耳鼻咽喉科

特色・専門領域

耳・鼻・のどの疾患全般にわたり幅広く対応できる診療体制をとっています。保存的治療に加え、頭頸部領域の手術治療を積極的に行っています。手術症例に限らず、突発性難聴・顔面神経麻痺・メニエール病・鼻出血・急性炎症疾患など入院治療が必要な症例についても対応していますのでご相談ください。

平日午前中が一般外来で、午後に専門外来を設けています。受診は基本的に予約制ですので、事前に予約を取って来院されるようお願いいたします。

診療実績

過去3年度の疾病件数(上位5件)
平成31年度(令和元年度)平成30年度平成29年度
疾病名件数疾病名件数疾病名件数
1急性咽喉頭炎643アレルギー性鼻炎768アレルギー性鼻炎1006
2副鼻腔炎553急性咽喉頭炎644急性咽喉頭炎486
3感音難聴519めまい480めまい463
4扁桃炎508副鼻腔炎362副鼻腔炎438
5アレルギー性鼻炎479感音難聴308感音難聴277
過去3年度の手術件数(上位5件・件数ベース 外来手術を含む)
平成31年度(令和元年度)平成30年度平成29年度
術名件数術名件数術名件数
1扁桃摘出術45鼻腔粘膜焼灼術52下鼻甲介切除術60
2内視鏡下副鼻腔手術43扁桃摘出術39扁桃摘出術43
3下鼻甲介切除術42下鼻甲介切除術36内視鏡下副鼻腔手術39
4鼻腔粘膜焼灼術39内視鏡下副鼻腔手術29鼻腔粘膜焼灼術24
5鼓室チューブ挿入術15扁桃周囲膿瘍切開術17鼻中隔矯正術19

当科で治療を行なっている各疾患領域について

味覚嗅覚障害

専門外来で診療します。電気味覚検査、濾紙ディスク味覚検査、T&Tオルファクトメトリ嗅覚検査、静脈性嗅覚検査、血液検査、CT・MRI検査等を組み合わせ、正確な病態の把握に努め、患者様ひとりひとりに適した治療を行っていきます。

嗅覚リハビリテーション

リハビリイメージ
新型コロナウイルスによる味覚嗅覚の減退の訴えは記憶に新しいところですが、実は新型コロナウイルスに限らずウイルス感染後に嗅覚が低下する患者さんは意外に多く、これを「感冒後嗅覚障害」と呼びます。
当科でも平成28年から味覚嗅覚外来を開設し、こうした患者さんを診療していますが、平成31年4月からアロマオイルを使用した嗅覚リハビリテーションを行っており、嗅覚の回復が期待できます。
また感冒後よりも治りにくい原因不明の嗅覚障害、外傷後、認知症初期段階の嗅覚障害の患者さんに対しても嗅覚リハビリテーションを行っております。
詳細は味覚嗅覚外来を受審し、担当医にご相談ください。

鼻・副鼻腔疾患

アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎、鼻中隔彎曲症、副鼻腔炎(蓄膿症)等の治療を行います。アレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎に対しては、保存的加療(内服薬・点鼻薬)にも対応しますが、主に手術治療に力を入れています。レーザーによる下鼻甲介粘膜焼灼術は外来日帰り手術で行えます。より効果の高い粘膜下下鼻甲介手術も日帰り手術が可能です。また鼻中隔彎曲症に対しては全身麻酔下に鼻中隔矯正術、粘膜下下鼻甲介手術を行って鼻腔形態を改善し、長期間の症状の改善が期待できます。

副鼻腔炎に対しては保存的加療が乏しい場合や再発を繰り返す場合には、早期に鼻内内視鏡下鼻副鼻腔手術(FESS)をお勧めしています。マイクロデブリッダーや3Dナビゲーションシステムなど最新の機器を導入し、鼻の中に詰める止血材料も工夫することで、以前の副鼻腔炎手術のような痛みや腫れも少なく、1週間弱の入院で治療可能となっています。

歯が原因の歯性上顎洞炎についても、歯科口腔外科と連携し適切な治療を行っています。

口腔・咽頭疾患

慢性扁桃炎や扁桃肥大に対する扁桃摘出術を積極的に行っています。

睡眠時無呼吸症候群については無呼吸の診断や内科的治療を行う呼吸器科と連携して主に外科的治療にあたっています。状況に応じて扁桃摘出術、鼻腔形態を改善する手術治療を行うことで呼吸の通り道を確保し、いびきや無呼吸の改善をはかります。

