内の方を対象としています。
また、末梢性顔面神経麻痺に対しても、発症早期にステロイドや抗ウイルス薬の投与に加え、高気圧酸素治療や麻酔科医による星状神経節ブロックを取り入れています。諸検査により回復が困難と予測される場合には、顔面神経減荷術を行うなど、集学的な治療を行っています。
頭頚部がんの放射線治療の晩期障害としての放射線性障害や骨髄炎にも高気圧酸素治療の有効性が確認されており、広く患者さんのご相談を受け入れています。
中耳疾患や副鼻腔疾患への対応
当科では、ナビゲーションシステムや内視鏡といった手術機器を有しており、指導医をはじめとした経験豊かなスタッフが、手術を担当しています。
嚥下障害診療
嚥下外来を開設し、お近くの先生からご紹介いただいた「のみこみ」に対するトラブルを抱えた患者さんの診断・治療にあたっています。また、誤嚥性肺炎などで入院し「のみこみ」の異常を呈する患者さんの機能評価や指導を、当科、リハビリテーション科、歯科口腔外科、認定看護師、栄養科などから構成される摂食嚥下支援センターで情報を共有し、包括的な観点からアプローチを行っています。
気管切開管理
気道の閉塞や排痰・吸引等の問題で気管切開孔を造設している療養中の患者さんの中には気管切開孔の管理に苦労されている方が少なくありません。こういった患者さんに対して、カニューレ選択や外科的治療によって、適切な気管切開孔管理を提供しています。