小児総合医療センターの医療安全
子どもの命を守るための医療は、安全な医療を提供しようとするスタッフの努力と、その努力に対する利用者の皆さんの信頼感の上に成り立ちます。ですから私たちは子どもたちに対する医療技術に磨きをかけるだけでなく、どうしたら安心して医療を受けていただけるかを常に優先して考え、医療上の事故を未然に防ぐ方法を利用者と一緒に作り上げていかなくてはならない、これが私たちの医療安全に対する基本的な考え方です。
人は時としてミスを犯すものです。医療者とて例外ではありません。しかしそのことは医療事故の言い訳には決してなりません。そこで私たちは次のようなシステムによって、人の手による医療が、最もミスの起こりにくいものになるための努力をしています。
医療安全管理指針をご覧になりたい方は、下記をクリックしてください。
医療安全管理指針(PDF:130KB)(PDF 133.3KB)
医療安全のための院内組織
病院の医療安全を総合的に進める医療安全対策推進委員会が定期的に開催されて安全対策の舵取りをしているだけでなく、医療安全対策室が設けられていて、専従リスクマネージャーが常に安全の見守り役をしています。
また院内の各科(課)に1人ずつのリスクマネージャーが任命されていて、より現場の業務に即した安全への配慮を実現するために、協力して対策にあたっています。
情報を収集するシステム
業務上で生じた小さなミスを大きな事故の予防につなげるために、事故(アクシデント)未満の小さな事象(インシデント)をできるだけ多く集積して分析し、起こりがちなミス、システム上の不備、設備上の問題などを割り出して、いち早く対策を講じることで大きな事故が起こらないように努めています。
また、利用者の皆さんの声もできるだけ多くの方法でうかがい、専門の委員会を通じて改善すべき点の検討をしています。
安全のためのマニュアルづくり
この病院の医療安全の基準はマニュアルの形でまとめられていて、すべてのスタッフがこのマニュアルに沿って自分たちの医療行為をチェックすることで、高い安全基準が維持されるように工夫されています。
マニュアルは必要に応じて順次部分的に更新され、常に最新の情報と医療技術水準での安全対策にアクセスできるようになっています。
医療安全研修
医療安全に対する基本的な考え方、事例から学ぶ医療安全対策、その道の専門家が語る医療安全情報などの研修がスタッフのために企画されていて、様々な形で医療安全に対する意識をリフレッシュできるようになっています。
医療事故対応
それでももし医療事故が起こってしまった場合には、医療安全対策室を通じていち早く情報を収集して状況を多角的に把握し、病院としての対策を決めた上で、責任を持ってご家族に判明しているすべての情報をご提供します。
また、当然のことですが同様の事故が二度と起こらないために、調査会を組織して事故の原因を多角的に検討し、病院としての安全対策に取り入れていくことにしています。
医療安全のための入院されている方 ご家族へのお願い
医療の安全を推進していくためには、医療者だけではなく、入院されている方やご家族のご協力が必要です。
特に、患者誤認防止については診察・処置・内服・食事等の様々場面でお名前の確認をさせていただくことも多くあると存じますが、ぜひご協力のほどよろしくお願いいたします。
- お名前を入院されている方、ご家族に名乗っていただきます。
- 名前が書いてある内服のおくすりや点滴のラベルなどを入院されている方、ご家族が確認をします。
- 入院されている方が付けているリストバンド(ネームバンド)、パソコンの画面、点滴や内服のくすりなどに書いてある名前を指で差し声にだして読み上げます。
- 点滴・輸血に関しては、リストバンドについているバーコードと照合し間違いが無いことを確認します。
- 入院されている方の状況によりお名前を名乗れない場合は、リストバンドとベッドネームなど2つ以上の情報で照合します。