小細胞肺がんは非小細胞肺がんとは病理学的・生物学的に異なるものであり,進行は早いものの化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療が奏功しやすいという特徴があります。病期(いわゆる進行度)に関しても非小細胞肺がんと同じ分類(TNM分類)を用いるだけでなく,広がりに応じて限局型小細胞肺がん・進展型小細胞肺がんというような分類を用います。
初診から治療の流れとしましては下記のとおりです。
- 初診:問診及び方針についてのご説明
- 組織診断(気管支鏡検査・CTガイド下生検など)
- 病期診断(CT検査・頭部MRI/CT検査・PET-CT/骨シンチグラフィーなど)
- 全身状態をみるための検査(血液検査・呼吸機能検査・心電図)
これらによって適切な評価を行い,治療方針を決定します(治療を急ぐ場合など患者さんの状態に応じて必要な検査は異なりますので,上記はあくまで目安です)
限局型小細胞肺がんであれば化学放射線療法(抗がん剤と放射線治療の併用),進展型小細胞肺がんであれば化学療法が標準的な治療となりますが,年齢や合併症など患者さん毎に治療方針は異なりますので主治医・担当医とご相談下さい。
限局型小細胞肺がんの患者さんに化学放射線療法を行う場合は毎日放射線治療を行うため,原則的に入院で治療を行っています。化学療法と放射線治療を行う同時化学放射線療法と化学療法を行ってから放射線治療を行う逐次化学放射線療法があります。患者さん毎に適切な方針を提案できるよう放射線診療科(治療部)と相談をしながら診療しています。放射線診療科(治療部)のページも参照下さい。
化学療法を行う場合も殆どの場合は入院で治療導入をしています。1回目の治療で様子をみて,2回目からの治療は外来で化学療法を行うことも可能です。最初の入院は治療開始後2週間ほど様子をみて退院になることが多いですが,副作用の出方に応じて早期退院もしくは入院期間の延長を行っています。治療の効果は主にCT検査で適宜確認していきます。
治療の副作用については「化学療法(抗がん剤治療)の副作用、対策について」をご覧ください。