目次
特徴
当院は東京都より総合周産期母子医療センターに指定されております。安心・安全な医療提供はもちろんですが、総合周産期母子医療センターとしてハイリスク妊娠・出産に対し、高度な医療提供も行っております。また、専門資格を有している医師も多く在籍し、様々な専門外来を設置しています。里帰り分娩・セミオープンシステムを導入しており、特段リスクのない方の分娩も行っております。常時複数の産婦人科医が勤務しており、帝王切開後の経腟分娩(TOLAC)や双胎経腟分娩などの対応も行っています。改修工事を終え、分娩室、病棟、外来が新しくなりました。また、無痛分娩も行っており、早期母子接触(カンガルーケア)や早期授乳も可能な限り行っています。
総合周産期母子医療センター
当院は東京都より総合周産期母子医療センターに指定されております。都内で指定されているのは14施設のみです。総合周産期母子医療センターとは母体・胎児集中治療室(MFICU)、新生児集中治療管理室(NICU)を備えた医療機関のことです。24時間母体・新生児搬送受入体制を備え、母体の救命救急、ハイリスク妊娠・合併症妊娠への対応を行っています。
ハイリスク妊娠・合併症妊娠
ご病気を抱えながらの妊娠や妊娠後見つかったご病気など様々なハイリスク妊娠・合併症妊娠に対応しています。妊娠初期からはもちろんですが、妊娠の途中や分娩後に合併症が起きた場合も対応いたします。胎児のご病気にも対応いたします。当院では複数の専門科が協力して妊娠中から産後まで安心・安全な医療提供を行っています。
また、各科で専門外来を設けています。下記リンクもご参照ください。
膠原病母性外来
母性内科(糖代謝異常)
当院は母性内科学会会員が多数在籍し、専門的に診療にあたっています。母性内科学会HP(外部リンク)で母性内科外来を開設している施設として紹介されています。
主な疾患例(下記以外の疾患にも対応しています)
<妊娠前からあるご病気>
子宮筋腫、卵巣嚢腫、高血圧、糖尿病、喘息、SLE、シェーングレン症候群、B型肝炎、C型肝炎、HIV、精神疾患、脳腫瘍、てんかん、悪性腫瘍
<妊娠中に分かったご病気>
切迫早産、切迫流産、妊娠高血圧症候群、子宮内胎児発育遅延、多胎妊娠(双子、三つ子など)、妊娠糖尿病、前置胎盤・低置胎盤、常位胎盤早期剥離、トキソプラズマ感染、胎児異常(臍帯ヘルニア、水頭症、口唇口蓋裂など)
<産後合併症>
産後出血、産後感染症
『当院でお産をされる方へ』パンフレット
★皆様の妊娠 分娩 産褥が安全に経過でき、安心して育児ができることを願って、パンフレットを作成しています。内容は妊娠 分娩 産褥の経過別になっています。
このパンフレットをよくお読みになり、受診をお願いします。
ご不明な点などございましたら、医師 助産師 看護師など病院スタッフへお問い合わせください。
予約について
初診予約
当院で分娩をご希望される方(里帰り分娩、セミオープンシステム希望の方も含む)は妊娠が判明後、近隣で紹介状を作成して頂き当院初診を取ってください。妊娠8~15週頃に当科初診をお勧めします。遅くとも妊娠22週までに当院初診をお願いいたします。
当院で里帰り分娩ご希望の方も22週までに一度受診をお願いいたします。
ご予約方法は電話またはWEB(下記のバナーからアクセスできます)となります。
予約専門番号 03-3941-5489
電話受付時間 平日:9時~17時 土曜日:9時~12時半
妊娠22週以降に初診となられる方は、まずはお近くの医療機関にご相談下さい。
問診表
ご記入の上ご持参いただきますと、待ち時間短縮につながりますので是非ご利用ください。当日外来にもご用意しています。
1・産科用(日本語)(PDF 365.9KB)
2・産科用(ENGLISH)(PDF 415KB)
再診や専門外来のご予約
予約専門番号 03-3941-5489
電話受付時間 平日:9時~17時 土曜日:9時~12時半
主な産科専門外来についてはこちらをご覧ください。
救急受診をご希望の方
救急受診をご希望の方はご連絡の上受診をお願いいたします。「救急受診希望」とお伝えください。
代表番号 03-3941-3211
電話受付時間 年中無休
