指導医インタビュー vol.3 <広尾病院循環器科 深水 誠二>
自己紹介をお願いいたします。
東京都立広尾病院 循環器科の深水誠二です。私は1995年に日本大学医学部を卒業し、駿河台日本大学病院(現在の日本大学病院)の循環器科に入局しました。当初から不整脈に興味があったため、2001年から約2年半、広尾病院で不整脈のイロハを教わりました。その後、2006年に医局を離れ広尾病院の常勤スタッフになり、あっという間に15年が経ちます。今年度(2021年度)から循環器科部長を拝命し、さらに当科を飛躍させるべく全力を尽くす所存です。
広尾病院はどんな病院ですか?
都立病院として重点医療に掲げているのは救急医療・災害医療・島嶼医療ですが、得意とするのは心臓病医療・脳血管医療です。2020年初めから猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症に対しても重点医療機関として、病院一丸となり対応しています。場所柄、外国人患者さんへの医療提供も多く、JMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度)の認証を取得しています。ちなみに、都心の中心部にあり環境は抜群だと思います。
循環器科の特徴について教えてください。
広尾病院 循環器科では虚血性心疾患、不整脈、心不全を診療の軸として幅広く心血管疾患を扱っています。日本循環器学会・日本不整脈心電学会・日本心血管インタベーション学会の研修施設となっており、スタッフは虚血性心疾患と不整脈を専門とする指導医がそれぞれ複数在籍しています。原則「断らない救急」を理念としておりますので救急はすべてwelcomeです。また、地域の医療機関との連携も密であり、紹介患者さんも多く症例は豊富です。心臓血管外科との連携も良好で、その他、脳神経外科・腎臓内科等と血管内治療センターとしてチーム医療を提供しています。
広尾病院 循環器科専門研修プログラムの特徴や魅力を教えてください。
まず、4年間のプログラムであれば、循環器の基本から始めても、独立して手技を完遂できるようになるまでの十分な症例数が経験できます。視野の広い応用の効く循環器科医に育って頂くため、シニアレジデントの最初から専門領域のみを研修するのではなく、幅広く症例を経験してもらえるよう研修を組み立てています。また、比較的早期の段階で手技(カテーテル検査や治療)に携わってもらいますので、自身の成長を実感できるのではないかと思います。診療スキルを磨くのはもちろんですが、当科では学術活動も重要視しており、学会・研究会の参加や演題発表、あるいは論文作成についても十分なサポート体制のもと、多くの経験ができることが魅力かと思います。
専攻医への指導の際、心掛けていることを教えてください。
一昔前に比べて循環器科医が知っておかなければならないことや経験すべきことは膨大となっているにも関わらず、最近の専攻医の先生はみな優秀です。しかし、それぞれに向き、不向きがあったり、好き嫌いがあったりすることも理解できますので、シニアレジデントの先生とは普段からよく話をして些細なことでも相談に乗れるような指導医であるよう心掛けています。よく勉強しているシニアレジデントから私自身が教わることもたまにはあります。そのような時は、素直にうれしいですね。
新型コロナウイルス感染症対応では、病院として重点的に取り組まれていますが、シニアレジデントへの影響やサポート体制はいかがでしょうか?
新型コロナウイルス感染症の対応については、広尾病院はその他の病院と比較すると大きく貢献していると思います。2020年度末には一般診療にも多大な影響が及び、一時はカテーテル治療含めた入院診療を完全にストップせざるを得ない期間もありました。しかし、広尾病院の全診療科が一丸となってコロナに対応する体制ができているので、各科への負担は分散されています。そのような状況において、シニアレジデントの先生のなかには内科研修としての経験症例(他科の症例)が少ない先生もいるため、院外ローテーションの時期を調整するなど、柔軟に対応できるようにしています。
どのような人に広尾病院 循環器科へ来てほしいですか?
簡単にいうとガッツのある人です。向上心があり、積極的な人が向いていると思います。手技を多く経験したい人、学会で発表をたくさんしたい人、論文をたくさん書いてみたい人にぜひ来てほしいです。
これから専門研修先を選ぶ初期研修医の先生方へのメッセージをお願いします。
数多くある研修病院のなか、少しでも興味がありここまで目を通してもらった先生には、決して後悔させない充実した研修をお約束します。病院見学やオンラインでの説明会にも応じておりますので是非ご連絡下さい。
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