検索

2024年11月22日 大腸外科でダビンチSPを用いて手術を実施しました

大腸外科でダビンチSPを用いて手術を実施しました

更新日:2024年12月

 2024年11月22日大腸外科において、ダビンチSPを用いた手術としては当科の1症例目となる、ロボット支援腹腔鏡下直腸癌手術(高位前方切除)を実施しました。従来のダビンチXiを用いた直腸癌手術ではポートと呼ばれる器具を挿入する穴を腹部に5~6箇所あけて行いますが、ダビンチSPを用いた手術では2箇所の穴ですむのが特徴です。術後の痛みが少なく経過も良好で、術後3日目に食事を開始、術後10日目に退院されています。

 執刀医からのメッセージ

大腸外科 部長 川合 一茂
 大腸は肛門に近い部位の「直腸」とそれ以外の「結腸」に分類されます。当院では2017年から直腸癌に対して、2022年から結腸癌に対してダビンチXiを用いたロボット手術を開始し、蓄積したノウハウを基に現在では大腸癌手術の約半分を手術支援ロボットを用いて行っています。手術支援ロボットはおなかの中を3Dで観察できること、アームに関節がついており精密な手術操作ができること、術者が手ぶれをしても自動で補正してくれる機能があることなどから、これを用いた手術では従来の腹腔鏡手術に比べより精密に手術が行えるとされています。
 今回導入されたダビンチSPでは1箇所のポートから1本のカメラと3本のアームが腹腔内に挿入されます。これによりこれまで5箇所必要だったポートのうちの4つを1つにまとめることができ、ポートの数を2箇所にまで減らせるようになりました。3Dの視野や精密な操作などの従来のダビンチ手術の利点はそのままに、術後の痛みが少なく手術痕も目立たない手術が可能となります。
 もちろん従来のダビンチXiを用いた手術も非常に良い治療ですし、腹腔鏡手術や昔ながらの開腹手術の方が良い場合もまだまだあります。大腸外科では個々の癌の位置や進行度、患者さんの状態などに応じてこれらの手術の使い分けを行っていますが、従来の手術に加えダビンチSPを用いた手術という新しい選択肢が増えたことで、さらに治療の幅が広がると期待されます。