2019年12月27日
1 概要
令和元年12月25日(水)の午前中に、多摩総合医療センターにおいて、麻酔用の筋弛緩剤(ロクロニウム臭化物静注液50㎎/5.0ml)(以下「本剤」という。)等が格納されたケースを手術のため開封したところ、本来ならば、1ケースに4バイアル(4本)あるべき本剤が3バイアルしかなく、1バイアルが所在不明となっていることが判明しました。
直ちに、関係職員からの聴取、院内の関係箇所の捜索を行いましたが、発見に至らなかったため、翌26日(木)に東京都福祉保健局医療政策部に報告するとともに、府中警察署に届け出ました。
多摩総合医療センターでは、捜索を継続するとともに、今回の事態を非常に重く受け止め、管理体制等の見直しを行うなど、より一層厳格な医薬品の管理に取り組み、再発防止に努めてまいります。
2 経過等
本件の経過等については、以下のとおりです。
・手術室で使用する本剤は、35ケース(1ケース4バイアル入り)を手術室及び薬剤科において、それぞれ施錠保管しており、通常は、平日の夕方、手術室において本剤等の使用により開封されたケースの回収及び補充した同数のケースの払い出しを薬剤科により行っている。
・12月23日(月)16時30分頃、当日担当した薬剤師と手術室の看護師の2名により、本剤が48バイアル使用されたことを確認の上、当該薬剤師が開封済みの26ケースを薬剤科に持ち帰った(開封されたケース内には未使用分が残る場合があるが、未使用分も含めて一旦、ケースごと薬剤科へ持ち帰り、使用された分と同数の本剤を補充している。)。
・同日17時頃、当該薬剤師は、持ち帰ったケースに本剤を補充するため、薬剤科で施錠保管している本剤10バイアル入りの紙箱5箱(計40バイアル。1箱のみ8バイアル払い出し済み)の合計48バイアルを保管庫から取り出した(1箱には本剤5バイアルが紙製の波状の入れ物にセットされ2段重ねに収納されている。)。なお、取り出しの際には、保管棚の管理を担当する薬剤師の立会いの下で保管庫内の本剤の残数の確認を行うことにより、数え間違いを防止している。
・その後当該薬剤師は、保管庫から取り出した本剤を台車上に載せ、補充作業を行う場所まで運んだ後、それぞれの箱から、紙製の波状の入れ物を取り出し、手術室から回収した26ケースに本剤を補充し、ケースに蓋をした。
・蓋をしたケースは、委託業者の職員が、帯状の紙で封印した。
・当該薬剤師は、本剤の48バイアル全てを補充したと思い込み、空き箱や紙製波状の入れ物を廃棄したが、その中に1バイアルが含まれていたことが考えられる。
・なお、23日(月)に薬剤科が手術室から回収し、保管していたケースについては、24日(火)の夕方、薬剤科により、手術室に対して払い出しを行ったものであり、そのうちの1ケースが25日(水)に開封され、1バイアル不足していることが判明した。
3 再発防止策等
(1) 多摩総合医療センターでは、今回の事態を重く受け止め、緊急の安全対策会議を開催し、ロクロニウム等の毒薬等の取り扱いに関して、以下の再発防止策を講じることとして、薬剤管理を徹底してまいります。
ア これまで、薬剤師一人で行っていた薬剤科における毒薬等の補充作業を二人以上の体制で実施する。
イ 業務フローやマニュアルの再検証等を行って医薬品と廃棄物が混在することを防ぎ、類似の事例発生のリスクを抑止するための総点検等を実施する。
ウ 医薬品安全管理に関する緊急の職員研修を実施し、薬品の適正管理等に関する注意喚起、必要な知識等の周知徹底を図る。
(2) 病院経営本部では、今回の事態を受け、本日付けで毒薬等の適正管理の徹底について全都立病院長宛てに通知するとともに、本日緊急の事務局長会を開催し、重ねて徹底を図ります。
都立多摩総合医療センターにおける筋弛緩剤(ロクロニウム)の所在不明について(PDF 199.3KB)
【問合わせ先】
病院経営本部サービス推進部事業支援課
電話03-5320-5835
都立多摩総合医療センター事務局庶務課
電話 042-323-5111