小児専門医療 口唇口蓋裂

 口唇口蓋裂は日本人の500~600人に1人の割合で発生するといわれている疾患です。口唇口蓋裂は妊娠中の器官形成期に顔面の癒合がうまくいかなかったために起きますが、その原因として単独の要因が特定されることはほとんどなく、遺伝因子と環境因子が複雑に関係しあって、ある一定の閾値を超えたときに発症するとされています。
 症状は、裂が口唇のごく一部に見られるものから鼻腔底~歯茎~口蓋までつながっているものまで様々で、程度に応じて必要となる手術の内容も異なります。また、患者さんの成長に伴って、医療上注意すべきことがらも、顔貌・言語・咬合・社会生活、と変化していくため、包括的な視野にたって継続的な診療を行っていくことが重要です。
 形成外科では、口唇口蓋裂の診療に際して、小児歯科、矯正歯科、耳鼻いんこう科、リハビリテーション科(言語聴覚士を含む)、心理福祉科、看護部、栄養科からなるチームで治療を行っています。一貫したプロトコールのもとで関連各科が診療を継続することで、患者さんの抱える問題を多角的・経時的に捉え、本人のもてる可能性を最大限に引き出し、社会生活を支援することを目指しています。医学的・社会的に治療の困難な患者さんについては月1回開催されるチームカンファレンスにおいて、必要に応じて他の関連科のスタッフも交えながら討議され、包括的な視点から治療方針を決定しています。
 口唇口蓋裂が主な対象疾患ですが、第1第2鰓弓症候群やその他の顔面変形に関しても症状に応じて本チームで診療にあたっています。

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形成外科頭蓋顔面の先天異常と、全身の皮膚病変に対して主に手術によって治療を行う診療科です。患者さんの明るい未来のために、質の高い医療を提供します。