小児専門医療 手足の先天性形態異常

手足の先天性形態異常とは

手足の先天性形態異常とは手足の形に問題を備えて生まれてきた状態の総称で、多指症合指症などが含まれます。症状は、手足の一部が大きすぎたり、短かったり、多すぎたり、少なかったり、曲がっていたり、動かなかったりと多種多様で、左右両側など多数の部位に現れる場合もあります。出生後すぐに一目瞭然であることが多いのですが、成長とともに次第に明らかになる場合もあります。

手足の先天性形態異常写真

このように手足の先天性形態異常は多種多様ですので、診療には特別な知識が必要となります。我々小児整形外科医や小児形成外科医は、そのスペシャリストです。

手足の先天性形態異常の原因

生まれ持った異常とはいっても、御両親から受け継がれたもの(遺伝性)とは限りません。
お母さんの胎内で手足が作られていく過程で外力が加えられたり、病原体や化学物質にさらされたりすることで誘発されることもあり、原因の特定は容易でないことがあります。
治療を行っていく上で原因の特定は必ずしも必要ではありませんが、隠れた他の問題を見つけるきっかけになる場合や、症状の経過を予測する手がかりとなる場合がありますので、ご家族の希望をふまえて他の診療科の協力を得ながら原因の特定に努めるようにしております。

当院で行う手足の先天性形態異常の治療方法

治療を計画するにあたって、形態異常に伴う手足の解剖の変化を詳細に把握する必要があります。骨の太さは充分か、弯曲していないか、関節の動きと安定性はどうか、指を動かす腱の機能は保たれているか、握る・つまむ等の動作は可能かなどを評価し、機能的な予後を予測して治療の必要性を判断します。
治療には装具による矯正や手術などがあり、装具療法の場合には生後半年以降から、手術の場合には生後10ヶ月以降に行われることがほとんどです。
また、手足の形態異常に関しては、機能的な障害だけではなく整容的な問題も考慮しながら治療の計画をたてる必要があります。当センターでは整形外科と形成外科が合同で治療計画とその実施を行っており、機能面だけでなく整容面も考慮しながら治療を行っています。