当院は、平成23年4月1日より「地域がん診療連携拠点病院」に指定され、令和6年4月1日付で更新されました。
これからも質の高いがん医療の提供と地域のがん医療水準の向上を図る拠点としての役割を担い、一層のがん医療の質の向上及び連携体制の整備に努めてまいります。
がん診療連携拠点病院とは
概要
高度ながん医療の提供等を行い、がん診療の連携協力体制の整備を図るほか、がん患者等に対する相談支援、情報提供等を行うため、厚生労働省が定めた整備指針に基づき、「都道府県がん診療連携拠点病院」を都道府県に概ね1か所、「地域がん診療連携拠点病院」を二次保健医療圏に1か所程度、都道府県の推薦に基づき国が指定します。
東京都には「都道府県がん診療連携拠点病院」が2病院、「地域がん診療連携拠点病院」は当院を含め、現在、26病院となっています(令和6年4月1日現在)。
指定要件
厚生労働省が定めるがん診療連携拠点病院の整備指針を満たしていることに加えて、東京都は、5大がん(肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん、乳がん)のほかに複数のがん(子宮がん、血液腫瘍など)についても集学的治療の実施など、高い診療機能を有していることを要件として、国に推薦しています。
集学的治療
がんの治療法としては、主に、手術治療、放射線治療、薬物療法などがありますが、これらを単独で行うのではなく、がんの種類や進行度に応じて、さまざまな治療法を組み合わせた治療を行う場合があります。これを集学的治療といいます。
地域がん診療連携拠点病院の機能・役割について
- 高度ながん医療や緩和ケアの提供、セカンドオピニオンの実施
- 相談支援センターの設置、がん医療従事者に対する研修や院内がん登録の実施
- 都道府県がん診療連携拠点病院は都道府県のがん治療の質の向上及びがん治療の連携協力体制の構築に関し中心的な役割を担い、また、地域がん診療連携拠点病院は二次保健医療圏における中心的な役割を担います。
診療体制について
がん診療連携拠点病院等の整備について(健発0801第16号 令和4年8月1日厚生労働省健康局通知)において、「我が国に多いがんを中心にその他各医療機関が専門とするがん について、手術、放射線治療及び薬物療法を効果的に組み合わせた集学的 治療、リハビリテーション及び緩和ケア(以下「集学的治療等」とい う。)を提供する体制を有するとともに、各学会の診療ガイドラインに準 ずる標準的治療(以下「標準的治療」という。)等がん患者の状態に応じ た適切な治療を提供すること。」と定められていることに基づいて、当院でも次の各種治療法を提供しています。
集学的治療
1. 手術
手術療法の提供については、各診療科のページをご覧ください。
2. 放射線治療
放射線診療については、診療放射線科ページをご覧ください。
3. 化学療法
化学療法の提供については、外来化学療法センターページをご覧ください。
4. 緩和ケア
緩和ケアは、「がん」と診断された時から全ての過程を通して出現する身体やこころのつらさを少しでも和らげ、可能な限り患者の皆様やご家族の生活の質(クォリティオブライフ)を維持、向上していくケアです。
また、当院には緩和ケア病床はありませんが、「緩和ケアチーム」が入院および外来の患者さんやご家族のサポートをいたします。
東京都内における緩和病棟を有する医療機関一覧
セカンドオピニオン
当院では他院で診療を受けているがんの患者さんに対して、セカンドオピニオン外来を開設しています。対象は胃・大腸・肺・乳腺・肝臓のいわゆる5大がんを始めとして様々な種類のがんです。当院のセカンドオピニオン外来は完全予約制です。30分ほどの時間でそれぞれのがんの専門医が知りたいことに対してお答えします。
キャンサーボード
キャンサーボード(Cancer Board)は、診療科を超えて、また看護師、薬剤師、放射線技師等の職種を超えて協働して、1人のがん患者さんの治療の方向性を包括的に話し合っていく場です。
1つの診療科だけでなく、多職種での検討により患者さんにとって最適な治療方針をそれぞれの専門的な意見を出していくことで、その患者さんの心情、生活環境をも考慮した治療法を打ち出していくことが可能となります。それがキャンサーボードの最大の特徴です。
当院では毎月1回以上、定例(臨時開催も含む)キャンサーボードが行われています。また、随時に小規模なキャンサーボードも実施されています。
当院では今後とも、患者さんの治療選択の幅を広げるためにも、当院の治療技術の向上のためにも、キャンサーボードの活用を高めていきたいと考えています。
地域の医療機関との連携体制について
東京都医療連携手帳(がん地域連携クリティカル・パス)」とは、がん患者さんが、手術など専門的な治療を行った後に使用するもので、患者さんの5年ないし10年先までの診療の計画を立てたものを、一冊の手帳にまとめたものです。
患者さんが地域の医療機関を受診する際に、この手帳を持参することにより、当院の医師とかかりつけ医、その他の医療機関等が患者さんの治療経過などの情報を共有できます。
患者さんにとっては、「いつ」「どこで」「どんな」診察や検査等を受ければよいかがわかります。
東京都医療連携手帳(がん地域連携クリティカルパス)についてはこちら(外部リンク)
がんに関する情報提供・相談支援について
がん患者さん・ご家族・地域の皆さんのご相談を専門の看護師やソーシャルワーカーがお話しをお受けし、悩みや困りごとを解決するお手伝いをいたします。(診断や治療の判断はいたしません。)
院内がん登録について
院内がん登録とは、各病院で「がん」と診断または治療されたすべての患者さんについての情報(年齢、性別、がんの種類、ステージ、治療方法等)を一定のルールに基づいて収集・登録する仕組みであり、その病院のがん診療がどのように行われているかを明らかにする調査です。
この調査は「がん登録等の推進に関する法律(平成25年法律第111号)」及び「院内がん登録の実施に係る指針(平成27年厚生労働省告示第470号)」に基づいて、国立がん研究センターが実施する研修を受講し、認定試験に合格した「院内がん登録実務者」が行っています。
各病院の登録データは、毎年国立がん研究センターに提出・集積され「院内がん登録全国集計データ」として公表されています。
また、同データは国が集計・分析・管理する「全国がん登録」として都のがん対策にも役立てられています。
患者さんの個人情報については、「個人情報の保護に関する法律」や「個人情報の保護に関する法律施行条例 」等に基づき適切に保護・管理され、個人が特定されるような形で公表されることはありません。
オプトアウトについて
国立がん研究センターへ提供する院内がん登録のデータの二次利用につきましては拒否(オプトアウト)の機会が認められております。
二次利用について拒否を希望される場合は別紙「オプトアウトポスター」に記載された当院窓口までご連絡ください。
院内がん登録全国収集データ二次利用について(PDF 273.1KB)
オプトアウトポスター(PDF 277.3KB)