小児がんの治療成績の向上により、病気を克服していける子どもが増えている一方で、小児がんを経験された方の中には、治療などの影響により、背が伸びにくい、二次性徴がみられない、疲れやすいなど様々な体の不調が生じることがあります。これを晩期合併症といいます。病気の種類や受けた治療により、起こる晩期合併症は異なります。その症状は治療終了後しばらくしてから起こることもあり、長期に続く場合もあります。また、治療後の影響は、身体面だけではなく、精神面、社会面などにも及ぶことがあります。
そこで、大切なのが「長期フォローアップ外来」の受診です。
長期フォロ-アップ外来では、診察や検査、看護師との面談を受けることで、より早期に異常を発見し、適切なタイミングで治療やアドバイスを受けることができます。また、小児がん経験者の成長に合わせ、自身の病気に関する説明を受けることができ、小児病院から成人病院へと移行する準備ができます。日常生活を送る上で、不安なこと、困ったことなどがあれば遠慮なくお申し出ください。
診療内容
- 毎週火曜日・水曜日に開催
- 長期フォローアップ外来は治療終了から5年前後を目安に受診していただいています。受診の時期がきましたら、外来主治医より説明があります。
- 初回受診時に、長期フォローアップ外来の説明を行い、治療サマリー(PDF 173.6KB)とフォローアップ手帳(JPEG 90.4KB)をお渡しします。
- 2回目以降は、10歳以上の患者様には問診票を記載していただき、看護師による面談を行います。面談は、保護者の方の同意をいただいたうえで保護者と別に面談を行います。その後、医師による診察を行います。
- 他の医療機関で治療を受けた小児がん経験者も受診ができます。その際は、紹介状があると、病状や治療歴を把握できますので、担当医とご相談ください。
(注)以下のリーフレットは国立成育医療研究センター小児がんセンターにて作成されたものを一部改変して作成しています。
・治療が終わったあとのこと ~男の子のからだ~(PDF 343.4KB)
・治療が終わったあとのこと ~女の子のからだ~(PDF 240.5KB)
・治療が終わったあとのこと ~肺(呼吸器)~ (PDF 285KB)
・治療が終わったあとのこと ~心臓~(PDF 312.4KB)
・治療が終わったあとのこと ~二次性腫瘍~(PDF 260KB)
診療実績
2017年7月に「長期フォローアップ外来」を開設しました。開設当初は、週に1回の長期フォローアップ外来でしたが、2019年より長期フォローアップ外来担当医師が増え、週2回実施しています。