放射線科(治療部) - 安全への取り組み

日々の治療を安心して受けていただくために

放射線物理室の取り組み
看護部の取り組み

放射線物理室の取り組み

測定機器を用いた放射線量の確認

当科では放射線治療を受ける患者さんに対して様々な方法で放射線量の確認を行っております。患者さんに照射する放射線の方向や放射線量は全てコンピュータによって計算されますが、実際に照射を行う放射線治療装置が計算通りに動作するかを確認する必要があります。特に、強度変調放射線治療(IMRT)や追尾放射線治療のように高度な照射技術を用いる治療の場合は、人体を模擬した測定器に各患者の治療時と同じ条件の放射線を照射することで放射線量の確認をおこないます。

測定後、コンピュータが計算した放射線量と実際に測定した放射線量との相違が許容範囲(注1)内におさまっている領域を計測します。この領域が放射線治療する領域の90%以上であることが正確に放射線を照射する上での合格ラインとなります。
このような確認作業は放射線治療を行うために必要なCT撮影(注2)から治療が開始されるまでの間に行われます。

(注1)当科では同じ位置におけるコンピュータが計算した放射線量と実際に測定した放射線量との相違が±3%以内であること、または照射位置のズレが3 mm以内であることを許容範囲としています。
(注2)このCT画像をコンピュータに取り込んで放射線の方向を決定したり、放射線量の計算を行います。

定期的な放射線治療装置品質管理日

当科では、患者さんの照射業務の合間や業務前後に、必ず放射線治療装置の精度管理を行っております。更に、年に2、3回は、治療装置の精度を確認する日を設け、診療放射線技師、医学物理士によって治療装置の状態を1日かけてチェックするため、放射線治療がお休みになります。定期的な品質管理の実施は米国および国内の学会で推奨されておりますが、その項目は多岐にわたります。具体的には治療装置を構成する一つ一つの機器の機械的動作の確認、放射線量が正しく出力されているかの測定、また非常時に安全装置が正しく動作するかの確認も行います。それぞれの項目には合格基準が定められており、いずれの項目も基準内におさまっていることを記録に残しています。

放射線治療品質管理委員会の開催

当科では月に1度、放射線治療品質管理委員会という会議も開催しています。この会議では放射線治療に関わる全てのスタッフ(医師、診療放射線技師、看護師、医学物理士)が参加し、その月に生じたヒヤリ・ハット事例を報告します。ヒヤリ・ハットとは、場合によっては医療事故に直結したかもしれない行為をあらわす言葉であり、それらの行為に「ヒヤリ」としたり、「ハッ」としたりすることから名付けられたものです。同会議での話し合いを通してヒヤリ・ハットの再発防止に取り組んでいます。

看護部の取り組み

毎日の診察

当院の放射線治療では、外来治療を受ける患者さんを対象に看護師による治療前の問診を行っています。
・体調の変化を観察します
・副作用を予防、軽減するための日常生活の過ごし方など確認します
・不安など心理的サポートを行います
体調に応じて放射線治療担当医へ報告し、必要な場合は診察を行います。

看護外来

当院は放射線治療部にがん看護専門看護師とがん放射線療法看護認定看護師がいます。
放射線治療についての看護外来も行っています。

☆看護外来(放射線看護)で対応できる相談内容

  • 放射線治療について
  • 放射線治療の副作用について
  • 治療中の日常生活について
  • 放射線治療に対する不安、疑問について
  • 副作用を予防するための日常生活について
  • 治療と家庭や仕事の両立について
  • 放射線治療の費用について
  • 晩期有害事象についての日常生活の相談