小児専門医療 頭蓋顔面の先天異常

 当院では、頭蓋骨縫合早期癒合症に代表される頭蓋顔面外科(Craniofacial Surgery)に関しては、形成外科と脳神経外科が共同して診療にあたっています。
 赤ちゃんの頭には、頭蓋骨の縫合(継ぎ目)と呼ばれる部分が存在し、生後しばらくの期間の脳の急速な成長に合わせて、頭蓋骨を急速に拡大させていくことに関与しています。頭蓋骨縫合早期癒合症とは、この縫合が予定より早く閉じてしまう疾患のことをいい、脳の成長への悪影響が危惧されるのみならず、癒合した縫合に特徴的な頭蓋顔面骨の変形が起こります。したがって、脳の成長に必要なスペースを確保する目的と、頭蓋骨の形態を整容的に整え二次性に起きる頭蓋・顔面の変形を予防するという目的の、二つの観点から治療を行います。
 頭蓋骨縫合早期癒合症は、体の他の部分に特定の症状(合指症や口蓋裂など)を伴う「症候群性」と呼ばれる状態と、頭蓋縫合の癒合以外に異常のない非症候群性と呼ばれる状態に大別されます。両者では症状に差があり、治療時期や方法に関しても異なった配慮が必要です。頭蓋骨縫合早期癒合症は複雑な診療を必要とすることも多く、当院では形成外科・脳神経外科以外にも、眼科・耳鼻科・矯正歯科など関連各科と連携をとりながら診療を行っています。脳の機能予後の改善と頭蓋顔面の形態改善の両者を満たすことのできる治療、長期的に安定した結果の得られる治療を目指しています。
 頭蓋縫合早期癒合症の治療には、大きく分けて一期的頭蓋形成と骨延長法の二つがありますが、カンファレンスで患者さん一人ひとりに合わせて最適な術式を検討し、治療にあたっています。頭蓋縫合早期癒合症のほかに、頭蓋骨の欠損・変形なども治療対象疾患となります。

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形成外科

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頭蓋顔面の先天異常と、全身の皮膚病変に対して主に手術によって治療を行う診療科です。患者さんの明るい未来のために、質の高い医療を提供します。