費用について
分娩にかかる費用については下記のとおりです。(あくまで目安となります。料金は予告なく変更となる可能性がございます。)
外来受診時:初診
〇東京都の健診票を使用した場合
妊婦健診票初診時用を使用した場合:約1万8千円程度
妊婦健診票2回目を使用した場合:検査の内容によって異なります
〇健診票を使用しない場合
3万円程度
〇東京都以外の場合
健診票により費用が異なります。
外来受診時:再診
妊婦健診票を使用しても、健診内容により費用が別途かかります。
分娩費用
〇正常分娩(1児出産、6日入院の場合)(自費)45~55万円程度 *双子は75~85万円程度
〇帝王切開(1児出産、9日入院、平日昼間手術の場合)(保険適用3割)40~50万円程度 *双子は65~75万円程度
*費用は分娩した時間帯、薬の量や種類、その他さまざまな医療行為によって発生した費用の会計ですのでお一人お一人異なります。
入院のお部屋
〇大部屋のお部屋代はございません。
〇個室は1日12,730円(非課税)です。洗面台・テレビ(無料)・冷蔵庫付床頭台(無料)・ソファー・テーブル・ロッカーが設置されています。
産科医療補償制度
当院は産科医療補償制度の加入機関です。当院で分娩される方は本制度にご理解いただき、ご登録をお願いいたします。なお、費用は分娩費に含まれております。
産科医療補償制度について(PDF 606.9KB)
【参考】産科医療補償制度(PDF 1.2MB)
当院では自然分娩を基本としています。分娩台でのお産となります。医学的な適応に基づかない、ご希望での誘発や帝王切開は行っておりません。
特殊な分娩対応
下記のような特殊な分娩にも対応しております。こちらはご希望の有無と医学的な判断で分娩可否を決定いたします。緊急帝王切開に切り替わるリスクがございます。ご希望がない方は予定の帝王切開となります。
帝王切開後経腟分娩(TOLAC) | 過去に帝王切開が1回までの方が対象となります。前回の手術記録や今回の妊娠経過等を総合的に判断し、妊娠35週頃に経腟分娩可能か判断いたします。 |
---|---|
双胎経腟分娩 | 児の大きさや胎位等で経腟分娩可否を判断いたします。三つ子以上の方は帝王切開となります。 |
骨盤位 | いわゆる逆子の赤ちゃんです。様々なリスクがあることから一般的には帝王切開が選択されることが多いですが、経腟分娩の強いご希望があれば、ご相談の上分娩方法を決めていきます。 |
無痛分娩をご希望の方へ
- 無痛分娩にはメリットもある一方でさまざまなリスクもございます。
無痛分娩をご希望の方は以下の内容をよくお読みになりご受診ください。 - 詳しくは当院無痛分娩の説明書をお読みください。
1 当院での無痛分娩について
大塚病院の無痛分娩(麻酔による産痛緩和)は、産婦人科医、麻酔科医、助産師が協力し、無痛分娩をご希望される産婦さんに安全に麻酔を提供できる体制を構築しています。
総合周産期母子医療センターで無痛分娩を行うメリットとして、一番には無痛分娩中の母体や赤ちゃんの急変に対して各科(産婦人科、麻酔科、新生児科)が協力して速やかに対応できる体制を整えていることがあります。また、重篤な妊娠合併症のある患者さんに対しても、各科が協力することでより安全に無痛分娩を提供することができます。無痛分娩では様々な合併症が起きることも想定しておく必要があり、実際に医療事故につながった事例も報告されています。安全な医療提供体制は私たちが最も重要と考えている点です。
※注意事項
- 安全に麻酔および分娩管理を行うために、無痛分娩は日中の計画分娩とさせていただきます。そのため、夜間休日に陣痛が発来したり進行した場合には麻酔の提供はできません。
- 現状では経産婦さんのみを対象としております。
- 週に3人までの対応となり、予約枠に限りがあります。
2 無痛分娩の方法
当院では、硬膜外麻酔(時に脊椎麻酔を併用)という麻酔方法を用いて無痛分娩を行います。硬膜外麻酔とは硬膜外腔という神経が集まる場所の近くに麻酔薬を投与することで痛みを和らげる麻酔方法で、出産の痛みを和らげるのに最も効果的な方法といわれています。また、お母さんと赤ちゃんにとっても影響が少ないのが特徴です。
