小児難病医療
- 小児慢性特定疾病や指定難病の対象疾患について、出生から小児期、思春期、成人期に至るまで子どもの成長に応じた継続的な医療を提供しています。
- 成人後も適切な医療を受けられるよう、隣接する多摩総合医療センターなどの医療機関と連携し、成人期医療への移行支援を行っています。
- 小児難病の疾患構造の解明や治療法の確立、適切な医療の提供のため、未診断疾患イニシアチブ(IRUD*)に地域拠点病院として参加しています。
未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Disease :IRUD)
2015年、日本医療研究開発機構(AMED)による希少・未診断疾患に対する難病克服プロジェクトの一環として、未診断疾患イニシアチブ(IRUD:アイラッド)がはじまりました。従来法では診断に至らなかったお子さんと成人のうち、複数の身体部位や臓器に症状を認める方、血縁者や同胞に同じ症状を複数名認める方などを対象に、全国規模で展開されている診断プロジェクトです。ヒトゲノム配列を高速かつ網羅的に決定する次世代シークエンサーという解析機器を用いて、遺伝情報と臨床像との関連を検討し専門家と共に診断をめざします。当院は、IRUD拠点病院(全国37カ所)の一つであり、IRUD解析センター(慶應義塾大学病院・臨床遺伝学センター)との協働のもと、多摩地域における診断の窓口としての役割を担っています。
希少未診断疾患に対する診断プログラムの開発に関する研究(PDF 340.5KB)
診断実績(2020年4月時点)
参加家族数:172家系
紹介元内訳:臨床遺伝科38%、他科41%(内科系37%、外科系4%)、院外21%(15施設)
診断に至った家族と疾患:72家系(先天異常症候群36、神経筋疾患19、コピー数異常6、骨系統疾患4、結合織疾患2、腎尿路泌尿器疾患2、血液凝固疾患2、免疫不全1)
診断到達率:42%
診断確定までの期間(72家系中):半年以内19%、半年から1年以内42%、1年から2年以内23%、2年から3年以内10%、3年以降5%