当科の耳手術は多くの症例で内視鏡下手術を行っています。
従来、耳の手術は顕微鏡で観察しながら行ってきましたが、耳の穴(外耳道)は狭く、中耳腔は凹凸があるので、顕微鏡で手術を行うと陰になって見えない部分が多くあります。顕微鏡で奥までよく見えるようにするために、これまでは耳の後ろに切開を入れて、耳の後ろの骨をドリルで削って広い手術野を作る必要がありました。
近年、ハイビジョンカメラを中心とした機器の進歩により、より細い内視鏡でも鮮明な画像を得ることができるようになりました。近年内視鏡手術は耳の手術においても広く取り入れられていますが、当科でもこの術式を行っております。
内視鏡下耳科手術の特徴
- 内視鏡の視野は広角で、奥まで拡大して観察することが可能であり、より安全性の高い手術が可能となります。お子さんの小さい耳でも良い視 野が取れます。
- 多くは耳の穴の小切開のみで行いますので、従来の手術に比べ痛みが少なく、早く傷も治ります。
- 鼓膜に穴の開いた「慢性中耳炎」、骨を溶かしてめまいや顔面神経麻痺をおこす危険性のある「真珠腫性中耳炎」など、様々な疾患に対応可能な手 術方法です。
病気によっては、従来の「耳後部切開による手術」が必要となります。耳後切開による手術でも内視鏡を併用して良い視野で手術できるようにしています。
中耳・外耳疾患に関わる2018年の手術実績 | 24例 | |
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疾患の内訳 | 真珠腫性中耳炎 | 9例 |
慢性中耳炎 | 15例 | |
手術方法の内訳 | 内視鏡手術 | 20例 |
従来の耳後部切開 | 4例 |
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