なお、詳しい麻酔の内容については麻酔科受診時に麻酔科医師から説明を行う予定です。
3 無痛分娩のメリット
麻酔を併用してお産に伴う痛みを緩和することで、産婦さんはリラックスして分娩に臨むことができ、産後の回復も早いことが予想され、その分、赤ちゃんに割く時間や心のゆとりを持つことができます。また、妊娠高血圧症候群や心臓の持病がある方には血圧の変動を少なくし心血管系への負担を軽減するメリットも考えられます。
ただし、痛みの感じ方は個人や分娩の進行度合いによって異なるため、痛みが完全になくなるわけではありません。イメージとしては、産痛を3割程度にすると考えていただくと良いでしょう。
4 無痛分娩による影響
①お産への影響
麻酔の影響で陣痛が通常より弱くなり、娩出力が不足することがあります。帝王切開率は上昇しないとされていますが、吸引分娩や鉗子分娩など器械分娩の頻度が増えるとされています。
できる限り皆様の無痛の希望にお応えできるよう、誘発剤の使用は多くの場合必須であり、その他にも分娩が進むよう様々な産科的介入を行ってお手伝いすることが必要となります。これらの介入を行うことにより自然分娩とは異なるリスクが伴います。
また、麻酔を導入した直後に赤ちゃんの心拍数の低下がまれに起きることがあります。通常一過性で酸素投与や体位変換で回復し、その後の分娩経過に影響はないことが多いです。万が一、赤ちゃんの心拍の回復が見られない場合は緊急帝王切開が必要となることがあります。
②赤ちゃんへの影響
赤ちゃんには直接的に麻酔による悪影響はありませんが、無痛分娩の経過中に赤ちゃんが具合が悪い兆候が見られれば通常の分娩と同じように、帝王切開や器械分娩が必要となります。
③お母さんへの影響
麻酔に伴う合併症として、まれに、高位脊椎麻酔、局所麻酔薬が血管内に入ることによる中毒症状、麻酔薬へのアナフィラキシーショック、穿刺部位からの出血や感染、神経損傷などが報告されています。大塚病院ではこれらのお母さんの重篤な合併症に対応できるよう準備を整えて麻酔を提供します。
※JALA(無痛分娩関係学会・団体連絡協議会)への施設登録内容は以下のとおりです。
予約方法・費用について
1 予約方法(無痛分娩までの流れ)
無痛分娩をご希望される方は、産科外来の担当医へお申し出ください。無痛分娩の枠は限られているため、予定日を確認して予約をお取りします。
36週までに産科担当医が無痛分娩についての詳しいご説明を差し上げます。その後、麻酔科の無痛分娩外来を受診していただき、リスク等を考慮したうえで最終的に無痛分娩を行うか決定していただきます。予定日近くになりましたら、担当医が内診をして子宮頸管の所見を見ながら実際の無痛分娩の日を決めていきます。無痛分娩予定日の前日にご入院いただき、子宮頸管を開く処置を行って準備を行い、無痛分娩の当日を迎えます。
2 費用
無痛分娩は保険診療範囲外のため自費診療で、以下のような費用がかかります。
- 無痛分娩の費用(麻酔薬等を含みます):100,000円
- 無痛分娩に必要な検査(血液検査、心電図、レントゲン):13,100円~
- 麻酔科受診:780円~
- その他誘発分娩に関わる費用:数千円~数万円(分娩までにかかる日数と使用した材料によって変動します。)
- ページトップへ戻る
当院ではハイリスク妊娠・合併症妊娠の方も多いため、曜日固定の健診で同じ医師が担当いたします(医師の転勤や緊急手術等で変更になることはあります)。同じ医師が担当する事で、妊娠経過で些細な異常を見つけやすくなることや、患者さんにとっても同じ医師が担当することによる安心感などのメリットがあります。
当院の妊婦健診は平日月~金曜日です。夜間・休日の妊婦健診は行っていません。
当院はセミオープンシステム(大塚モデル)を採用しており、特段リスクがない方は近隣で妊婦健診を受けて頂き、分娩近くになったら当科で健診再開するシステムを採用しています。医師から案内があった方はセミオープンシステムをご利用いただくようお願いいたします。
妊婦健診先の指定はしていませんのでご自身で健診先を決めていただきます。