嚥下疾患

飲み込みが悪い、すぐむせてしまう、肺炎になりやすいといった患者様を対象に専門外来を開設しています。嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査などで病態の正確な把握に努め、リハビリ、嚥下指導を行っています。また保存的加療に乏しい場合、嚥下改善手術(誤嚥防止術)を行うことがあります。

音声喉頭疾患

声の変化・異常など発声障害の診断と治療に力を入れています。非常に微細な病変も描出できるハイビジョンによる喉頭ファイバー、ストロボスコピー、NBIを使用し咽頭・喉頭の疾患を念入りに診察します。また声帯ポリープ、ポリープ様声帯、喉頭腫瘍等も外来での喉頭生検術、及び全身麻酔下喉頭微細手術を積極的に行い、早期発見、早期治療につなげています。

頭頸部疾患

耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍、甲状腺腫瘍、頸部リンパ節腫脹等の「頭頸部のできもの」に対しては手術を行い、病理組織学的診断をつけます。できるかぎり侵襲の少ない方法で行い、入院期間は1週間程度です。

「頭頸部が腫れて痛む」扁桃周囲膿瘍、頸部膿瘍等の重症感染症に対しても積極的に切開排膿術を行い、早期の改善を目指します。

小児疾患

アデノイド増殖症、扁桃肥大や滲出性中耳炎など手術が必要なお子さんを主に治療しています。当院には小児専用の病棟があり、小児科医のサポートもありますので安心して入院治療ができます。

耳疾患・めまい・顔面神経疾患

難聴、中耳炎、めまい、耳鳴りの患者様に対して、耳科学・神経耳科学領域の診療をしています。細かく耳を観察できる手術用顕微鏡、詳細な眼振観察と記録が可能な赤外線CCDカメラを用いて診察を行います。診断の難しい症例に対しては、生理検査部との連携により、電気眼振検査(ENG)や重心動揺検査を行い、さらに必要に応じて聴性誘発反応(ABR)、前提誘発筋電位(VEMP)装置、核磁気共鳴画像(MRI)装置により精密検査を行います。

耳が原因となる末梢性めまい以外にも、中枢神経系が原因のめまい、血圧障害によるめまい、頸椎の異常によるめまいなどがあるため、それらの可能性も含めて精査、診断し、場合によっては他科との連携により適切な治療を行っていきます。

急激に発症する難聴である突発性難聴に対しては、入院の上、ステロイド点滴治療により高い効果をあげています。また、病態にあわせてプロスタグランディンやデフィブラーゼといった循環改善薬を投与します。

顔が動かなくなる顔面神経麻痺に対しては、病状の重さに応じて、外来もしくは入院でステロイド、抗ウイルス薬等の投与を行います。誘発筋電図検査(ENoG)である程度の予後判定が可能です。

補聴器について

補聴器外来を行っています。最近の補聴器の進歩はめざましく、うるさいハウリングを押さえ、雑音を抑制できるようになっています。補聴器適合検査を行っております。

専門外来について

月曜日火曜日午後に味覚嗅覚外来、水曜日午後に嚥下外来、木曜日金曜日午後に補聴器外来をそれぞれ行っています。全て直接予約可能となっております。詳細はお問い合わせください。

関連リンク

専門外来のご案内

主な医療設備

(外来)耳鼻咽喉科診療ユニット 2 台、顕微鏡3台、鼓膜写真撮影装置、聴力検査装置 ( 純音・語音、自記オージオ、幼児聴力検査、方向感検査 ) 、インピーダンスオージオメーター(ティンパノメトリー、耳小骨筋反射 など)、補聴器適合検査装置、 ABR(聴性脳幹反応検査)・VEMP(前庭誘発筋電位)、 電気眼振検査装置、重心動揺計、眼振観察赤外線CCDカメラ、 T & T 基準嗅覚検査装置、電気味覚計、基準味覚検査、電子スコープ、NBI、ストロボスコープ、音響分析装置、高周波コアギュレーター、C02レーザー装置、鼻咽喉ファイバースコープ ( 手術室 ) 、喉頭微細手術器械、鼻・副鼻腔内視鏡手術用器械、食道鏡、その他耳鼻科一般手術器械

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耳鼻咽喉科の外来担当表はこちらをご覧ください。

最終更新日:2022年4月21日