精神科急性期医療

当院では、一般の精神科病院では対応困難な専門性の高い急性期の精神疾患に対応しています。

精神科急性期病棟

精神科急性期医療を担う病棟には、閉鎖病棟である31病棟、32病棟、33病棟、61病棟、62病棟、63病棟、64病棟、71病棟の他、開放病棟である54病棟があります。

このうち33病棟は東京都精神科夜間休日診療事業を担当するとともに、新たに入院した患者さんを適切な病棟に振り分けるトリアージ病棟の役割を果たしています。31病棟、33病棟、71病棟はいわゆるスーパー救急病棟(精神科救急入院料病棟)であり、3ヶ月以内の自宅退院を目標にしています。これら3病棟は保護室が病床の半数を占めており、入院時に不穏・興奮などのため保護室の使用が必要な場合は、これら3病棟のいずれかに入院となります。

入院時に保護室が必要でない場合、他の閉鎖病棟か、あるいは開放病棟である54病棟への入院となります。
32病棟、61病棟、62病棟、63病棟、64病棟では主に行動制限の必要がない患者さんを受け入れており、このうち62病棟は15歳から25歳くらいの患者さんを対象としています。
いずれも患者さんの状態、性別、年齢、入院形態などを考慮し、最も適した病棟に入院していただきます。

対象疾患

対象疾患は統合失調症などの精神病性障害のほか、気分障害、適応障害、パーソナリティ障害、器質性・症状性の精神障害など、多岐にわたっています。上に挙げた病棟群の他、専門治療病棟として、アルコールや物質使用による精神障害のための61病棟と、認知症のための41病棟、73病棟があります。

入院治療

入院治療にあたっては、隔離や身体拘束といった行動制限を最小限にし、適正な薬物治療と十分な心理的対応を行うよう努めています。各病棟では、患者さんの状態に応じた心理療法、心理教育、服薬指導、作業療法、そして必要に応じたケースワークが、多職種のスタッフによって早期から行われます。治療は精神科クリニカルパス(標準化治療計画)を用いて行われ、それによって入院期間の長期化の防止、治療の標準化、チーム医療における多職種間のコミュニケーションの促進など、入院治療の質の向上を目指しています。治療による状態の改善に伴って、より開放的な病棟へと移動していただくことにより、より適切な治療環境を提供するとともに、早期の回復と退院を目指します。

当院の精神科外来に通院中の患者さんだけでなく、他の精神科病院や診療所から紹介された患者さんの入院も受け入れています。また、他の精神科病院に入院中で治療困難な患者さんの入院や、mECT(修正型電気けいれん療法)や非定型抗精神病薬による治療を目的とした入院も受け入れています。

外国人の患者さんも広く受け入れており、とくに東京都内で措置入院が決定した外国人の患者さんについては、ほとんどを当院で入院治療を引き受けています。

当院では治験も行っています。「治験」ってなんですか?をご覧ください