セミオープンシステム(大塚モデル)で健診中の方で、夜間・休日の急変などは当院で診療いたしますのでご安心ください。
当院の妊婦健診例
妊娠10週頃 | 初期検査(頸癌検査、膣培養、クラミジア、血液検査) |
---|---|
妊娠24-28週頃 | 中期検査(血液検査、妊娠糖尿病スクリーニング) |
妊娠35-36週頃 | 後期検査(B群溶連菌検査、血液検査) |
妊娠37週、妊娠40週頃 | NST(ノンストレステスト) |
産後1か月健診 | 産後1か月頃診察を行い終診 |
*経腟超音波、経腹超音波、各種検査は各健診ごと担当医が判断します。
*胎児スクリーニング超音波は妊娠20週頃と30週頃行います。
*他院で検査され結果をお持ちの方も、一部の項目につきましては再度当院で検査する可能性がございます。
妊婦健診間隔
初診~妊娠24週頃 | 健診間隔4週間ごと |
---|---|
妊娠24週頃~妊娠37週頃 | 健診間隔2週間ごと |
妊娠37週~ | 健診間隔1週間ごと |
*健診間隔はあくまで目安のため病状により間隔が短くなる可能性がございます。
助産師外来については助産師外来のページをご覧ください。
保健指導
助産師による保健指導を妊娠初期・中期・後期の時に行います。
妊娠初期 | 母子健康手帳の活用法(入院費用)・出産準備クラスのご案内と予約・妊娠初期の諸症状と対処法 |
---|---|
妊娠中期 | 妊娠中の食生活・歯の衛生・早産の予防・入院に必要な物品・諸症状と対処法 |
妊娠後期 | 乳頭の手入れ方法・入院の申し込み方法の確認(分娩経過と)入院の時期・入院時必要物品の確認 |
セミオープンシステムとは、妊婦健診はご自宅や職場近くのクリニックで受けていただき、妊娠後期の妊婦健診や分娩管理は大塚病院で行うシステムです。
妊婦さんの生活スタイルに合わせ、お仕事帰りや休日にお近くのクリニックで妊婦健診を受けることができます。クリニックがお休みの日や夜間などに起きた緊急時はもちろん当院で対応いたします。
当院は現在47の医療機関と連携しておりますが、里帰り出産などもございますので、連携外のクリニックでの妊婦健診も可能です。
主な外来をご紹介いたします。その他合併症等をお持ちの方(糖尿病や高血圧など)は各診療科のご予約枠となるため下記には記載がございません。
妊婦健診
日時:月曜日~金曜日
妊婦健診は曜日固定性となります。
助産師外来
日時:月曜日~金曜日
当院で分娩予定の方は、妊娠初期・中期・後期の時に助産師から保健指導がございます。それ以外の必要時もご予約可能です。育児練習や妊娠中の過ごし方など相談可能です。
胎児スクリーニング外来
日時:金曜日午後
セミオープンシステム(大塚モデル)で妊婦健診されている方が対象となります。超音波で胎児の精査を行います。当院で健診中の方は通常の妊婦健診時に行っていますので対象外となります。
胎児精査外来
日時:金曜日午後
当院で分娩の方はもちろんですが、他院で分娩予定の方で、胎児の異常が疑われる方を診察いたします。超音波専門医またはそれに準ずる医師が診察いたします。他院分娩予定で、当院の胎児精査外来を受診ご希望の方は、かかりつけ医療機関から、当院医療連携室にお電話をお願いいたします。
胎児心臓精査外来
日時:第一・第三木曜日午後
循環器専門医が診察いたします。
出生前診断相談外来
日時:月曜日、木曜日午後
遺伝専門医が対応いたします。ご夫婦での受診をお願いしています。一般的な出生前検査の内容をご案内し、ご夫婦の意向を伺います。当院ではNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)、羊水検査を行っており、その他の検査をご希望の際は他施設をご案内いたします。検査をご希望される場合は赤ちゃんのお母様、お父様お二人で出生前相談外来を受けて頂く必要がございます。
NIPTをご希望の方は8~11週頃の初診をおすすめします。
甲状腺内科
日時:第二金曜日午後
甲状腺専門医が対応いたします。当科では駒込にございます甲状腺専門病院の金地病院から専門医師が診察に来院されます。
母乳育児・相談外来
日時:月曜日、水曜日、木曜日
乳房トラブルや育児の不安等の相談など対応いたします。