- 概要
- 総合救急診療科 スタッフ
特色・専門領域
2003年に「東京ER・広尾」の開設に伴って「救急診療科」が新設されました。その後、救命救急センターとともに新たな組織「総合救急診療科」として運用されています。 総合救急診療科は特定の専門領域に偏らず、広く様々な疾患の軽症から重症な患者に対応しております。
東京ER・広尾
「東京ER・広尾」では24時間365日の都民の安心・安全を提供すべく診療体制を敷いています。地域の医療機関からご紹介いただく患者様で、診療科を特定できない患者様や、特定の診療科のみでは対応できない患者様への初期診療と必要な専門診療科への引継ぎを行います。救急車で来院された患者様においても同様です。
また、より重症であった場合は、併設する救命救急センター医師や関連する専門各科、患者支援センターと協力しながら、初期診療から集中治療管理、その後の退院支援まで行います。
夜間・休日の当直時間帯であっても、専任の内科系・外科系・小児科の計3名の当直医師により、それぞれの分野の初期と二次救急患者の初療を担当しています。また、重症であった場合には、救命救急センターの医師2名も加わり対応することが可能です。
さらに、11専門系列の当直医師のバックアップのもと高い医療水準を提供できるように運営されています。
島しょ医療
東京都立広尾病院では救急医療の提供のほかに、基幹事業として島しょ医療を掲げ、東京都に属する島しょ地域の患者様に対して、高い水準の医療を提供できるように取り組んでいます。地域医療機関の医師との画像伝送システムを用いた情報交換や専門領域の診療について情報交換をおこない診療支援を行っています。
重症な患者様については、東京消防庁や海上自衛隊の協力を得てヘリコプターや航空機搬送を行っています。そのおよそ9割の受け入れ先として当科が担っています。また、機上での医療提供のため添乗医を派遣しています。
災害医療
加えて別の基幹事業として災害医療があります。当院は基幹災害医療センターとして災害対応の教育業務を担っているほか、災害拠点病院に指定されています。
平時は東京DMAT指定病院として、東京消防庁と連携しDMATを派遣しています。DMATは事故などにより受傷された患者様へ病院搬送前から医療提供を行っています。
そのほか、都内の大規模な地震災害においては災害拠点病院として重症者を受けれます。当院は、区西南部二次医療圏の災害医療の中心を担う医療対策拠点に指定されており、災害時には地域をリードする活動が期待されています。
そして、国内の他地域の大規模災害時にも医療救護班を編成し派遣する体制となっています。当科は災害発生時にはこれらの任務の中心的役割を担っています。さらに化学災害や放射線災害といった特殊な災害にも対応できるよう訓練を行っています。
主な医療設備
東京ER・広尾
- ICU20床
- 救急専用レントゲン撮影室(320列CT,一般撮影)
- 最大2名同時に対応可能な重症処置室(うち1ベッドは麻酔器と無影灯を配置し緊急手術対応も可能)
- 消化器内視鏡
- 呼吸器内視鏡
- 血液透析装置
- ECMO(Extracorporeal membrane oxygenation)
- 超音波装置
- 血管造影室
島しょ医療支援
- 動画通信も可能な画像伝送システム
- 夜間も運用できる屋上ヘリポート
災害時対応
- 除染テント
- レベルC化学防護服
- 放射線災害や感染症の拡大に対するタイベック防護服
- 放射線検知装置
教育
研修内容・研修の理念
当科では研修指定病院として、初期研修医の救急研修を担っています。また総合診療専門研修の基幹施設として、後期研修を担っています。
- 特定の臓器や疾患に限定せず、同時に複数の問題に対して総合的に診療できる医師。
- 慢性期疾患の管理や心理社会的な問題への介入のみならず、重症患者の初期対応や専門診療科につなぐまで短期的にICU管理までも行える医師。
- 地域自治体、保健、福祉と連携した活動において、医療専門職としてのリーダーシップを発揮できる医師。
この姿こそ、社会から求められる総合診療医像そのものであると考えています。
当科では、このような総合診療医を養成し、都民の皆様の保健に貢献するとともに、その先に診療所、中小病院、離島医療機関で中心的に活動できる医師、災害救護活動や国際医療協力活動に貢献できることを使命とした医師を養成していくことをこの研修の理念としています。
研修風景
後期研修医の募集について
詳細は以下リンクよりご確認ください。
研究
当科は学会発表や論文・雑誌執筆についても重要な活動と位置付けています。新たな知見を世に発信しています。
最終更新日:2021年4月1日