循環器科部長 前田 潤
診療内容
先天性心疾患を中心に、不整脈、心筋症、肺高血圧、川崎病など小児循環器疾患全般を幅広く診療しています。日本小児循環器学会の専門医修練施設、日本成人先天性心疾患学会の専門医連携修練施設、日本心エコー図学会の専門医研修施設、日本胎児心臓病学会の胎児超音波専門施設に認定されています。
先天性心疾患では、心房中隔欠損、動脈管開存、肺動脈弁狭窄、大動脈弁狭窄、種々の術後病変などに対して心臓カテーテル治療(インターベンション)を積極的に行っています。心臓血管外科の手術症例数も豊富で良好な成績です。
当院は総合的な小児病院として、すべての小児疾患をカバーできる広い専門性があり、重症例、多臓器合併症例、種々の症候群などに関連各科と協力したチーム医療を行っています。また、成人施設(多摩総合医療センター)に隣接した小児病院という特長を生かし、胎児例、新生児例、成人例などにも適切に対応できます。
先天性心疾患の出生前診断を多摩総合医療センター産婦人科と提携して積極的に行い、妊娠中から分娩まで母体および胎児の適切な管理に努め、新生児科、産婦人科のスタッフと共に、より良い周産期医療を目指しております。
川崎病の急性期診療は主に総合診療科で対応しますが、冠動脈病変合併例は循環器科で診療を行っています。
「日本小児循環器学会川崎病急性期治療のガイドライン(2020年改訂版)(外部リンク)」に則り、ランダム化比較試験(RAISE Study)(外部リンク)でも有効性が明らかになったステロイド併用療法を導入しています。冠動脈瘤を生じた例も、虚血性心疾患の合併を減らすように適切に管理しています。
循環器科外来 | 月曜の午前・午後、火曜の午前・午後、木曜の午前・午後、金曜の午前に行っています。 セカンドオピニオン外来は第4木曜日午後に行っています。 その他の特殊外来は以下の通りです。 |
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ペースメーカー外来 | 最終週金曜の午前に行っています。 |
胎児心エコー外来 | 火曜と金曜に多摩総合医療センター産婦人科外来で行っています。 (注)ご紹介元の産科の先生から、東京都立多摩総合医療センター産科ハイリスク初診外来か胎児超音波外来を予約いただいた後、産科で調整いたします。 |
成人先天性心疾患・川崎病外来 | 第4火曜の午後、第3木曜の午前、第1・3土曜の午前に多摩総合医療センター循環器内科外来で行っています。 (注)多摩総合医療センター予約方法のご案内にご連絡ください。 |
こんな症状のお子さんが対象です
●他の医療機関で心疾患と診断されている場合は、予約をとって受診してください。
(受診のご案内)
●心疾患と診断されていない例では、以下のような症状の際にご紹介いただいています。
- 心雑音
新生児・乳幼児健診、学校心臓検診、日常診療の診察時などの際に発見されます.先天性心疾患の診断の契機になりますが、健常児にも多く聴かれます(無害性心雑音)。 - チアノーゼ
新生児・乳児期早期に全身チアノーゼ、酸素飽和度の低下があり、酸素投与でも回復しない際は、先天性心疾患が疑われます。 - 不整脈
健診時の聴診で偶然発見されたり、学校心臓検診で指摘されたりします.突然始まり,突然終わるような動悸は病的な不整脈のことがあります。 - 胸痛
短時間のズキズキ、チクチクする痛みの多くは心配ありません。運動時の胸をつかまれるような痛みは、心疾患のことがあり受診が必要です。 - 失神
神経調節性失神やてんかんなどが多く、心疾患が原因となることはまれです。運動中や運動直後に失神する場合は、心疾患のことがあり受診が必要です。
主に取り扱っている疾患、治療内容
主な疾患には解説をつけていますので、クリックしてください。その模式図がわかりやすいように、正常の心臓と血液の流れを示します。(PDF 120.5KB)
先天性心疾患
左右短絡疾患
心室中隔欠損(PDF 88.1KB)、心房中隔欠損(PDF 117.7KB)*、房室中隔欠損(心内膜床欠損)(PDF 115.3KB)、動脈管開存(PDF 78.2KB)*、大動脈肺動脈中隔欠損、など
チアノーゼ性心疾患
(一部はチアノーゼを認めないことがあります。)
ファロー四徴(PDF 125.1KB)、両大血管右室起始、完全大血管転位(PDF 95.2KB)、修正大血管転位、三尖弁閉鎖(PDF 114.9KB)、肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損(PDF 121.9KB)、純型肺動脈閉鎖(PDF 92.8KB)、総肺静脈還流異常(PDF 179.9KB)、部分肺静脈還流異常、総動脈幹、単心室、内臓錯位(無脾症、多脾症)(PDF 58.9KB)、など
大動脈弓の異常をともなう疾患
大動脈縮窄(PDF 137.9KB)*、大動脈弓離断、左心低形成症候群(PDF 109.9KB)、血管輪、など
弁膜疾患
肺動脈弁狭窄(PDF 108.2KB)*、三尖弁閉鎖不全、エプスタイン病(PDF 101.8KB)、大動脈弁狭窄*、大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁狭窄、僧帽弁閉鎖不全、など
その他
右室二腔症、先天性冠動脈疾患、など
(*の疾患および各疾患術後病変は心臓カテーテル治療の対象になります。)
心筋・心膜疾患
不整脈(PDF 97.1KB)
頻拍性疾患
心室期外収縮、上室(心房・接合部)期外収縮、発作性上室頻拍、WPW症候群、心房頻拍、心房粗動、心房細動、心室頻拍、QT延長症候群など
徐拍性疾患
洞不全症候群、房室ブロック、など
肺高血圧(PDF 56.5KB)
特発性肺動脈性肺高血圧、アイゼンメンジャー症候群、など
川崎病(PDF 63.1KB)
急性期治療(特に重症例の管理)、冠動脈病変(拡大・瘤・狭窄、狭心症、心筋梗塞)、など